ゲイリー・ムーア来日公演2010!:Rocks On The Road
Gary Moore in Japan 2010
ゲイリー・ムーア2010ライブmain

Supported by Victor Entertainment

 「Over the hills and far away」を高らかに歌い、ギターを弾きまくる姿にテレビの前で金縛りにあうようなショックを受けたのを未だ鮮明に覚えている。1980年代、ゲイリー・ムーアのここ日本での人気は凄まじく、僕のロック人生を間違いなく開拓してくれたアーティストである。
 当時中学生だった自分はアルバム『AFTER THE WAR』に伴うジャパン・ツアーを見逃し、"21年"もの長きに渡り待ち焦がれていた。2010年、奇跡は起こり、僕は東京国際フォーラム1階30列目にいるのだ!!

 観客は予想通り40代が多いと思われるが、なにか未知のものを見るような静かなる熱気がひしひしと感じられた。
 大袈裟な仕掛けもなくアルバート・キングの「Oh Pretty Woman」で幕をあけると、もう完全に観客はゲイリーのギター・プレイにくぎ付けになる。拳を上げるとか手拍子をするとかではな、くここでも金縛りにあっているようである。

何なんだこのレスポールのトーンの素晴らしさは…。そして還暦間近ながらここまでギターを弾けるとは敬意を抱かざる負えない。止まらないマシンガン・ピッキングの嵐に5000人の観客が皆、ゲイリーは未だハード・ロック・ギタリストであることを再認識することもできたはずだ!
 「Too Tired」や「Walking By Myself」等のノリノリのブルーズ・ナンバーにおける“弾きすぎプレイ”で、ゲイリーの攻撃的な一面が見事に発揮できていたし、ベース、ドラム、そしてハモンド・オルガンという90年代の装飾(ホーン・セクションとか)を振り払ったシンプルな編成が、よりギター・プレイを楽しませてくれた。

 また、ボーカルも円熟と声量が増し渋くかっこいい。特に伝説のBLUES BREAKERS「All Your Love」はオリジナルにより近くスローに仕上げられ、素晴らしい出来だ(ここでもハモンドがGood!!)。「ブリティッシュ・ロックの伝統は俺が守る!!」的なゲイリーの気合がこもっていたように感じられた。

 そして、誰もが聞きたかった「Still Got The Blues」が始まる。そのイントロの名フレーズが始まるや否や、5000人の悲鳴が聞こえてきた。僕も様々なアーティストのライヴを見ているが、こんな悲鳴にも似た歓声は初めてだった。とにかく美しい、そして泣き!泣き!泣き!!である。ロック界広し、ここまでギターを泣かせられるのは、もはやゲイリー以外にいないだろう。

 「The Blues Is Alright」の観客との楽しいコール&レスポンスを挟み、2回目のアンコールに危うく失神しそうになった。いよいよアノ曲である!
“パリの散歩道”なんて素晴らしい邦題もあやかり、曲を導くようなスパニッシュなフレーズを織り交ぜた斬新さといい、幾度となく色んなバージョンを聞いてきた名曲ながら、この日ほど官能的で美しいバージョンはあっただろうか。それほど特別な「Parisienne Walkways」であった。“I remember paris〜”とゲイリーが歌いだすと、私は亡きフィル・ライノットを思い浮かべていた。彼が生きていたら共演が実現しただろうか?なんてことを考えていたら自然と涙で目の前がかすんだ。
 その後ゲイリーはプレゼントを抱えた女性ファンと軽くハグしステージから去った。この辺のさりげなさもさすがである。

 夏にはスウェーデン・ロック・フェスティバルにも参戦し、次作はアイリッシュ・ロックになるとの噂もある。しかし、ゲイリーは21年間何も変わってなかった。もはやブルーズだのハード・ロックだのカテゴリーする必要はない。ただ一言、私がキラー・ショックを受けた熱血ロック・ギタリスト"ゲイリー・ムーア"は未だ健在であることを確認できたのだから!!

(Y.TAKAHASHI 2010/4/28 東京国際フォーラムホールA)


GARY MOORE Japan Tour 2010
-セットリスト-


1. Oh Pretty Woman
2. Bad For You Baby
3. Down The Line
4. Since I Met You Baby
5. Have You Heard
6. All Your Love
7. More Than You'll Ever Know
8. Too Tired
9. Still Got The Blues
10. Walking By Myself

-encore 1-
11. The Blues Is Alright

-encore 2-
12. Parisienne Walkways

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