YES/「FLY FROM HERE」レビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
-2011-

「FLY FROM HERE」YESジャケ写
「FLY FROM HERE」
YES

11.6.22release



Fly from Here - Yes
 プログレッシブ・ロック最高峰:YES、10年ぶりのニューアルバム『FLY FROM HERE』!

 オーケストラをフィーチャーした2001年リリースの『MAGNIFICATION』以来、10年ぶりとなるニューアルバム『FLY FROM HERE』。本作では残念ながらジョン・アンダーソン(Vo)の参加はないが、クリス・スクワイア(Ba)がYouTubeで見つけたというCLOSE TO THE EDGEなるYESのカバーバンドのベノワ・デイヴィッドをニューシンガーに迎え入れている(そういえばJOURNEYの現ヴォーカルもYouTubeで見つけたカバーバンド出身/笑)。加えてキーボーディストには、昨今AISIAとしての活動も目立っているジェフ・ダウンズ。さらには、アルバム『DRAMA』発表時のメンバーであるトレヴァー・ホーンがプロデューサーを務めており、スティーヴ・ハウ(Gt)、クリス・スクワイア(Ba)、アラン・ホワイト(Dr)の往年メンバーと相まり、プログレ・ファンの話題を集めるに容易な状況がそろう作品となった。

 その“話題性”だけでなくファンの期待に十二分に応える、なんともYESらしいサウンドが楽しめるのが本作最大の特徴。その筆頭となるのが24分にも及ぶ「Fly From Here」組曲だ。なんでも『DRAMA』セッション時に試した楽曲を発展させたという超大作は、叙情的かつキャッチーなヴォーカル・ハーモニーを伴いながら、各パートが絡み合う繊細なアレンジと構成力を持つ、紛れもない“YESサウンド”そのものの。リック・ウェイクマンの息子、オリヴァー・ウェイクマンも参加するドラマティックなイントロダクションに心躍らさずにいられない「Overture」から、ジョン・アンダーソンの繊細さを備えつつ、より温かみのあるベノワの声による叙情的なバラードで始まる「Fly From Here Pt.1 - We Can Fly」の流れは、既に往年のファンを満足させるに足りるほど。多彩なアンサンブルが楽しめる「〜Pt.III - Madman At The Screens」でもう一つ山場を作り上げるなど、各メンバーの持ち寄ったエレメントがバツグンのバランスで組みあがっている様も素晴らしい。

 超大作を集中力を途切れさせることなく聴かせた後、近代型のヴォーカル曲や、スティーヴ・ハウらしいアコースティック・インスト等、アルバム全体の流れも非常に良く、あっという間に最後まで聴かせてしまうトレヴァーのプロデュースもさすが。バンドのことを知り尽くす人物ならではの業だろう。さすがにブラフォード&スクワイア時代の躍動感はないが、年輪を重ねたYESらしいじっくりと聴かせる作風ながら、緻密に練り上げられたプログレッシブ・ロックの最高峰に相応しい力作だ。

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