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初めに登場したのは既に2度目の来日公演となるDREAM EVIL。昨年の初来日公演ではテクニカルなツインン・ギターをフィーチャーした日本のMASTER
MINDをオープニング・アクトに迎えられていたが、今回はKAMELOTとのダブル・ヘッド・ライナーだ。ギターのコードを鳴らされると共にゆったりとメンバーが表れる。モヒカン頭に長いもみあげを蓄えた人間がドラムに座ると「あれは誰だ?」と一瞬思わせたがドラムを叩き始めるとそれはスノーウィ以外の誰でもないことが分かった。ギターのフィードバック音の中で「Made
Of Metal」の印象的なコーラスをテープで流すとそのまま曲が始まる。
序盤ではサウンドのバランスやプレイのバラツキが少しばかり気になったが、3曲目に披露された名曲「In Flames You
Burn」でのステージ上を含める会場全体のテンションの急上昇で一気に解消される。さすがに昨年の初来日時よりも各メンバーのステージ上での身のこなしがこ慣れてきている。 1stアルバム「DRAGONSLAYER」からは、ほかに「The
Prophecy」,「Dragonheart」,「Heavy Metal In The Night」,「Loosing You」などが、そして新作「EVILIZED」からは「By
My Side」,「Children Of The Night」,「The End」などのオーディエンスが欲している部分をしっかりと抑え、素晴らしいメタル・チューンの数々を楽しみながらプレイしていた。
しかしながら、前回のライブ・レポートでも触れたがシンガー:ニクラスのパフォーマンスは決して“格好良い!”と感動させるものではなく、曲間の何も音のない状況にも関わらずマイクをほっぽり出して飲み物を飲みに行ったりと、一歩間違えれば“だらけている”と観られてしまう可能性もあるものだ。フレドリックも同じでやっぱり本職はプロデューサーなのだろうと思わずにいられないような、バンドとしての一体感やショウの運びの練りの無さを露骨にしたパフォーマンスだったのも否めない。特に後に続いたKAMELOTのショウがあまりにも感動的で素晴らしいパフォーマンスだったために、この様な印象を残してしまったのかもしれないが・・・。
まぁ、そんな印象が残ってしまいながらもやはりクオリティーの高いメロディック・メタル・チューンは十分に楽しめるし、メンバー自身も楽しんでプレイしているのには間違いないので、この“悪ふざけの大好きな大人達のショウ”的なライブはメタル・ファンならば観て損はしないものだろう。ただ、地味ながらも一生懸命にパフォーマンスしているピーター(Ba)と、相変わらずエネルギッシュながらも魅力的なギターを聴かせてくれたガス・Gの頑張り組は果たしてこの先もDREAM
EVILに満足するのだろうか・・・。
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続いて数十分のセット・チェンジを経てKAMELOTのステージ用に用意されたのは、何とも幻想的で興味を沸き立たせるようなオペラティックなステージ・セット。バックには新作のアートワークと、ステージの両脇には古城の柱のようなモノが幻想的な照明の中に浮かび上がっている。これを見たオーディエンスはやはり興奮せずにはいられず、メンバーの登場を待たずして既にテンションは高くなっている!このステージ・セットを見ただけでこの後に展開される素晴らしいショウを予期させる。
SEに続いてスタートしたのは「Center Of The Universe」。印象的でドラマティックなイントロがスタートした瞬間にオーディエンスは否応に盛り上がるが、イントロが終わって歌パートに入る寸前に右手からゆっくりと姿を現したロイへの歓声は異様な程に凄まじい。体をくねらせて全身全霊で感情を表現しながら歌うロイはカリスマ的な存在だ!!
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CONCEPTIONで一度来日経験があったにしても、やはりここにいる若いファンの殆どは彼を生で見るのは初めてだろう。序盤ではドラムの音が大きく、ヴォーカルが少し小さめでサウンドのバランスがあまり良くないが、そんな事を気にしているファンはひとりもいない。「Center
Of〜」でも、続いてプレイされたスピード・チューン「Until Kingdom Come」でもサビは大合唱が起きているからだ! |
セット・リストは新作「EPICA」を丸々再現したショウを密かに期待したファンも少なくないと思うが、ロイ加入以降のアルバムの代表曲を網羅しながら、新作からライブ受けしそうな6曲が披露された。しかもセット・リストの組み方が非常に良く練られていて、曲間がSEで繋げられている。新作を意識してこの様な手法をとったらしいのだが、これがまた大正解でKAMELOTサウンドの持つドラマティックさを何百倍にも膨らませるのに成功しており、まるでショウ全体がオペラのように構成されている!!
この素晴らしい演出をバックに繰り広げられた約90分のショウはメタル・バンドとしての激しさももちろん持ち合わせており、トーマス(Gt)&グレン(Ba)の弦楽器隊のヘッドバンギングを伴うこなれた身のこなしや、譜割りのカッチリした安定感を持ちつつパワフルなドラミングでサウンドを支えるケイシーの余裕のあるパフォーマンスは、ロイの一歩後ろに位置しながらもヴィジュアル的にも刺激を与える。
そして何よりも言葉ではとうてい言い尽くせないのはロイのパフォーマンスの素晴らしさだ!!序盤では声が幾分か前に出ていなかったものの、足の先から指の先までを使い言葉一句一句に全精神を注ぐように感情移入して繰り出される歌は、一節一節が聴いている者の心の奥底まで忍び込んでくるほどに強い訴えを感じさせるもので凄まじいパワーを秘めているのだ。大袈裟な表現抜きにしても彼の歌が聞こえてくると、ホントにその都度その都度僕の皮膚に鳥肌を生んで行った。特にアルバムを聴いているときには何の疑いもなく女性シンガーをフィーチャーしているのかとばかり思っていた「Edge
Of Paradise」のイントロでのファルセットや、ステージ上から姿を消したかと思いきや客席の側面から背後に架けて連なっているバー・カウンターの上を歩きながら“熱唱とはこのことを言うのだ”とばかりの歌で会場にいる全ての人(きっと暗くなったステージ上でひっそりと演奏を続ける他のメンバーも)を釘付けにしたバラード・チューンの「Don't
You Cry」での素晴らしさは言葉を失ってしまうほどだ。サビでは「Don't you cry〜」なんて歌っているが、「いや、もうとっくに泣いてますよ」なんて・・・思っている余裕もないぐらい聴き入ってしまった。 |
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各曲のオーケストレーションや「Lost And Damned」でのタンゴ・パートの部分もしっかりと再現していた元Yngwieバンドのマッツ・オラウソンの見事なプレイも、もちろんアルバム程の重厚感には達せないがオーディエンスのコーラス隊や効果的な照明ワークで「The
Mourning After」,「Wander Ballad」などのドラマティックで神秘的なチューンはアルバム以上の魅力を発散している。「The
Mourning After」でフィーチャーされた「Carry on,carry on!」のバンドとオーディエンスの掛け合いも、メタル・ライブならではでこのような魅力をも持っているのは嬉しい限りだ。ロイの「俺のビデオ・カメラどこ?」とお茶目な面も見られた「Fall
From Grace」での印象的なメロディーも自然と大合唱になっていたのも印象的だった。
トーマスの叙情的なギターのフレーズが聞き覚えのあるメロディーを奏で始め、それが何なのか気付いた瞬間会場が揺れ、この日一番の大盛り上がりを見せた名曲「Forever」、メンバー紹介を終えマッツ・オラウソンの短いキーボード・ソロから流れていったスピード・チューン「The
Forth Legacy」、ロイのヴォーカルがアルバム以上に表現力豊だった「Lost And Damned」、アンコールでロングコートを羽織って登場しロイの神秘的なヴィジュアルとリンクする祈るようなパフォーマンスが印象的だった「Karma」など、それ単体でもホントに素晴らしいと思える楽曲を持っている。それに加え観るものを釘付けにさせるパフォーマンス力という鬼に金棒な力を持ったKAMELOTの初来日公演は、間違いなく誰もが期待した以上の素晴らしいショウだった!!
ダブル・ヘッドライナーとしてDREAM EVILをメインに見に来たファンの中で、今までKAMELOTの音を聴いた事のなかった殆どのファンはKAMELOTへと乗り換えてしまったのではないか?・・・結果的にDREAM
EVILは良いオープニング・アクトになってしまったのではないか?・・・・などの、意味のない考察は置いておいて、KAMELOTの初来日公演はフル・ヴォリュームではなかったにも関わらず、多くの日本のメタル・ファンの生涯に残す感動的で劇的で魅力的なショウであったに違いないだろう!!
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追伸
ドラマティックでメロディックなヘヴィ/パワー・メタルが好きなファンで今回のKAMELOTのライブを見逃してしまった方、あの場にいたファンよりも300倍は損をしていますよ!次回は見逃さないように!! |