GRAND ILLUSION/「Prince Of Paupers」レビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
-2011-

「Prince Of Paupers」GRAND ILLUSIONジャケ写
「Prince Of Paupers」
GRAND ILLUSION

11.10.19release

 欧州メロディアス・ハードロックの人気バンド、GRAND ILLUSIONの2年ぶりのニューアルバム!!

 透明感および哀愁と強烈なフックを伴ったメロディーを惜しげもなく披露する日本人好みのメロディアス・ハードで確固たる地位を築いたGRAND ILLUSION。復活第2段、通算5作目となるニューアルバム。復活作となった前作よりアンダース・リドホルム(Ba, Gt, Key)がピーター・スンデルとペア・スヴェンソンの二人のシンガーを率いる形態のプロジェクト色をより強めているが、本作もしかり。そして、そのアンダースは昨今、デーモン閣下のソロアルバムのプロデューサーを務めるとあり、ミュージシャンとして脂の乗っているだけあり、本作でもしっかりと成長を遂げつつ期待を裏切らない作品を作ってきた。

 前作ではそのデーモン閣下をゲストに迎えた「Search For Light」のドラマティックさに驚かされたが、本作のオープニングを飾る「Gates Of Fire」はまさにその路線を更に推し進めた楽曲。シンフォニック・メタル?と思わせる壮大なイントロダクションで幕を開けたかと思えば、十八番のフック満載メロを武器にさらにMEATLOAFばりの大仰なアレンジや、中間部ではQUEENばりのクワイヤ、極めつけにはマリス・ヴァラジックなるボスニア・ヘルツェゴビナ出身のギタリストによるネオクラシカルな超早弾きソロを配したりと、いきなり鳥肌モノの演出で圧倒させる。過去にも「I Refuse」、「A New Begining」等の名曲を排出してきたが、しっかり名曲級の新曲を産んでくるのも流石だ。

 そして、全曲のギターソロは全てゲストプレイヤーによるものながら、そのメンツがまたスゴイ。我々に一番馴染みのあるTOTOのスティーヴ・ルカサーをはじめ、マドンナやマイケル・ジャクソン、セリーヌ・ディオン等の作品にも参加するティム・ピアース、そして元AIRPLAYのジェイ・グレイドンが参加しており、各曲に聴き所を設けているのもポイント。アンダースがプロデュース業で稼いだ資金(?)を、自身の本命となるGRAND ILLUSIONの作品を理想の形に近づけるために費やしたのだろう。

 プロデューサーとしての経験を全面に活かした緻密なアレンジは、もはやメロディアス・ハードの枠で括るにはもったいない。唯一無比の"ドラマティック・メロディアス・ハード"と称しても良いだろう。もちろん、いつもながら心地よいハイトーンでフックを倍増させるピーター・スンデルの存在も不可欠。何となく力が抜けたような貫禄も決して悪い方向に行っていないのがまた良い。

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