2003.5.28(wed.) SHIBUYA CLUB QUATTRO


協力 : キング・レコード、サウンドホリック  
photos by : Yuki Kuroyanagi


DESTRUCTION set list

1.Intro 〜 Curse The Gods
2.Nailed To The Cross
3.Eternal Ban
4.Machinery Of Lies
5.Tormentor
6.Bullets From Hell
7.Tears Of Blood
8.MEDLEY:Antichrist
  〜 Reject Emotion
  〜 Release From Agony

9.Life Without Sense
10.Thrash Till Death
11.Metal Discharge
12.Mad Butcher
13.Butcher Strikes Back
【ECORE】
14.Intro 〜 Total Disaster
15.Invincible Force
16.Whiplash
17.Bestial Invation


TERROR 2000 set list

1.Son Of A Gun
2.Faster Disaster
3.Slaughterhouse Supremacy
4.Back With Attack
5.Menace Of Brutality
6.Firebolt
7.Burn Out In Blood
8.ELVIS(Devil In Disguise)
〜encore〜
9.Terror 2000
 お下劣な音からカーレース場内の騒がしい音へと変わっていったSEが流れ始めるとSOILWORKのビョーン率いる今日のオープニング・アクト:TERROR 2000がステージ上に登場する。さすがここのところ軒並みに人気を伸ばしているSOILWORKのシンガーだけあり、ビョーンへの声援はオープニング・アクトでありながらも大きい。ショウはアンコール1曲を含め全9曲披露されたが、スラッシュ・メタラーが集まった夜らしく会場のほぼ全員から好意的に受けいられていた。特に最前列はTERROR 2000目当てなのか、はじめからヒートアップしており1曲目の途中で既にモッシュ・ピットが出来ていたほどだった!ビョーンの手慣れたオーディエンス扱いにショウはとんとんと進められていたが、何よりも音のバランスが悪いのが残念だ。元々音数の詰まった音楽だけにここまでPAがひどいと何をやっているのかさっぱり分からないし、オープニング・アクトといっても全力でプレイしているステージ上のメンバーがかわいそうだ。

 しかしながら曲が進みにつれサウンドの問題も少しはマシになって来はじめ、PANTERAの「Cowboy From Hell」風のギター・リフをフィーチャーした「Firebolt」や、もはやSOILWORKではビョーンのここまでの気合いの入ったディストーション・ヴォイスはいけないであろうと思わせた「Burn Out In Blood」等、良質なピュア・スラッシュ・メタル・チューンを次々と演奏し場内を暖めるのには十分すぎるほどのショウを展開していた。子供番組の主題歌の様なおちゃらけたAメロからスラッシュ・チューンへ展開するカバー・チューン「ELVIS(Devil In Disguise)」は結構オーディエンスを楽しませていたし、30秒も経たないうちに戻ってきたアンコール曲の「TERROR 2000」では最後にベーシストが楽器を投げ捨て客席へダイブするなどの盛り上がりを見せステージを降りた。2回目のアンコールを求める声も少なくなかったのも書いておこう。


 そしてそして、いよいよおよそ20年の時を経て初来日公演となるDESTRUCTION。しばしの休憩時間を挟みドクロマークの入った大きな布がギター・アンプを隠すように天上からつるされ、セット・チェンジを済ませたかに見えるステージを前に、先程のTERROR 2000で暖まったオーディエンスはまだかまだかと待ちわびている。が、ベース・アンプにトラブルを生じているらしくステージ上で四苦八苦しているローディを見ているオーディエンスもいらつき始めているのが分かる。

 冷静な目で見ても30分以上は経っただろうか、ようやくベースの音が出るようになるとどうやらベースアンプをステージの両脇に一台ずつ、計二台を同時に鳴らせているらしい。この30分強を待たされた我々のストレスは果たしてDESTRUCTIONのパフォーマンスで発散させてくれるのだろうか?そんな愚痴もこぼしたくなるような不快な時間が幕を下ろし、ローディがステージから消えると場内が暗転を始める。と、同時に会場から凄まじい勢いの「オイ!オイ!・・」コールが起きる!!20年間の長い時に加えステージを目の前にして30分をも焦らされたのだから当たり前だ。


 オーディエンスの異常な盛り上がりとは裏腹にメンバーがステージ場にあっけなく登場すると、イントロSEに続き重戦車でも走ってきたかのような重々しいギター・リフが鳴り響きスロー・スタートを切る。その重いリフがやがて疾走をしはじめるとオーディエンスも自然と上下に揺れ始める。ステージ上に中央、右、左と3本のマイクが立っており、てっきりギターをもうひとり加入させたのか?と思いきや、シュミーアがそれぞれのマイクを行き来しながら歌っているのだ。筋肉質の上半身に皮のベスト一枚にベースを下げ、ゆっくりとマイクからマイクへと移動するその振る舞いと、ブロンド・ヘアを振り乱したヘッドバンギングの姿が何ともカッコ良く同姓でも思わず惚れてしまいそうなシュミーアにオーディエンスはしばらく釘付けになっていたようだ!!中間部で独特のハイトーン・シャウトが聴かれると客席からは「お〜ッ」という地を這うような声があがったのがその証拠だろう。赤い照明の中に浮かび上がるシュミーアのこの姿を見れば彼の事を知らない人間でもそのカリスマ的な人気を納得させるに違いない。

 そんなDESTRUCTIONを実質的に支えてきたシュミーアのカリスマ性に加え、もうひとつ注目したいのがセット・リストだ。アンコールを含め全17曲がプレイされた中、最新作「THE ANTICHRIST」からの曲はわずか3曲のみ。他はデビュー作「SENTENCE OF DEATH」から2曲、2nd「INFERNAL OVERKILL」から4曲、3rd「ETERNAL DEVASTATION」から2曲、4nd「RELEASE FROM AGONY」からはタイトル・チューンをメドレー内で1曲、それとカバー曲1曲と9月にリリースされるアルバムに収録するという新曲までをも披露した!!現在進行形であるバンドだという事の証明と同時にDESTRUCTIONの歴史を網羅する“初来日公演”を踏まえたベスト選曲でここに集まったスラッシュ・ファンを喜ばせていた。そのファン層なのだが、80年代のリアル・タイムに聴いていたようなベテランから、見るからに若いファンも意外と多かったのに驚いた。しかもこのセット・リストで、シュミーアが曲紹介をすると続いてオーディエンスも一緒に曲名を叫んでいたところを見ると、若いファンも結構再結成以前のアルバムもチェックしているようだ。

 バンドの勢いに負けず劣らずオーディエンスも終始熱狂的にショウに参加している!中間部で設けられた「Antichirist」〜「Reject Emotion」〜「Release From Agony」のメドレーや、「Eternal ?」とのシュミーアの問いかけに続いてすかさず「Ba〜n!」とオーディエンスが返した「Etarnal Ban」、メドレーに続けられた「Life Without Sense」、ドラム&ベースのみのリフが聞こえてきた瞬間既にオーディエンスが上下に揺れだした名曲「Mad Butcher」、ミラーボールがまわる中で幻想的なSEをフィーチャーした「Thrash Till Death」、場内が暗転しイントロに導入されたクラシカルなSEが消えた瞬間ステージの上にはTERROR 2000のクラス・イーデバリの姿があり4人編成でプレイされることになった「Butcher Strikes Back」、シュミーア&マイクが二人揃ってネックをリフにあわせ動かしていったパフォーマンスがクールだった「Bestial Invation」・・・など、DESTRUCTIONの歴史上で名曲とされる楽曲では特に反応が凄まじく、前の方では大きなモッシュ・ピットと化していた。どの曲でもサビが来ると今までヘッドバンギングしていた頭を上げ、腕を振り上げシュミーアと一緒に叫びをあげる!会場全体が上下に揺れるのがジッとしているとハッキリ分かるし、場内の温度も始まる前とは少なくとも5℃は上昇したであろう。サウンドもTERROR 2000の時とは違い直属のPAを連れてきているだけあり、バランスも桁違いに良く、アグレッシブでピュアなスラッシュ・メタルを視覚、聴覚共に十分に楽しませてくれたショウだった。

 スリー・ピースとは思えない重量感のあるサウンドとタイトな演奏、そしてクールなシュミーアと小柄で地味ながらも豊富な長髪を振り乱しながら鋭いスラッシュ・リフを正確かつアグレッシブに弾いていたマイクのパフォーマンスは、ライブ盤「ALIVE DEVASTATION」での聴覚のみで感じた凄まじさとは桁違いに大きな興奮を得られる!アンコールで披露したMETALLICAのカバー(!)「Whiplash」をはじめ、DESTRUCTIONの昔と変わらないピュアなスラッシュ魂全開の楽曲の数々を今日ここに集結した初来日公演を待ち望んでいたファン全員が体全体で楽しんでいる!!ことある毎に自然とわき上がる凄まじいDESTRUCTIONコールと、客電が付きコンサート終了のアナウンスが流れても誰ひとりとして帰ろうとせず、既に姿の見えないバンドにいつまでも拍手を送り続けていた熱狂的なオーディエンスが非常に印象的だった。







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