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“紙とペンを今すぐ投げ捨てこの興奮した気持ちに身をまかせたい”。良いパフォーマンスを見せてくれるヘヴィ・メタル・バンドのライブでは大概においてこう思うのだが、特に陰陽座のライブではそれが強い。なぜ毎回そんな“念”に強くかられてしまうのか?。それは「お客さんはもちろんのこと、我々にはPAや関係者、スタッフを含め会場にいる全ての人を楽しませる義務がある」という彼らの強い思いと魂が生き霊となり会場中に襲い掛かってくるからだろう!。ここにいる数千の“普通の人”が普段ではとても出来ない様な事を何のためらいもなく、何かに取り憑かれたかのように自然にやっている様を見ればそう考えざるを得ないのだ・・・。
今まで東京の主な拠点だったO-WESTでは女性オーディエンスの黄色い声援が目立っていたが、ここSHIBUYA-AXというワンランク上の規模の箱を埋め尽くしているファンは6割りぐらいが男性だ。もちろん女性も多数いるがヘヴィ・メタル好きなコア・ファンからの支持も増強しているという証だろう。客席に設置された2台のテレビカメラ(2Fに1台、ステージ前のブースに1台の計4台が設置!DVDリリースがあるそうだ。)を押しつぶしてしまいそうな程の熱狂するオーディエンスはまだ客電も落ちていないというのに待ちきれずに“陰陽座コール”をし続けている。やはりこういう声は女性ファン陣によるもので、見るからに“メタル・キッズ”なファンは腕を組んで微動だにせずただ立っている。彼らがライブの進行と同時にどういった動きをするようになるのかは陰陽座のライブを体験した事のあるファンは容易に想像できるだろう。
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5分以上は続いたであろうコールが客電が落ちると共に大歓声へと変わり、それは幻想的な紫の証明のなかステージ上に姿を現すメンバー達に注がれる事となる。最新アルバム『夢幻泡影』のオープニング・チューン「夢幻」からスタートすると相変わらず誰よりも存在感を放つエネルギッシュなパフォーマンスで名刀“義TUNE”を振り回す瞬火の姿に自然と目が行ってしまう。ステージ上の動きは地味だが“Hughes&Kettner”と“Marshall”のアンプに変えた招鬼、狩姦のギター陣のサウンドも非常にタイトでヘヴィ・メタルならではの迫力あるサウンドで存在感をアピールしている。
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「狸になって踊ろうぜ!」という文字で書くと何とも“おマヌケ”なMCも先のメタル・キッズ達を含め会場中が自然に反応し、ステージ中央に用意されたドラと共に陰陽座のオーディエンス参加型ショウタイムが展開されると、待ってましたと言わんばかりに会場中はひとつになる。会場中の誰しもを楽しませようとするエンターテインメント性に優れた演出は規模が大きくなればなるほど効果を発揮するのだ!。
良質なメロディーと世界観を持った佳曲が続くなか、最新アルバムのなかでも異色の叙情ミッド・チューン「煙々羅」は一際輝く存在。天国へとやさしく導いてくれるかの如く安堵感を与える上質なメロディーは効果的な証明の演出を伴い更に強い安らぎを感じさせ、温もりのある光りの中に立つメンバーの姿はまるで“極楽浄土で演奏する楽団”のようだ。演奏中は静かに聴き入っていたオーディエンスも楽曲が終わり、一瞬おいて“ハッ”と目が覚めたかのように自然と大きな拍手に変わった。それにしても瞬火の声は長いツアーを経てとてもクリアに、そしてメタル・チューンにおいては以前よりも更に強力になっており、多彩な歌唱スタイルの紅一点歌姫:黒猫の歌と強力なタッグを展開している。
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一転して、頭がとんでしまいそうなぐらいのアグレッシブなヘッドバンギングで「陽炎忍法帖」のディストーションの効いたベースリフを弾き始めると〜「傀儡忍法帖」〜「鬼斬忍法帖」へと忍法帖シリーズを組曲化して披露し、オーディエンスを再び熱く燃え上がらせる。本編中盤のこの演出も今日のハイライトのひとつだ。お色直しをして赤と黒のドレッシーな和服(!?)へと着替えて出てきた黒猫の声は序盤よりも断然声が出てきており繊細ながらも力強い歌を聴かせている!。「叢原火」のキャッチーなサビを口ずさみながら満面の笑みをもってヒットする斗羅のドラミングは全ての曲において良いグルーブを産みだし、CDよりも遙かに良いサウンドで楽曲を引っぱっている。
「叢原火」から間髪入れずに続けられた陰陽座トップ1のポップさを持ったシングル曲「醒」への展開も見事だ!。勇気と希望を与えるポジティブなメロディ・ラインはライブではいっそう強力になり、続いて大歓声を持って迎えられたIRON
MADEN風の疾走感を伴った「睡」でもガッシリとしたSHIBUYA-AXの建物が揺れるほどオーディエンスをヒートアップさせる。バシッとキマったCメロ後のブレイクに思わず全身を鳥肌が覆った!。ヘヴィ・メタルという音楽だけが許される魔術“グース・バンプス・アレンジ”が陰陽座の楽曲にはシングル曲にも散りばめられているのだ。
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「舞いあがる」,「おらびなはい」のお決まりのパフォーマンスもフィーチャーした三度に渡るアンコール中も一切手抜きがなく全霊を尽くしたショウが披露され、この場で命尽き倒れてしまってもおかしくないほど疲れ切っているはずのバンドもオーディエンスも文字通り“魂を振り絞って”互いがぶつかり合う。METALLICAの「Battery」風のリフをフィーチャーした最もスラッシーなメタル・チューン「悪路王」で最後の最後を締めくくり、メタル・バンドの底力を見せつけてメンバー達は楽器をおろすのだが何だろうこの会場の雰囲気は??。バンドとオーディエンスの姿は、まるで力の限りを尽くし戦い終えた戦士(侍?)同士がお互いの力を讃え合っているの如く、まばゆい光りを放っているのだ!。実際に1階の客席にいたファンは気付いていなかったかもしれないが、その何とも言えぬオーラに包まれた情景は言葉で言い表せるようなチープなものではない、非常に感慨深いものだった。 |
“このツアーはバンド・メンバー5人でやり遂げたかったから、鍵盤を要する「組曲『義経』」は敢えてやらなかった”という全42公演にも及ぶ今回の『我が屍を越えてゆけ』ツアー。お決まりのショウタイムでは何の説明もなく色とりどりの扇子が一瞬にして客席を覆い尽くしたり、メンバーから繰り出された掛け声にオーディエンスは長年連れ添った夫婦の如く息のあったタイミングで声を返す。それだけ陰陽座のライブにはリピーターが増え続けているのだろう。いわゆる大物アーティスト達が展開するような特別に派手なプロモーションをせずとも、彼らのように本当に心から楽しめるライブをコンスタントに提供していればバンドをサポートするファンは着々と増え続け、そしていつの間にかシーンのトップレベルに位置する日が来ることに違いない。
恐らくライブに対するバンドの姿勢はインディーズ時代の頃から何の変わりもなく、例え日本の音楽シーンの頂点へと登りつめる時が来たとしても絶対に崩されることのない信念を彼らのステージから感じとる事が出来る。「このSHIBUYA-AXはツアーのファイナルだしDVDの収録もあるからいつもよりも更に力を入れて望む・・・なんて事はしない。陰陽座のライブはいつどこの、どんな小さな会場であっても全身全霊を尽くしたステージをやるんだ。どこよりも多いファンが集まったこの最終公演だから特別に力の入ったステージを披露しているのではないんですよ!」という瞬火の強い信念の込められた言葉は決してウソ偽りのない、魂そのものの叫びなのだろう。 (Manabu
Hoshino / ROCKS ON THE ROAD)
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本公演を収録した最新
ライブDVDリリース!
| new Live DVD |
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「我屍越行」
KIBM-90078
05.3.2Release
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