HELLOWEEN&GAMMMA RAY 2008 ライブレポート!セットリスト公開

 アウトロを静かに歌い上げると、そのまま照明もすべて落ち「これで終わりか?」と思わせた瞬間、また曲へ戻るという仕掛けも盛り込まれた本編ラストの「Somewhere Out In Space」。ダークの短いベースソロからヘニュ・リヒター(Gt)が加わり静かなイントロの奏でから繋げられたアンコールの「Send Me A Sign」まで、様々なトリックにより会場のヴォルテージを落とさせないライブであった。GAMMA RAYのステージは前方の半分という狭いスペースであり、名義上も"スペシャル・ゲスト"としての来日であったが、オーディエンスにとってみればそんな思いは微塵もない"ダブル・ヘッドラーナー"のショウであったことは盛り上がりをみれば分かるだろう。また、この条件でOKしたカイ・ハンセンという男の器の大きさも我々は感謝しなければならない。

GAMMA RAYセットリスト

・Into The Storm
・Heaven Can Wait
・New World Order
・Fight
・From The Ashes
・Valley Of The Kings
・Rebellion In Dreamland
・Heavy Metal Universe
・The Silence
・Ride The Sky
・Somewhere Out In Space
-encore-
・Send Me A Sign

HELLOWEEN セット

 セットチェンジを終え、会場の暗転と共にオーディエンスの鼓動が高鳴り始めた8:25。赤いスポットライトが会場を右往左往し、"London Bridge is falling down〜"のメロディーが鳴るとともに、新作『GAMBLING WITH THE DEVIL』のアートワークに描かれたキャラクターのシルエットがステージ上に浮かび上がる。3mはあろうか、さすがにGAMMA RAYに比べ豪華なセットがウッすら見える。SEはやがて危機迫る新作のイントロダクション「Crack The Riddle」へと変わり、当然ながらそのまま「Kill It」へ…、と思いきや、聞き覚えのある不協和音がサシャによって奏でられた。そう!カイ・ハンセン作による大作「Halloween」をプレイし始めたのだ!今日ココにいるみんな"いつもとは違うHELLOWEENのライブ"との認識をもっていたが、それに対するHELLOWEENの答えがコレだ。なんともニクイ。しかも、ヴァイキーが手にしているのは黒と白のギブソン・エクスプローラー(「守護神伝」リリース時に愛用したギター)という涙チョチョぎれんばかりの演出でショウの幕を開けた。

 マーカスによる佳曲「Final Fortune」。キーの高いサビをアンディが顔をクシャりながら丁寧に歌い上げると、続いて聞えてきたのは「March Of Time」!ご存知、名作「守護神伝 二章」のなかでも「Eagle Fly Free」に続く名スピードチューンのこの曲をまさか今、生で聴くことができるとは誰も思わなかったであろう!もちろんオーディエンスは泣きそうになりながらも高いキーのサビを一緒に歌い上げる。若いファンも会場には数多く見られるが、しっかりとメロディー/歌詞を把握し、スーツ姿のファンに負けじと声を張り上げているのが嬉しい。最近の若いリスナーは"音楽を聴く=流行を追いかける"という"行為"とでしか思っていないのだろうか、好きなアーティストのルーツを探るなど音楽を楽しむことをしない。楽しむ努力をしない。目の前に与えられたものをただ受け入れるだけ、という姿勢が音楽の聴き方ひとつとっても顕著にみられ、CDを買わずにケータイで1曲聴いて満足してしまっているのが正にそれだ。このままでは日本から文化というものが失われてしまうのではないかと心配だが、やはりメタルファンは違う!メタルという音楽の深さを知っているのだ。そう、日本はメタルファンが救わなければ衰退してしまうのだ!!!!
 あまりの興奮の末、こんなことを書いてしまっていたノートを今見ると、思わず顔を赤面させてしまうが興奮の度合いは伝わったかと…(汗)。
 客席からは思わず苦笑が漏れたダニーの長いドラムソロは元より、そのドラムと他の楽器隊の音のバランスが物凄く悪かったのは少々残念だ。特にサシャの音がやはらとデカく、ヴァイキーとのハモリもあまり綺麗に聞えてこない。せっかくバンドからのプレゼントが大量に詰まっているだけに、オーディエンスのテンションも下がり気味。「守護神伝 新章」のOPチューン「The Kings For A 1000Years」ではライブDVDのようにイントロから合唱が生れることはなかった。ただ、その「The Kings〜」はショートバージョンで披露されたことは大正解で、アンディの"Eagle??"の問いに"Fly Free!"とオーディエンスは答え、「Eagle Fly Free」で一気にテンションを盛り返す。盛り上がらないわけがないHELLOWEEN屈指の大名曲は2,000人の歌声を生む。風車がまわるような照明も良い効果を与え、曲が終わると共にやり遂げた感タップリの満足げな顔を浮かべた2,000人がバンドに両腕を上げ賛辞を送った。




 新旧アルバムからの名曲群が交互に披露されるセットリストはオーディエンスをタイムスリップの旅へと導く。一転してモダンかつダークな「The Bells Of The Seven Hells」では今日はじめてコール&レスポンスの場が設けられた。新作の曲にも関わらずオーディエンスはアンディのコールにピッタリ息を合わせレスポンスし、会場はより一体感を増した。それは、これまた聴けるとは思わなかった「Dr.Stein」での盛り上がりへと繋がる。スピードチューンでのヘッドバンギングと相反し、この曲では半数以上のファンが一斉にリズムにあわせてジャンプをする。頑丈そうな大ホールもコレには流石に揺れており、耐震建物でなければきっとパキっといっていたに違いない。ギター二人がステージ中央で肩をそろえソロを掛け合う後方でアンディとマーカスが二人で顔を見合わせながらフォーメンションを組む様は、オーディエンスの一体感に負けずバンドの状態の良さが見て取れるワンシーンだった。

 "Good Night!"の一言でバンドはステージを去るが会場は暗転したまま。薄暗い照明のなかでステージ上に浮かび上がるあのキャラクターは「どうだ?まだまだだろう??」と言わんばかりに不気味な存在感を放つ。「Perfect Gentleman」のSEが流れるなかメンバーが戻ってきた。黒いシルクハットに光沢のある赤いジャケット、手にはステッキを持った出で立ちのアンディが「I Can」をワンコーラス歌い上げると、曲はそのまま「Where The Rain Grows」へ。あの長いドラムソロの途中にあったスネアロールからこの曲に繋げればよかったのに、と先ほどは思っていたが、このよく計算されたメドレーも非常に楽しめる。キャッチーなメロをフィーチャーしたミドルチューンもメロパワ・サウンドとは違うHELLOWEENには欠かせない側面だ。惜しみもなく連発される名曲群はどの曲でも否応なしに胸を躍らせるが、なかでも反応が良かったのは「Power」。メンバー紹介から効果的に繋げられたヴァイキーの奏でるイントロは思わずオーディエンスも"ウォ〜、オーオ、オ〜"となぞり始め、ここでもクワイアを産んだがこれもワンコーラスのみ。最後は「Keeper Of The Seven Keys」のピースフルなアウトロへ繋げられ、感動的なフィナーレに。多数存在する名曲を一曲でも多く聞かせたいという、素晴らしい演出にオーディエンスも満足そうな笑顔を浮かべていた。
 アンディがマイクを通さずに"ドウモアリガトウ"といってステージを去ると、お腹いっぱいマンプクのオーディエンスはバンドを送り出す。あ〜、サイコーだった!こちらこそありがとう、HELLOWEEN.。また近い将来素晴らしいライブをみせにやって来てくれ!!!…と。おや?何か忘れてないか?今日この特別なカップリングツアーに一番期待していたアレを…。

HELLOWEEN&GAMMA RAY スペシャル・セット
 更に照明は暗転を続けるなか、いきなりドラムのカウント音が響き渡る。ステージが明るくなりHELLOWEEN、GAMMA RAYすべてのメンバー(ダニエルの姿はなし…)が「Future World」のリフをかき鳴らしながらステージへ駆け寄ってくると、客席のヴォルテージは一気にピークへと達した!そのテンションはヴァースをカイが歌いはじめた瞬間、そして"アノ時"には更にピークを越える事になる。そう、ギターソロだ!"German Metal Legend"の二人。左にカイ、そして右にヴァイキー(加えて一番左にはサシャも…)がステージ中央に立ち、あの"オリジナル"のハモリを奏でているのだ!!目に涙を浮かべながら拳を突き上げるオーディエンス。予測はしていたもののそれ以上の興奮を感じ、体全身グースバンプスを纏っているのは筆者だけではないはずだ。ただ、この二人、お互いが少し遠慮ぎみで何となくよそよそしい…ヒヤヒヤものだ。

 しかしながら、今日の幕を閉じる「I Want Out」ではこの"German Metal Legendary Men"も笑顔で顔を見合わせるなど、当人たちも実に楽しげだ。ホッとさせる。ステージ袖からはカボチャ風船が大量に投げ込まれ、メンバー達はそれを客席へと蹴りいれる。マーカスとカイは中央マイクを挟みながらコーラスをとり、今度はサシャ抜きのカイ&ヴァイキー水入らずでギターソロをハモる。ジャーマン・メタル=メロディック・パワー・メタルという永久不滅のジャンルを産み、また、メタル・シーンを大きく変えた男たち。"二人のドイツの英雄"が再び一つのステージでハーモニーを奏でた歴史的な瞬間は、この場にいる誰もを熱狂させ、感涙させた。正に"瞬間"と称するに相応しい特別な時間は瞬く間に終わり、その光景を溢れんばかりの涙で一杯の両目に焼き付けたであろう。感動をありがとう!!
 両バンドのメンバーは楽器を置き、ステージ中央に集まり肩を組むと深々とオーディエンスに頭をさげた。その特別なパフォーマンスを用意してくれた両バンドに最大級の賛辞が贈られ、とてつもない盛り上がりと感動と共に歴史的なステージに幕が下ろされた。


(ROCKS ON THE ROAD)

HELLOWEENセットリスト

・Halloween
・Final Fortune
・March Of Time
・As Long As I Fall
・A Tale That Wasn't Right
・Drum solo
・The Kings For A 1000Years
・Eagle Fly Free
・The Bells Of The Seven Hells
・If I Could Fly
・Dr.Stein
-encore1-
・Medley:I Can〜Where The Rain Grows〜Perfect Gentleman〜Power〜Steel Tormentor〜Keeper Of The Seven Keys

HELLOWEEN&GAMMA RAYセットリスト

-HELLOWEEN encore2 -
・Future World
・I Want Out



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