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新世代ヘヴィ・メタル・バンドにおけるベスト・フロントマン:トビアス・サメット率いるEDGUY
文字通り全身全霊のパフォーマンスを披露した白熱の来日公演!!

photos:HIROYUKI YOSHIHAMA

〜Set List〜
Intro 〜
1.Under The Moon
2.Babylon
3.Lavatory Love Machine
4.Land Of The Miracle
5.Down To The Devil
6.Fallen Angels
7.−DRUM SOLO−
8.Wake Up The King
9.The Piper Never Dies
10.King Of Fools

Intro〜ENCORE〜
11.Chalice Of Agony
12.Tears Of A Mandrake
13.Vain Glory Opera


 自他共に認める過去最高傑作に仕上がったアルバム「HELLFIRE CLUB」の売り上げに比例し、今回の来日公演のチケットは飛ぶように売れ東京公演両日ともほぼソールド・アウト状態だったようだ。RHAPSODYのオープニング・アクトとしてのパフォーマンスとなった2002年の初来日公演では短い時間ながらもエネルギッシュなステージングを見せ、パフォーマンス的にはRHAPSODYのそれを上回っていたとの声も非常に多かっただけに今回のヘッドライナー・ツアーにこれだけ多くのメタル・ファンが集まったのは当然だろう!

 最近のメタル・バンドの来日公演では御用達のここクラブ・クアトロにギュウギュウに押し詰まったオーディエンスは、オープニング・アクトを務めた日本期待のネオ・クラシカル・パワー・メタル・バンド:Galneryusに対しても非常に熱い反応を示していた。SE中に「Hey hey hey・・・」との大きなコールが自然とわき上がるところを見るとGalneryusのパフォーマンスも期待していたファンが多いのだろう。高額な料金を払ってチケットを手に入れたオーディエンスにとって非常に魅力的なキャスティングだ!

 そのGalneryusのステージは決して派手ではないもののSyu(Gt)を主軸に安定したテクニックと堂々としたパフォーマンスを披露。身のこなしが未熟ながらもCD通りの安定した歌唱力を持ったシンガー:Yama-bの“好青年風”の爽やかなMCは、EDGUYファンを前に自分たちの音世界を礼儀正しく紹介しているようで好感が持てる。

 インギーのように要所要所で弾き倒すSyuの見事なギター・プレイは大変見応えがありオーディエンスの目をくぎ付けにしていたが、その反面Yama-bの控えめなパフォーマンスも目立ってしまい“所詮ギター・バンド”として見られてしまうのは否めない。楽曲の魅力的にも、テクニック的にもインターナショナルに活躍できるポテンシャルを持ったバンドだけにYama-bのフロントマンとしての成長が今後の“バンド”としてのカギを握るだろう。彼らには是非、日本代表ヘヴィ・メタル・バンドの1つとして頑張って欲しい!

 Galneryusのステージで既に熱気がこもった会場は、本命EDGUYのステージ開始の合図となる照明の暗転と共に我慢できずに一気に前の方へと押し寄せる! ショウのスタートを切ったのはヨーロッパ・ツアー同様、アップテンポな「Under The Moon」だ。いきなり中間部に“掛け合い”の時間を設け、ニュー・アルバムに収録された魅力的なメタル・チューンに大盛り上がりのオーディエンスを更にヒートアップさせる手法はさすがのもの。本物のライブ・バンドとしての力を冒頭から発揮している。メンバー一人一人が楽しそうに、かつ“見せる”パフォーマンスを心掛けているのはもちろんのこと、やっぱり何といってもトビアスの放つ凄まじいエネルギーとオーディエンスを完璧にコントロールしきる能力は、フロントマンとして並はずれた技量の持ち主だと言えよう! ロックの歴史の中でも一流の域に達していると言っても過言ではないのかもしれない。

 当然サビの掛け声は自然とわき上がった「Babylon」では噎せてしまいしばらく歌えなくなってしまう場面もあったが、そんなことは本人を含めここにいる誰も気にしていない。会場を揺るがす大合唱と共にトビアスが熱唱する「Lavatory Love Machine」のピースフルなメロディーは、まだ3曲目だというのに「素晴らしいショウを身終えた後の満足感」を錯覚させる。何の指示もないままイントロのキーボードに沿って自然と合唱がわき上がった「Down To The Devil」、恐らくテープ(?)だと思われる壮大なコーラスをフィーチャーしたユニークな疾走チューン「Wake Up The King」、幻想的な照明の中で繰り広げられた叙情的なインストから自然と本編へと流した見事なアレンジを施した大作「The Piper Never Dies」。渾身のパフォーマンスを持って魅力的なヘヴィ・メタル・チューンを連発してくる!



 オーディエンスを自在に操るのと同様に、自らの“声”も自由自在に操る素晴らしいシンガー:トビアス・サメットへの人気はやはり高く、「トビー!」との黄色い声援が多い。その声援に照れながら「ありがとう、僕も自分が好きだよ」とおどけて見せたり、最後の曲とのコールに大ブーイングを浴びた「King Of Fools」を紹介する際に「もっと聴きたい?(More More?)」と叫ぶとビリー・アイドルのヒット曲を歌い出すものの、その反応の薄さに日本では有名じゃないんだなと苦笑したりと、気合いの入りまくったパフォーマンスとは裏腹に至って自然体でショウを自ら楽しんでいるトビアスがいる。ハネ廻ったりデヴィッド・リー・ロスのように足を頭上まであげたりと、常にステージ狭しと動き回り、ただでさえ息があがり直立していられなくなってもおかしくないのだがファルセットやフェイクを一切使わず青筋を立てながらも気合いでしっかりと高音部まで歌い上げる手加減を知らないパフォーマンスは、本物の“プロ魂”が見受けられる!!

 AVANTASIAの疾走チューン「Chalice Of Agony」、日本デビュー作となった「VAIN GLORY OPERA」のタイトル・チューン、「MANDRAKE」アルバムのドラマティックな名曲「Tears Of A Mandrake」という人気曲で固めた贅沢なアンコール・タイムだが、これで終わりか?? 当然、会場からも「Mysteria!」コールがわき上がりメンバー自身困っていた。唯一彼らに言いたいのはなぜニュー・アルバムのオープニングを飾るクールなメタリック・チューン「Mysteria」、そしてEDGUY史上1、2を争う魅力のスピード・チューンであり日本人にとっては間違いなくアルバムのハイライト・チューンである「We Don't Need A Hero」をやらないのか??

 ただこの事だけが気になったが、心の底から恨んでいるファンは誰一人いないはずだろう、これだけの素晴らしく見応えのあるステージを見られたのと同時にこれだけの熱いライブに参加出来たのだから何の文句も言えない!

 他のメンバーより頭一つ分以上小さなその体格からは信じられないほどの大きな存在感を放ち、全身全霊を込めた一瞬の手抜きもないエネルギッシュなパフォーマンスは、“並み”ならぬオーラを持ちながらも非常に親近感をわかせるトビアス・サメット。出しゃばったアピールはしないものの自然と生まれるフォーメーションがステージ上に華を添えるイェンス、ダーク、トビアス・エクセルの弦楽器隊、そして生音がPAの後ろの席まで聞こえてくるずっしりと音厚のあるドラミングでEDGUYサウンドを支えるフェリックス、この5人の強力なチーム・ワークが産む強力なパフォーマンス/楽曲はここにいる多くの“CDを気に入って集まったメタル・ファン”を更に強固に虜にしたのは言うまでもない。そしてこれからEDGUYの“餌食”になるファンが増殖し続ける事も間違いなく、果たしてシーンの何処まで登りつめていくのかは全くの未知数ではあるがヘヴィ・メタルの歴史にしっかりと名を残す“名バンド”のひとつとして語られる様になることは彼らのライブを見れば容易に想像がつくだろう! 散々歌い、叫び、興奮しまくりの疲れ果てているはずのオーディエンスだが疲労感のある顔をしているファンは誰一人おらず、全員が全員満足度120%の笑みを浮かべながら会場を後にする光景が全てを物語っている。


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