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当日キャンセル待ちのファンが列を成すほどの動員数を記録したジャーマン・メタルの重鎮、これぞ理想“メタル・ライブ”!!
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Photos:Hiroyuki Yoshihama



 20年という長い間ジャーマンメタルシーンを支えてきた重鎮RAGE。2005年の来日公演初日となる今日は、東京・大阪それぞれ1回のみという今回の日程もあり、当日券も含めすべてソールドアウトだという。しかも、それだけではなくクラブクアトロの入り口階段にはキャンセル待ちのファンが列を成しているという、異常な事態になっているのだ!!前回の来日時は東京だけでも2回あったのでここまでの動員数ではなかったが、身動きの取れないほどパンパンとなった今日の会場は開演前から凄まじい熱気を帯びているのは言うまでもない。20周年記念のセットリストということで新旧ファンがこの1回限りの東京公演に殺到したということだろう。

 イントロのSEテープでメンバー紹介と20年の活動の軌跡が語られるなか、メンバー3人がステージに揃うとマイク・テラーナのパワフルなドラミングで曲がスタートする。なんとオープニングからいきなりの名曲だ!!ギター・リフが「Don't Fear The Winter」のものだと分かると会場のボルテージがいきなり頂点へと駆け上り、当然のことながら歌いだしから巨大なオーティエンス・クワイアが展開される。髭を蓄えワイルドな風貌のヴィクターは前回の割と控えめなパフォーマンスとは打って変わり、動きも非常にアグレッシヴだ。ヴァッケンなどの大きなステージをこなし長いツアーを経て身に付けたそのパフォーマンスは押しの強いギター・サウンドに良くマッチし、見ごたえのあるステージを展開している。

 ベスト的な選曲の合間に組み込まれたニュー・アルバム収録曲への反応も頗る良い!1984年リリースの「Prayers Of Steel」続いてプレイされた「Solitary Man」も中期の人気チューンで、Aメロから大合唱が起こるのは前回の来日公演と同様。リアルタイムで聴いていたであろう20代後半のファンも非常に多いということだろう。しかしながら、その良き"ジャーマン・メロディック・パワー・メタル"旋風の頃からのファンに限らず現ラインナップになってから付いたファンも多いのがRAGEファン層の特徴で、特別な選曲での今ツアーの中でもここ2作品「SOUNDCHASER」,「UNITY」の曲も多くプレイしファンを喜ばせてくれる。"You're goin'!?"とのピーヴィーのコールにすかさず"Down!!"と答えスタートする「Down」は特に人気が高く、今後もプレイされつづけるであろう楽曲のひとつだ。



 高いテクニックを要するプログレッシヴなインスト「Unity」は打ち込みを用いながら再現され、一糸乱れぬ完璧なプレイを持ってして生まれるスリリングな楽曲は何度聴いても鳥肌ものだ!そこからつながるマイク・テラーナの自己満・・・いやいや(汗)、非常に見ごたえのあるドラム・ソロももはや恒例タイムとなった。その太い腕で振り回されるスティックはまるで"箸"のように映り、パワーだけではなくスティック回しなどの小技を取り入れオーディエンスを楽しませている。今回も渋い歌声を披露したり、見た目とのギャップが怖すぎるお茶目さでマントをはおって「ウルトラマン」だとか言って飛び回る始末・・・しかも、これが15分ぐらいにわたりステージを占拠するのだからもう・・・(苦笑)

 そのマイクの見た目とは大きなギャップにおどきつつ、続いて"ジョージ・ブッシュに!"との紹介で繰り出される「Set The World On Fire」で、またまた大きなギャップに衝撃を受ける。が、オーディエンスは全く気にせずに誰かのおかげで(!?)溜まっていたフラストレーションを爆発させるかの如く、熱い反応を見せている!
 "「Tripped!」のアルバムから"という紹介の時点で見られた異様な盛り上がりをみると意外にも人気の高いアルバムなのだろう。そこから「Medicine」がプレイされるとRAGEらしいピーヴィー節をフィーチャーしたスピード・チューン「Black In Mind」へと続く。

 ソロ・アルバムもリリースしたばかりのヴィクター・スモールスキのソロ・タイムは音楽センスと技術を持って生まれる多芸なプレイを披露してくれる。打ち込んだKeyにあわせた泣きのギターでオーディエンスを聴き入らせたかと思うと、ギター・スラッピングによる見るからに難解そうなフレーズを弾きヴィクターの信じられない動きをする両腕に目が釘付けだ。
 程よい長さによる効果的なソロ・タイムを終えると曲は「Soundchaser」へと上手くつなぐ。この辺の進行はさすがに見事で、20年の歴史を戦い抜いてきたバンドだけあるステージの構成力だ!楽曲そのものの魅力ももちろんだが、否が応でもテンションがあがる曲の流れにオーディエンスも盛り上がり、自然と発生した大きなクワイアを聴いたピーヴィーが"キミたちは良いシンガーだ"と言ったのも納得できる!

 「MISSING LINK」から「Firestorm」,「Refuse」と両曲でも湧き出す巨大クワイアに満足げな表情のピーヴィー。「Refuse」のソロ後のアルペジオのみとなるパートでは忙しそうに指板上をすべらせながら弾くヴィクターの額を満面の笑顔で拭ってあげている。大きく育ちすぎた(苦笑)体格に似合わず、子供のような無邪気さが現れたその顔を見ているほうもライブの楽しさと相まって自然と微笑ましい表情になり、大盛り上がりの中本編ラストを迎えた。

 一番楽しそうな本人もここでやめるはずも無いのは分かっていたが、アンコールの一発目は危機迫る展開をみせる「
Orgy Of Destruction」〜「War Of Worlds」の新作のオープニング・トラック!仕切り直しにはこの上ない選曲にバンドもオーディエンスも疲れを見せずに変らぬテンションで会場の温度を上げる!ピーヴィーの要求に即答して沸き立った"Higher than the sky〜"のコーラスに全員で応える大合唱の凄まじさに満足げなピーヴィーは思わずはしゃぎまくる。ヴァッケンに居るのかと錯覚を起こすほどの巨大クワイアに割とポーカー・フェイスのヴィクターも驚きを隠せない表情だ!そのしばらく続くオーディエンスのみのクワイアをバックにヴィクターはSURVIVORの名曲「Eye Of The Tigger」のリフを弾き始めると笑い声にかわり、それにノリノリのピーヴィーも歌いだすともちろん会場は笑みを浮かべてステージ上に目をやるのだが、曲に戻るとすぐに上下に激しく頭が揺れだし興奮のさなかライブの幕がおろされた。

 大好評だという2枚組みライブDVD「FROM THE CRADLE TO THE STAGE」で見られるステージよりもはるかにパワーアップしたパフォーマンスと、それに応える熱狂的すぎるファン達が創り上げた見事なライブに、会場中の人間はさまざまな満足感に満ちた笑顔で会場を後にしていた。ヴィクターのギターは現RAGEサウンドに最も欠かせないプレイヤーだが、遥かに成長を遂げたそのパフォーマンスもRAGEのステージ上に新たな華(?)を添えている。昨年のEDGUYの時もそうだったが、バンドのパフォーマンスとオーディエンスの有無空気が絶妙に絡むと今回のような奇跡的なライブになるのだろう。前回の来日公演も凄まじいと感じたが、今回は更に盛り上がったライブだった。見逃したすべてのメタル・ファンは次回には必ず足を運ばないと、メタルの楽しみ方のひとつを損するだろう!


-SET LIST-

1.Intro
2.Don't Fear The Winter
3.Great Old Ones
4.Paint The Devil On The Wall
5.Prayers Of Steel
6.Solitary Man
7.Sent By The Devil
8.Down
9.Back In Time
10.Unity
11.Anarchy(DRUM SOLO)
12.Set This World On Fire
13.Medicine
14.Black In Mind
15.Rocket Science(GUITAR SOLO)
16.Soundchaser
17.From The Cradle To The Grave
18.Firestorm
19.Refuge

■encore1■
20.Orgy Of Destruction
21.War Of Worlds

■encore2■
22.Higher Than The Sky


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