OPETH/「Heritage」レビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
-2011-

「HERITAGE」OPETHジャケ写
「Heritage」
OPETH

11.9.14release

 70’Sプログレッシブ/サイケデリック・ロックへと進化したOPETH注目のニューアルバム『HERITAGE』!

 由緒あるロイヤル・アルバート・ホールでの名演を収めたライブ盤に続く、OPETHの記念すべき10作目のニューアルバム。バンドの過去・現在・未来が描かれているというアートワーク(頭蓋骨は過去メンバーと同数で、地面は過去のデスメタル・サウンド、空には過去の9作品を示す星、背後の燃える街は文明の劣化、そこから脱した人々が列を成しOPETHの木へたどり着く情景を描いたとのこと)のサイケデリックな様相は、本作のサウンドを明確に伝える素晴らしいものだ。

 これまでのアコースティカルな要素を推し進め、所謂“デス・メタル”的なブルータリティを排除したそのサウンドは、言うなれば70年代のプログレッシブ・ロック、あるいはサイケデリック・ロック的。悲壮感に満ちたピアノの旋律が美しい「Heritage」から、YESの如くスリリングなイントロを配した「The Devil’s Orchard」に流れるオープニング2曲で、見事に新OPETHワールドを創り上げている。従来からのダークかつミステリアスな雰囲気はKING CRIMSONの『RED』的でもあるが、やはりどこを切ってもOPETHなのは、静と動のコントラストが本作でもしっかりみられるからだろう。音圧ではないプレイによるアグレッションは見事で、とくにマーティン・アクセンロットのドラミングは大きなものを担っていると思う。

 RAINBOW的な様式美風味が斬新な「Slither」や、ミステリアスかつロマンチックなパワーバラードながら中間部のインタープレイが素晴らしい「Nepenthe」、ユーロロック的な美と奔放さを併せ持つ「The Lines In My Hand」、ドラマティックな後半が特に素晴らしい長尺の「Folklore」など、筆者がOpethへ求める姿、もしくはそれ以上のものがあちこちに見られる。ただ、アルバムを聴き終えると何となくモヤッと感が残るのも事実…。確かにOPETHにかける期待が誇大なのも承知ながら、“動”の部分が圧倒的に後退したことによってプログレッシブ・ロックの持つダイナミズムも若干少なくなった気がしてならないのも事実。それは、同路線であり同郷のPAIN OF SALVATIONは既に一足早く70’s路線へシフトし、しかも新作『ROAD TO SALT』の仕上がりが素晴らしいのもあるのかもしれない。気合いの入り具合(決して空回りしているわけではない)や、アルバム全体から醸し出すオーラも凄まじく、決して駄作ではないことは声を大にして言える。これをライブで聴いたり、また更に何度も聴くことで大きくイメージが変わるかもしれない。

home album review interview alive&kickin' release info catch the move A to Z links contact