SONIC ALTAR/「NO SACRIFICE」レビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
-2011-

「NO SACRIFICE」SONIC ALTARジャケ写
「NO SACRIFICE」
SONIC ALTAR

11.6.22release

 ニュージーランド産、正統派ヘヴィ・メタル・バンド:SONIC ALTARのデビュー・アルバム!!

 N.W.O.T.H.M.や80'sリバイバル・シーンが盛り上がり、当時直系のサウンドを聴かせるバンドが湧き出てくるなか、このSONIC ALTARの音楽性はそれらを上手く取り入れながらも、あくまでモダンかつより幅広い要素を吸収した独自のスタイルを構築している。それはN.W.O.〜のシーンが確立される前に出現したMACHINE MENや、ベテランPOVERTY'S NO CRIMEなどに近いかもしれない。若手では数少ない温故知新をしっかりとやっているバンドだ。

 ブルース・ディッキンソンを彷彿とさせるヴォーカルは、ドラマティックな構図の正統的なメタル・チューンもありIRON MAIDENを彷彿とさせる場面も。しかし、そこへモダンなヘヴィ・リフしかり、時にBLACK SABBATHもしくはブラック・メタル的な暗黒感、はたまたJUDAS PRIESTやQUEENSRYCHEのような硬派さを持っているかと思えば、ピアノをフィーチャーした叙情的なバラードまであったりと、非常にバラエティ豊か。“○○みたい”と特定できないのは、オリジナリティーを確立している証だ。BLACK SABBATHやHEAVEN AND HELL、JEFF BECK、CRADLE OF FILTH等を手掛けた、マイク・エクセターがプロデュースおよびキーボード&オーケストレーション・アレンジを担当。また、エンヤをはじめイギリスにおけるポップス/ロックのヒットアルバムを数多く手掛けるディック・ビーサムがマスタリングを担当したという布陣からも、レーベルがかける期待がみてとれる。

 KING DIAMONDやSAVATAGEなどのダークかつミステリアスな雰囲気を醸し出す「The Shadow」、IRON MAIDENのドラマティックチューンにも通じる「Welcome To The Dream」、プログレ・メタル的な予測不能な展開をみせる「Children Of The Lost」などの大作でみられる構築センスは、新人らしからぬもの。ここまで楽曲を緻密に創り上げる若いバンドは昨今あまり出会ったことがない。随所にみられる80'sメタル的なライブ栄えするコーラスアレンジもユニークだ。
 キャッチーさが希薄な分、即効的に本作を楽しんで聴けるリスナーは少ないのかもしれないが、聴き込んだ分だけしっかり見返りは十分にある。ヒット性は正直言って薄いが、大型新人であることは確か。興味をもった方はぜひ聴いていただきたい。

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