LIVE IN JAPAN 2002
April.26(Fri) at CLUB CITTA'

協力:マーキー・インコーポレイティド

photos by OSAMU “TIO” SUZUKI

SET LIST
1.INTRODUCTION:Dark Water Part III
  /Fanfare For The Dragon Isle
2.Garden Of The Moon
  /In The Hall Of The Ocean Queen(madley)
3.Escher's Staircase
4.Love Is An Illusion
5.Alexandria
6.The Beast Within You
7.ARJEN Solo:The Draem Sequencer
8.Queen Of The Ocean
9.Project Shangri-La
10.ERIK Solo:Dreamcurrents
   /Trantor Station(medley)
11.Before You Go
12.Frankenstein Unbound
13.DON Solo(N/S stick)
14.Astrology Prelude
15.Secrets Of Astrology
16.VINY Solo
17.Secrets Of Astrology(reprise)
18.Destination Roswell
〜encore〜
19.Rome Is Burning
20.Symphony Of Angels


 新作「PROJECT SHANGRI-LA」に伴うたった一度きりの来日公演が4/26、川崎クラブ・チッタにて行われた。 ここ最近のHM/HR系アーティストのライブの動員は驚くほど減っているらしく、いざライブ会場へ足を運んでみると信じられないぐらいに客の少ない会場があったり、来日公演が決定しチケットを発売開始したにも関わらず、売れ行きの悪さ故に公演を中止せざる終えない状態に陥るアーティストも少なくない。 そんな中、このLANA LANEの公演が一回限りでも、日本を訪れこうしてライブを披露してくれる状況を見ると、バンドが提供してくれる音楽の安定したクオリティーと同様に熱狂的なファンも安定しているようで、今回の彼らのライブも幅広い年齢層のファンが会場の7、8割を占めていた。

 会場へ向かいながらいつもの様にラナの生歌の素晴らしさに期待すると同時に、既に発表されていた来日ラインナップにも非常に興味があった。 毎度お馴染みで、LANA LANEサウンドの隠れたキーマン(?)となっているニール、及びマークのギタリスト・コンビの参加が今回はなく、残念ながら新作「PROJECT SHANGRI-LA」には参加出来なかったアルイエン・ルカッセン一人がギタリストをつとめるということだ。 アルイエンは元VENGEANCEで今となってはコンセプト・アルバム・ブームの火付け役(?)となった名プロジェクトARYEONのコンポーサーとして名の知れている存在だが、果たしてその2メートルを越す巨体のライブ・パフォーマンスとは如何なものなのだろうか? もしアルイエンが直立不動だったら、あまりにも動きのないライブになってしまうのでは?という不安を持ちつつ公演開始を待った。

 客電が落ちエリクの幻想的なキーボードの音色が聞こえてくると同時に、なんとバックに用意されているスクリーンには大きな映像が現れた!! 湖の水面が揺れている映像が映し出され、音楽と映像がリンクした素晴らしい演出が用意されていたのだった!! この演出には思わず鳥肌が立ったファンも多いことだろう。 叙情的な「Dark Water〜」から「Fanfare〜」へと流れると同時に映像も青色主体の水から赤色主体の夕焼け雲が流れていく映像へと変わっていく。
 その素晴らしい演出を見ながら、今回のライブはバンドのパフォーマンスよりも映像効果をメインにした“見せるライブ”なのか?などという勝手な予想は次の「Esher's〜」で、見事に裏切られた。 エッヂの効いたハードなリフを刻みながらのアルイエンのパフォーマンスは一気にそんな不安を掻き消してくれたのだった。 VENGEANCEは本国での人気は上々だったらしく、それなりの数のライブを経験してきたのだろう! スレンダーな体を軽快に動かしながらステージを動き回る姿は、サウンドのみではなくヴィジュアル面でもバンドに新しい要素をもたらしていた。 もちろん技術面も申し分なく安定したプレイを披露している・・・が音がチョットでかい・・・。

 続いてデビュー・アルバムからとラナの紹介からプレイされたのは「Love Is An Illusion」。 今まで座っていたファンも立ち上がり、会場のヴォルテージも上がる。 デビュー作のオープニングを飾る軽快でキャッチーながら、エッヂの効いたギター・リフが心地よいナンバーで、アルイエンのギターの音にとても良く合っている! 久々に聴いたが改めて良い楽曲だと感じながら、1stアルバムの裏ジャケのラナの写真を思い出しつつ、目の前のステージ上のラナを眺めていた(笑)。 マークのいないせいか、一切コーラスが無いのが少々残念だ。 アルイエンは確かソロ・アルバムではヴォーカルも取っていたはずだが・・・。
 続く「Alexandria」は、ラナの生の歌声が一層引き立つ叙情的なパワー・バラード曲で、アルバム以上の豊かな情感のこもった歌はいつ聴いても絶品だ! アルバムではブリッジから歌が重なりながらサビへ流れるが、ここでは重なりを避ける様にアレンジをしており、自然な流れで哀愁漂う叙情的な楽曲を再現していた。 エリクのキーボードの音もいつにも増して素晴らしく思える。

 新作のハイライトのひとつにもなっている「The Beast Within You」では、高揚感のあるサビ・メロが素晴らしい楽曲で、オーディエンスも盛り上がる。 しかしながらCDと違い何か物足りない! それは何を隠そうヴィニー・アピスのドラミングだ!! CDでは抑揚を付けるためにメロウなAメロから一転するサビではツー・バスを用いているのだが、ここではワン・バスでワン・キックのみなのだ。 アルイエンのバッキングに合わせて意図的にこういうプレイなのかは不明だが、もう一つ盛り上がりに欠けるような気がして残念だ。 エリクは複雑なソロ・パートもこなしながら、相変わらずでかい音のギターに隠れがちだがそのシンフォニック・サウンドが心地よい。

 今回のライブではエリク、アルイエン、ドン、ヴィニーのソロ・タイムが設けられていた。 アルイエンのソロ・タイムでは、エリクのKeyとスクリーンに映し出される紋章みたいなものをバックに、叙情的でメロウな泣きのプレイを披露。 徐々に音数も増えるとスクリーンに映し出されたスペーシーな画像と共に宇宙的世界を創り上げ、テクニックを打ち出すものではないが、映像とマッチした世界を展開させ、決して飽きさせることのない時間であった。 おそらく今回の彼のパフォーマンスを見た日本のファンは、彼のギタリストとしての株を上げた事だろう!!
 エリクのソロ・タイムもサウンド、映像共にこだわりを見せた構成で、軽快なピアノ・プレイがメインの「Dreamcurrents」からスペーシーな「Trantor Station」へのメドレーで、後者ではスペーシーな映像と共に空間系のサウンドでヒーリング・ミュージック的な世界を創り上げ、こちらも視覚/聴覚をリンクさせる見事な演出だった。
 そして一番驚かされたのがドンのソロ・タイムだった!! ライブ中、常に下手のアルイエンの後方に陣取り一歩も動かないのだが、このパートでは前の方へ出てきて(当然といえば当然だが)ソロを披露した。 もちろん驚いたのはこんな事ではない!そのスティック独特の華麗で凄まじいプレイだ!! ドラムの打ち込みをバックに多少のKeyとギターもプログラミングされているもかと思いきや、ベース・ラインもギターの音色のメロディー・ラインも総て一人でこなしており、しかもそのプレイはエリクのミス・タッチの多い(笑)プレイとは対象的で殆どミスのない的確な演奏をしているのだ!! フュージョン系の楽曲を左手ではメロディアスなラインをプレイし、左手ではベース・ラインをタップする姿がスクリーンにでかでかと映し出され、誰もがその目を疑うプレイにクギ付けになっていた。 恐るべしドン!


 アルイエンのソロ・タイム直後にプレイされたのは、個人的にはLANA LANE至上ベスト3には入るドラマティックな名曲「Queen Of The Ocean」だった。 個人的に思い入れの強いせいか、この曲はアルイエンのプレイ・スタイルには全くと言って良いほど合っていないと感じられた。 この曲のハイライトのひとつである、繊細で強烈な泣きを発散させるイントロのニールのフレーズをアルイエンは全くといって良いほど再現出来ていないだ! リハ不足なのか(意図的にそうしたのか?)リズムも取れていないようでエリクの叙情的なKeyによるアルペジオも非常に弾きにくそうだった。 この曲の聴き所のひとつを残念ながら見事に壊してしまっていたアルイエンだが、その後も少しずつボロを出す様に・・・。 どうやらコード進行を正確に覚えていない曲も幾つかあったようだった。 それに比べこの曲のドンのスティック・プレイは素晴らしく、楽曲本来の持つ味を更に活かしたプレイでLANA LANEサウンドを支えていた。

 新作から「Project Shagri-la」と4thアルバムからの「
Frankenstein Unbound」のアップ・テンポでキャッチーな曲では、エリクがインカムを付けエフェクトの掛かったロボット・ヴォイス(!?)でコーラスを担当し、ひねりの聴いたアイデアでサウンドに厚みをもたらしている。 アルイエンのパフォーマンスもアップ・テンポの楽曲では、切れの良いリフとステージ上を軽快に動き回るステージングでオーディエンスを盛り上げてくれている。
 今回のラナの声の調子はコンサートの始めから終わりまで、常に絶好調で
Frankenstein Unbound」のサビの最後の一番高いキーも難なくこなし、「Before You Go」のバラードではCD以上の情感豊かな歌声を披露し、相変わらずの美しい声を披露しオーディエンスの視線をひとりじめにしていた。

 アルイエンの参加したアルバムからの「Astrology Prelude」〜「Secrets Of Astrology」ではギター・ソロの前にヴィニーのソロ・タイムが挟まれた。 名バンドの数々を渡り歩いてきたドラマーのプレイを見ようと、オーディエンスも彼のプレイにくぎ付けだ! テクニカルなプレイでは無いが、一発一発に重みのある的確なビートで観客を魅了した。 ヘヴィなこの曲はやはりメタリックなアルイエンのギターが良くマッチしており、インスト部ではステージの中央を陣取りオーディエンスを煽り立て、堂々としたステージ慣れしたパフォーマンスもカッコ良くきめてくれていた!!

 そして本編の最後の「Destination Roswell」。 ブレイクのきっかけとなったアルバムのオープニングを飾る、メロディアスなメロを持つノリの良いハードロックだけにオーディエンスの反応も、この日一番のものだ!! 歌詞の内容通りスクリーンにはロズウェル事件のUFO写真を映しだし、良い効果をもたらしている。 ・・・・が、最後の最後でやってしまった! ギターとKeyの掛け合いのソロが何か不自然だ。 そう!原因は彼にあるらしい! アルイエンの頭からはどうやら構成が飛んでしまった様子で、ギター・ソロもインプロヴァイズ的な悪く言えば適当なソロになってしまい、しかもラナも入る位置がわからなくなってしまうまで発展してしまう始末に!!ラナも歌い出したは良いがバックに全く合っておらず、思わず歌いながら「ソーリー!!」とお詫びするはめになってしまった。 ア、ア、アルイエン・・・・(苦笑)。


 アンコールを求める声から一分足らずでメンバー全員がステージに戻って来るも、自分のミスの照れ隠しなのか、アルイエンのおかしな行動が目立つ(笑)。 ラナが何かを言おうとすると、ギターでノイズをかぶせるというお茶目なイタズラをしていると、とうとうラナに「下がっていないさい!!」と言われてしまう・・・(苦笑)。
 アンコール一発目の「Rome Is Burning」はなんとエリクのソロALでグレン・ヒューズがリード・ヴォーカルを勤めた疾走チューン!!ここまでスピーディーな曲が一曲も無かったためオーディエンスは盛り上がる! サビの高いキーではグレンに負けず劣らずの声圧で見事に歌いこなしたラナであったがAメロ、Bメロはキーが低すぎて全く音を取れない。 もちろん、これはラナの落ち度ではなく選曲がまずいのだが、なぜにラナにここまでさせてこの曲を? ラナも曲が終わると同時に「この曲はキーが合わない!!」とコメント。

 そしてラストにはお馴染みの名曲「Symphony Of Angels」。 アルイエンがリフを弾きはじめるとオーディエンスは待ってましたと言わんばかりの盛り上がりを見せ、最後にはタイトな演奏を披露しコンサートの幕を閉じた。

 色々な意味で(笑)多くの要素をショウに持ち込んだアルイエンのパフォーマンスはおそらく賛否両論だろうが、僕はいつものLANA LANEにはない華やかさをステージにもたらし、良いプラス効果だったのではないかと思う。 しかしながら、ヴィニーの後ノリでヘヴィーなビートのドラミングは、果たしてこのバンドに合うのだろうか?アルイエンが参加しているのならばついでにAL「SECRETS OF ASTROLOGY」でヘヴィーながら小細工の効いた軽快なプレイを披露したエド・ワービーを連れてきた方が良かったのではないか?  リハに時間がとれなかったせいか、ラナの歌のある曲が実質12曲のみで、選曲に問題があるのでは?・・・・・という個人的な疑問点はあるものの、LANA LANEの今後のコンサートでもおそらく活躍するあろう仕掛けが今回の公演で披露されたのが一番のポイントだろう。 そう、それはLANA LANEの幻想的で“静”と“動”を持つドラマティックなサウンドを映像とリンクさせ表現するという、ライブだからこそ成し得る演出で幻想的な世界をステージ上で創り上げていた点だ!! 完璧主義者でとことん探求するエリクの事だから、今後のLANA LANEのライブではこの素晴らしい演出を発展させ、もっともっと魅力的なLANA LANEワールドを創り上げてくれるのに間違いないだろう!!  (Editor from ROCKS ON THE ROAD)


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PROJECT SHANGRI-LA

MICP-10280
02.1.23release



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LANA LANE Acoustic Event