THE MURDER OF MY SWEET/「Bye Bye Lullaby」レビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
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-2012-

「Bye Bye Lullaby」THE MURDER OF MY SWEETジャケット画像
「Bye Bye Lullaby」
THE MURDER OF MY SWEET

12.6.20release

 フィメールシンガーを擁するスウェーデン産“シネマティック/ゴシック・メタラー”THE MURDER OF MY SWEETの2ndアルバム!


 MIND'S EYE、SECRET SPHERE、SEVENTH WONDERなどで活動していたドラマー:ダニエル・フローレスが、女性シンガー:アンジェリカ・ライリンをフィーチャーし独自のシネマティック・メタルを聴かせるTHE MURDER OF MY SWEETの2ndアルバム。2010年のデビュー作『DIVANITY』は本サイトでも“Special Recommend”盤として取り上げたが、土屋アンナが「Follow The Rain」に日本詞をつけ「Shout In The Rain」としてシングルカットするなどここ日本でも話題となった彼ら。およそ2年半ぶりとなる本作も、前作同様のスタイルを貫いたシンフォニックでゴシカルな世界を創り上げている。

 ベーシスト、ギタリストに交代があったものの、バンドのブレインであるダニエルとアンジェリカがいれば基本路線は変わらず。現代シネマ音楽のような複雑な和音によるオーケストレーションと、いわゆるモダン・メタルらしいダークかつ垢抜けたサウンドメイキング、そして広くアピールし得るであろう耳馴染みのよいアンジェラの歌が生み出す深遠なサウンドは、前作よりも方向性がまとまっているように感じる。

 シングルになりそうな「Fallen」「Violently Peaceful」「Idolize」「The One」(元IN FLAMESのイエスパー・ストロムブラードとの共作)や、叙情バラード「Meant To Last Forever」などはAmarantheやWITHIN TEMPTATIONなどを髣髴とさせる佳曲。そんな中、やはり彼らの醍醐味となるのは映画の世界へ誘う「Waiting For The 27th (Booh Prologue)」のような曲。どこまでも引きずり込まれて行きそうな深遠で表情豊かな曲であり、アンジェラのパフォーマンスも素晴らしい。そして、これに続く「Black September」〜「Phantom Pain」の組曲的な流れは、上述のシングルカットできそうなメロディーやQUEENばりのヴォーカルハーモニーをもフィーチャーしつつ、劇的に展開を遂げていく圧巻の様をみせ、最後の最後に満腹感を味わわせる。

 歌で聞かせたいシンプルな曲において、特にサビでアンジェラの声にもう少しハリが欲しく感じるせいか、はたまはた後半が濃厚なせいか、アルバム前半に勢いが欠けるのが気になるところ。それを男性ヴォイスによるコーラスやクワイアによるハーモニーによって補われているので大きな問題ではないが、アンジェラがさらに成長することによりTHE MURDER OF MY SWEETのポテンシャルはまだまだ高いものになるだろう。NIGHTWISHの最新作『Imaginaerum』が好きなファンならば必ず気に入ると思う。

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