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 フィンランドが国を上げて音楽産業をバックアップするという素晴らしい思考の元、フィニッシュ・バンドを集めたライブ・イベントが2本、ここ日本で行われた。その一発目で「METAL SHOWCASE」と題された今夜はTWILIGHTNING、TO/DIE/FOR、ENSIFERUM、KIUASという中堅どころながらも4つののフィニッシュ・メタル・バンドのライブが4,000円という格安のチケット代で観られるということもあり動員は非常に良く、フィンランド国の関係者と思われる方々も混じった会場はなかなかの盛り上がりを見せた。
フィニッシュ・ヘビーメタル・ライブイベントフォト ENSIFERUM Ensiferum

 最初に登場したのは意外にもENSIFERUMだ。エキゾティックなSEをバックにフェイス・ペインティングに上半身裸という気合の入った容姿で登場したバンドは、デスメタルの攻撃的なリフとスピード感にBLIND GURDIANを彷彿とさせるクワイアにコケティッシュなメロディー、ポルカのリズムなどで味付けをするユニークなサウンドでオーディエンスを楽しませてくれる。若干大人しめのステージ上の右後方では黒いロングヘアを弧を描くように振り回していた女性キーボーディスト:メイユー・エンホは結構アピール力があったので、もっとフィーチャーしても良いのではなかろうか?
 曲と曲の合間にはメンバー全員が一気に後ろを向き水を飲みはじめるなど、ライブ・バンドとしての経験の少なさも見つけられたがプレイも安定しているし、何よりもそのユニークなサウンドは非常に楽しめるものだった。






フィニッシュ・ヘビーメタル・ライブイベントフォト KIUAS
KIUAS


   まだ今夜の時点では日本デビューに至っていなく、当然ながらイベントのオープニングを勤めるだろうとの大方の予想を裏切り2番手に登場したKIUAS。壮大なオーケストレーションの上でストーリーテラーが物語を語る"いかにも"なSEが会場を包み、期待を膨らませながら待っているオーディエンスの前に姿を現したのは、なんとスキンヘッドに10cmはあろうかという長い髭を蓄えまるで"現代版ZZ TOP"とでもいわんばかりのメンバーが・・・。しかもギタリスト、ベーシスト二人とも同じ容姿。そしてタンクトップから出てくる腕と体がちょっぴり太めで、お世辞にもカッコ良いとは言えないセミロングヘアのシンガー・・・。会場から失笑がもれたか否かはともかく、曲が始まってみるとこれが、あらビックリ!カッコ良いのだ!オーディエンスも面食らっている様子で、しばらくはステージ上から繰り出されるサウンドをじっくりと聴き入っている。

 ダウン・チューニングのヘヴィなギター・サウンドとシンフォニックな味付けにより、中音域をメインに伸びやかで図太いヴォーカルが歌い上げるメロディックなヘヴィ・メタルはまさにDIVINEFIREを彷彿とさせる非常に魅力的な楽曲を次々と繰り出してくる。しかも民族音楽を取り入れるなどのアレンジもちりばめられたオリジナリティ溢れるチューンも披露し音楽性の幅の広さをもアピールし、オーディエンスから喝采を浴びていた。系統的には爬虫類(!?)を思わせる容姿&動作からは想像も付かないタッピングを取り入れた複雑なスウィープなど、非常に難易度の高いフレーズを連発したギタリストはプレイ面での高い技術力をアピールしている。(翌々日の同タイトル・イベント「ROCK SHOWCASE」終了後には出口で一人ビラを配っていた!)

 (大変失礼ではあるが)ヴィジュアル的なマイナス面や青さの残すステージングは否定出来ないが、楽曲・サウンドの存在感における線の太さは今後も注目すべきバンドであることは違いない。デビュー・アルバムの仕上がりに大きな期待をしたい!




フィニッシュ・ヘビーメタル・ライブイベントフォト TO DIE FOR TO/DIE/FOR

 続いては4バンド中もっとも経験も歴史もあるTO/DIE/FORの登場だ。3月にリリースされたニュー・アルバム「IV」が非常に素晴らしい仕上がりを見せるこのゴシック・メタル/ロック系のTO/DIE/FORは、デビュー作から最新作までの4作すべてが日本リリースされているのもありファンは安定して存在するのだろう。バンド自身もメンバー脱退のトラブルを乗り越え新作発表に至り、加えて初来日公演までもが実現したということでさぞかし喜んでいるのではなかろうか!

 SEが鳴り止みステージに姿を現し始めるメンバーだが、一番最後に登場したシンガー:ヤッペの存在感はこれまでの2バンドとは比べ物にならないぐらいに凄い。ステージ上で動く様がとても“絵”になり、飛び跳ねながら回転をする姿は非常に華やかだ!容姿だけではなく、その独特な味のあるしゃがれ声が繰り出されると一瞬にしてステージ上はヤッペの世界一色に塗り替える。低音部ではさらに説得力を増し、高音部でのかすれたせつない歌声は全身から振り絞るように発声され、終止物悲しさを訴え続けてるその声に思わず聴き入ってしまう感覚はKAMELOTのシンガー:ロイ・カーンのそれに近いのかもしれない。長身の背丈よりも更に高い位置にマイクをセットしたスタンドを傾けながら見上げる体制で哀愁ヴォイスを振り絞る姿は独特のオーラを放ち、身のこなしや感情移入をして歌う際の体の動きは、日本のいわゆる"ヴィジュアル系シンガー"的ではあるのだが、安っぽさは微塵もなく嫌味のない全く自然な動きはまさに本物だ! ヤッペはヴィジュアル的アピールを“意図する”のではなく自然と訴えられるシンガーなのだ。

 冒頭にも書いたが今夜のバンドの中では一番のベテランとなるTO/DIE/FOR。ただ単にキャリアを重ねたのでは絶対に生まれることの無い魅力をヤッペは持っている。ゴシック・メタルとはいえ、よりロック色の強い楽曲郡は会場にあつまった他のバンド目当てのメタル・ファンにも十分にアピールした事だろう。楽曲/メロディの良さもライブではヤッペの生々しい哀愁ヴォイスによって何倍にも膨れあがって伝えられた。大幅なメンバー・チェンジをしたというトラブルがあったことを普通に忘れてしまうほど、悲しいがな他のメンバーには目が行かないが、自らの仕事をしっかりとこなすメンバーに支えられこそヤッペの魅力がバンドの魅力となっているのだろう!
フィニッシュ・ヘビーメタル・ライブイベントフォト TO DIE FOR フィニッシュ・ヘビーメタル・ライブイベントフォト TO DIE FOR
フィニッシュ・ヘビーメタル・ライブイベントフォト TO DIE FOR フィニッシュ・ヘビーメタル・ライブイベントフォト TO DIE FOR


フィニッシュ・ヘビーメタル・ライブイベントフォト TWILIGHTNING TWILIGHTNING

 昨年、HELLOWEENの来日公演でオープニング・アクトとして日本の地を踏んだTWILIGHTNING。その初来日時にすでに女性ファンの追っかけが出現したというのは有名な話だが、今夜も客席の前方には女性ファンがしっかりと陣取っている。
 レイバンのサングラスにウェーブのかかったゴールドのロングヘアをなびかせながら、エナメル・パンツにぴちぴちシャツ+ネクタイというメタルらしからぬ衣装で登場したシンガー:ヘイキ・ポイヒア。女性ファンが熱狂するのもこのヴィジュアルを見れば納得できる。が、歌も相当に上手いし安定しているのだ! 特に高音部のどこまでも伸びそうな声はラルフ・シーパーズを彷彿とさせ、音程も声量もしっかりとしており、しかも余裕綽々と歌い上げるその姿はまさにメタル・シーンの新世代を追って背負う実力派シンガーと言っても過言ではないだろう!

 今夜披露された楽曲すべてに魅力溢れるメロディーをフィーチャーしつつ、80'S的でもあるギターリフをメインに構築されるメタリックなインストパートを配してドラマティックに展開される。この楽曲作りの上手さはスタジオ盤でも実証済みではあるが、特に1stアルバム収録にして名曲の「At The Forge」では会場中が熱狂し盛り上がった!まだ新人と言えるキャリアのなかでこれだけの強力チューンを持っていることはソングライティング力の証であり、バンドにとって相当な強みになるのだ。
フィニッシュ・ヘビーメタル・ライブイベントフォト TWILIGHTNING
 ステージ狭しと動きまわり、終いには客席とステージの間に設けられたスペースにまで降りたったヘイキの堂々たるパフォーマンス。そしてそれに負けじと、それぞれがアピール力をもつ他のメンバーも素晴らしい。白いジャクソン・Vを下げほとんどのギター・ソロを担当するトミー、黒いジャケットに身を包んだその動きは決して大きくはないが、目を引くパフォーマンス力を持つギタリスト:ウィラ、そしてステージ後方に追いやられてしまっているのもののヤンス・ヨハンソンばりにハデなアクションでキーボードを奏で、隙あらば前方へ飛び出しオーディエンスを煽りたてるミッコ。この4人のスター選手ばりのルックス&パフォーマンスによるステージ上は実に華々しい。ルックスに負けない安定したテクニックと、何よりも楽曲の良さが強みになっていることが名実共に評価されるに値するバンドである。このTWILIGHTNINGは正にそれだ。

 SONATA ARCTICAに続いて日本における新世代ヒーローになることは間違いないし、ライブパフォーマンスだけで見ればSONATAを軽く上回っているのが今夜のショーで実証されたであろう!



フィニッシュ・ヘビーメタル・ライブイベントフォト TWILIGHTNING フィニッシュ・ヘビーメタル・ライブイベントフォト TWILIGHTNING





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