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このDREAM
EVILはメロディック・デス・メタル界の名プロデューサー、フレドリック・ノルドストローム自らがギタリストとしてプレイし、ガス・Gをはじめとする実力派ミュージシャン達を集めて組んだバンドだ。 今年7月にリリースしたデビュー作「DRAGONSLAYER」は、そんなバンドを渦巻く話題をも軽く上回る素晴らしいクオリティーを備えたメロディック・メタル・アルバムに仕上がり、ここ日本でも好セールスを記録した。 どのくらい売れたのかは、今回の来日公演の決定を見れば容易に想像がつくだろう! 星の数ほどメタル・アルバムがリリースしていながらも、来日公演を実現できるバンドはそう多くないし、なおかつそれが新人バンドなんてことであればなおさらの話だ。 今回は、昨年暮れにメジャー・デビューを果たしたMASTERMINDがオープニング・アクトを務めるというニュースも前もってアナウンスされていた。(大阪公演ではBLOOD
STAIN CHILDがオープニング・アクト)
開演の15分ぐらい前に会場そばへ着いた僕は、少し休憩してから入ろうと思い近くのゲームセンター内のベンチに座り一服していた。 すると、先程から目の前のカーレース・ゲーム(?)にはまって何度もコンティニューをしている2人の男性がいたのだが、何気なくちらっと目をやってみると、一人はつんつんした金色の短髪で髭を蓄え、もう一人は黒毛の短髪で二人とも革パンを履いた外国人だった。 一瞬、「えッ、フレドリック??」と思ったがすぐに考えをあらためた「まさかオープニング・アクトがついているとはいえ開演の10分前まで、こんなところで・・・別人だろう」。
まず、オープニングに登場したMASTERMINDはさすがライブで鍛え上げただけあるなかなかのパフォーマンスを披露していた。 オーディエンスの中にはこのMASTERMIND目当てのファンが前列の方で固まっており、初めの段階ではヒートアップしているのはこの前列のみで他のオーディエンスは腕を組みながらの様子見状態であった。 しかしながら、スピード・チューンで占められたセット・リストとネオ・クラシカル・テイストの“見せる”高速ツイン・ギターは次第に他のオーディエンスの目をも引くようになり、ショウが進むにつれ彼らの拍手も大きくなっていった。 次作に収録予定だという新曲「Without
Mercy」はクラシカルなハモリが印象的で、ソロでは佐藤と渡会の両ギタリストが向かい合ってお互いの弦をピッキングしあいながらハモリを聞かせるというアクロバットなプレイも披露。 佐藤則夫のヴォーカルもアルバム通りのファルセット・ヴォイスながらも、しっかりとした音程をキープしながらショウを引っ張っていった。 MASTERMINDにとってのチャンスを理想の形でやり遂げ、しっかりと会場を暖めるのに成功させた。
MASTERMIND set
list
1.The Way I Go 2.Say Your
Prayer 3.Without Mercy 4.Never Say Never 5.Fight To Survive |
MASTERMINDのショウが終了したステージ上では「DREAM EVILバックステージ招待企画」の抽選会が行われ、セット・チェンジの時間を埋めてくれた。 そしていよいよ、お待ちかねDREAM
EVILの登場だ!!
やや小さめな音量のSEが流れる中、メンバーが登場すると客席は一気にヒート・アップする! 劇的なオープニングを期待していたファンとは裏腹に、意外とあっけなく「Kingdom
Of The Damned」で幕が開ける。 そしてステージにメンバーが現れた瞬間にある事が判明した。 そう、先程カーレースにはまっていた金髪の外国人が全く同じ格好をしてギターをもっているのだ! やっぱりあれはフレドリッ・・・と思った瞬間、真ん中でマイクを取っている人物を見ると、それはあの時の黒毛短髪のもう一方の男だったのだ!! ブックレット内の写真とはあまり似てなく(って本人なんだけど)全然気づかなかった・・・・(苦笑)。
何とも歯がゆいMC/曲間から続いて演奏されたのは早くもAL「DRAGONSLAYER」の目玉チューンの一つ「The Prophecy」。 ガス・Gは小柄ながらも大きなアクションでステージに華を添えており、スノーウィもその以外にも細長い腕を振り上げシャープなドラミングでバンドの核を支えている! 当然のごとくサビでは既に大合唱の渦となる。 「ヘイ!ヘイ!・・・」のかけ声も自然と客席から上がったミドル・テンポのヘヴィ・メタル・チューン「Chasing
The Dragon」が終わると、ガス・Gのギターがクリーン・トーンのアルペジオを奏でオーディエンスをあおる。 そしてオーディエンスはそのアルペジオがアルバム一の名曲「In
Flames You Burn」のものだと分かると大きな声援で応え、バンドが加わって楽曲が加速しはじめると一気にヒート・アップ! CDで聴いてもこのドラマティックな展開には鳥肌が立つが、ライブでは鳥肌の粒々一つ一つが数十倍に膨れ上がる! ここぞとばかりにヘッド・バンギングをはじめ会場全体が大きく揺れ、ニクラスも叙情的なイントロからハイトーン・パートまで余裕の歌唱を披露するが今ひとつ締まりのないエンディングは少しばかり残念だ。
曲間があいているのにも関わらずにマイクを置いて定位置を離れてしまっているニクラスの代わりに、中央マイクをとってオーディエンスをあおったガス・Gのおかげで、オーディエンスの熱気も冷めぬまま壮大なコーラスをフィーチャーした「The
Chosen Ones」がスタートする。 イントロではガス・Gのクリーンによるアルペジオ上で今度はフレドリックが叙情的なメロディーをのせる。 テープによるコーラスとそれに負けないぐらいのオーディエンスの熱唱により、アルバムにも増して壮大なサビが再現され、照明効果もバッチリで幻想的な雰囲気が会場を包む。 ニクラスはアルバム通りの情感たっぷりの素晴らしい歌唱を披露した!
ストレートなアップ・テンポ・チューン「The 7th Day」からガス・Gのソロ・タイムへとつながる。 豪快な速弾きの合間にオーディエンスを煽るフレーズも取り入れ、程良い時間でオーディエンスを楽しませる! ウリ・ロート・フリークらしい「荒城の月」のメロディーを奏でるとバンド全体が加わり、続いてスノーウィのドラム・ソロ・タイムへと流れていく。 長い手足を活かしシェープで的確なドラム・テクニックを披露し、最後にリズムを刻み始めるとそのまま次の曲「Save
Us」へとつなげられた。
ショウの流れを止めてしまわない非常に効果的なガス・Gとスノーウィのショウ・タイムは、会場全員飽きることなく楽しん だだろう!
フレドリックのMCにより「Hail To The King」が紹介される。 キャッチーなメロディーをフィーチャーしたこの曲は、スタジオ・アルバムを聴いている時点からの予想通りサビでは大合唱となった! 会場中が拳を上げながら懸命に歌う様は、メタル・コンサートの理想的な形だろう。 こういった誰もが“歌える”良質なメロディーを大量に産めるのが、このバンドの人気の理由のひとつだろう。 「ジャズは好きか!?」というMCから、スノーウィがジャジーなドラム・リズムを刻み始めるとピーターとガス・Gがジャジーなフレーズで応戦し、そのまま「H.M.J」がスタート! この絶妙な演出に、誰もが自然とのり始め、セット・リストの組立の上手さにライブ・バンドとしての今後も期待せざるを得ない。素晴らしい。
そして今度は「ヘヴィ・メタルは好きか!?」から本編ラストを飾るのにふさわしい名曲「Heavy Metal In The
Night」! フレドリック→ガス・Gという流れのソロ・パートが終わると、オーディエンスとサビをかけ合うというお約束のパートが設けられた。 一度聴いたら誰でも覚えられるキャッチーでいて、これ以上の言葉はないという様なサビの歌詞を会場全員で熱唱し本編の幕を閉じる。
アンコール一発目は、ニクラスの「この曲は日本のすべての女性へ捧げよう・・・」というMCで大爆笑を誘った(本人は至ってまじめな顔だったけど・・・)フレドリックのペンによる感動的な叙情バラード「Losing
You」。 ピアノのアルペジオは打ち込みを使っているが、その上でのニクラスの歌唱がまた素晴らしい・・・が、せっかくしっとりと叙情的なメロディー・ラインを歌っているのに当の本人はステージ上を落ちつきなく小刻みに歩き回っている。 ニクラスって・・・・(苦笑)。 ガス・Gの強烈な泣きを発散するソロもバッチリと決まり、今夜最後の曲となった日本盤ボーナス・トラックの「Dragon
Heart」へとテンポ良く流れる。 IN FLAMESのイェスパーとガス・Gの共作によるこのメロディアスなアップ・テンポ・チューンにオーディエンスも盛り上がりを見せる!! ガス・Gによるソロの最中に突然ギターの歪みがなくなり、クリーン・トーンへと変わってしまう・・・・。 ガス・Gも気持ちよさそうに弾いていたのになんだ?、と定位置に置いてあるエフェクターのフット・スイッチを何気なく見るとそこにはニコニコしたニクラスが・・・。 まさか踏んでしまったんじゃ・・・ニクラスって・・・(苦笑)。
セット・リストを終え、「グッド・ナイト!!」と、いったん去ろうとはするものの、ニクラスは「待って!カメラを忘れた!」とステージ上をウロウロ・・・。 他のメンバーも仕方なくそこに居座ると、スノーウィがマイクの前に立ち「スクリーミング・コンテストをやるぞ!!」と言って今までのクールなドラミングからは信じられないぐらいの奇怪な声を発する(笑)。 当然オーディエンスも笑いながらこれに応え、ニクラスの写真撮影も無事終了しヘヴィ・メタル・ナイトの幕が閉じた。
最後の「待たすぐに会えるのを期待してるよ!」のMCに、プロジェクト的な色合いを見せるこのDREAM EVILの存続を会場にいる誰もが期待しているに違いないだろう! その時はきっと実力派シンガー/憎めない個性的なパフォーマー、ニクラスの動きも・・・・変わっていないのかも(笑)。 go
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