SONATA ARCTICA/「STONES GROW HER NAME」レビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
-2012-

「STONES GROW HER NAME」SONATA ARCTICAジャケ写
「STONES GROW HER NAME」
SONATA ARCTICA

12.5.23release

 SONATA ARCTICA、前作から更なる進化をみせる注目のニューアルバム『STONES GROW HER NAME』!


 前作『THE DAYS OF GREYS』からおよそ3年半ぶりとなるSONATA ARCTICAの新作。2007年リリースの前々作『UNIA』を金字塔に変化を続けるSONATAだが、本作でもスピード・メタル・チューンは排除しつつ、『THE DAYS OF〜』ともまた違った方向性を打ち出しており、賛否両論は否めない作品となった。

 徹底したプログレッシブ、大作感を打ち出した『UNIA』とも異なり、またシンフォニック・アレンジを大々的に取り入れ壮大感に包んだ『THE DAYS OF〜』とも異なる本作。正直言って、一聴して感じるのは“地味”という印象だ。しかし、前2作の変わり様からすればもう驚くことはないし、より楽曲至上主義である面では初期のスタイル(サウンドではない)に近い。これまでにあまり前面に出てこなかったギターリフを配しつつ、欧州固有の透明感を維持しながらさりげなくオルガンを使用するなどで厚みを設けたシンセアレンジ、そして表現力のある歌をもって、以前にも増したより多彩な楽曲を収録している。楽曲のテンポ感こそ似ているが、しっかりと向き合うことで各曲のカラーがまったくもって異なるのが分かり、そしてその奥深さを楽しめる作品なのだ。

 上述のとおりソングライターとしての成長と同時にトニー・カッコのシンガーとしての成長にも注目すべきだろう。全体像から言ってしまえば“メロディック・メタル”ではあるものの、時にシアトリカルであり、時に叙情的、そして威圧的である変幻自在の歌唱が、SONATA流のヘヴィ・メタルを築いている。妥協を許さないトニー張本人の情熱があってこそ、賛否両論あるなかでも引き続き多くのリスナーに注目させる“アーティスト力”が存在するのだろう。特に濃密かつ新鮮味のあるアルバム後半は、しっかりと変化の過程である前2作を踏襲しているのも見逃せない。

 Ari Koivunenの1st『Fuel for the Fire』向けにトニーが提供した「Losing My Insanity」は比較的これまでのSONATAらしさを持っているため分かり易いが、先入観を排除して聴くことで楽曲の良さ、多彩さが浮き彫りとなる本作。もはやこれこそが“SONATAらしい作品”と言っていいだろう。

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