VEKTOR/「OUTER ISOLATION」レビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
-2012-

「OUTER ISOLATION」VEKTORジャケ写
「OUTER ISOLATION」
VEKTOR

12.1.18release

 プログレッシブかつフューチャーリスティックな感性が話題の、米アリゾナ州産・新世代スラッシャー、VEKTORの本邦デビューアルバム!

 2008年リリースのデビュー作『Black Future』がここ日本の輸入盤市場でも話題となり、全世界で8,000枚を超えるセールスを記録したという注目の新世代スラッシャー:VEKTORの、日本デビューを飾る2ndアルバム。メタルTシャツにスリムなブラック・ジーンズと弾丸ベルト、さらには懐かしいデザインのバンドロゴなど、一見、昨今注目の“オールド・スクール・スラッシュ・メタル”ながら、その独特のサウンドはスラッシュシーン最大の注目株と言っても決して過言ではないだろう。

 自ら“プログレッシヴ・SF・スラッシュ・メタル・バンド”と称するそのサウンドは、例えばDESTRUCTIONのようなキャッチーなアグレッションを持ちつつ、テクニカルなバンドアンサンブルによって構築される。全曲がドラマティックにして非常にプログレッシブで、変拍子を多用しつつ、時にキャッチーな旋律を取り入れながらも、決してアグレッションは損なわない。SFドラマ「Xファイル」の雰囲気に近いクリーンギターで幕を開けるアルバムのオープニング・チューン「Cosmic Cortex」は10分を超える大作で、スラッシュ・メタルではあれど、クラシックの近現代音楽からの影響も感じさせる(ちなみに鍵盤、シンセ系はまったくなし)。ドラマティックな「Tetrastructural Minds」なんかでは強い叙情性を発散する場面もありつつ、マーティ・フリードマン在籍時のMEGADETHを彷彿とさせるなど、ただ複雑なのではなく高度な技術と高い音楽センスが窺える。

 スラッシュ・ファンのみならず、ドラマティックでプログレッシブなメタル・ファンにもアピールし得る魅力を個人的には感じる。全編スラッシュ特有の吐き捨てヴォーカルだが、目まぐるしい展開美に興奮させられる衝撃的な作品だ。

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