TOSHIライブレポート:ヘビーメタル、ハードロック専門情報サイト
TOSHI Live in AKASAKA BLITZ 2Days 2009:ライブレポート
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 「ボコボコに叩かれても、真の友達はいつも僕を支えてくれた…ありがとう」


 その歌は何の飾りもなく、実にピュアでストレートなメッセージが込められていた。そうした詩を、歌を愛するようになったのは、以前ロックスターとしての活動中に感じた疑問がきっかけであり、より欲するようになったのはやはりあの事件があってからだと、彼は語った。
TOSHIが8月13・14日の両日、赤坂BLITZにてライブを行った。13日はRIKU(12):ドラム、RYO(18):ギター、KAIN(24):ベースのメンバーを迎えた新生TOSHI with T-EARTHのお披露目ライブを。翌14日には生ヴァイオリンとキーボードのみをバックに従えTOSHI&WANKUがしっとりと聴かせる。異なるコンセプトの2daysコンサートにて、異なる感動を彼は与えてくれた。
 13日に展開された“エコハードロック”がテーマのTOSHI with T-EARTHによるパワフルなパフォーマンスは、瞬く間に会場を熱狂の渦に巻いた。TOSHI自身も新生初ライブに相当な手応えを感じたようで、「本当にすごかった。何よりも感じたのは楽曲のすごさだ。現在のロック最先端といっていいほどのかっこいいロックサウンド、アレンジ、歌詞ももちろん最先端のエコ、環境、本質。ボーカルは私の30年間の培ってきたものすべてをこめた渾身のシャウト! そしてそれに答えるオーディエンスとの一体感も、広がり続けるコスミックのよう。ボーダーレスだった」と興奮気味に語るほどだ。

 そして14日。この日はまた違ったパワーが会場を包み込む。X JAPANでのHR/HMスタイル、そしてT-EARTHでのロックスタイルとも異なるTOSHIのもう一つの顔。それは地球の住人の一人として“自分たちの場所”を守るため、エコを真剣に考える人間としての姿だ。エコを始めるにあたり“まずは自分のできる事から”という言葉を良く耳にするが、彼はまさしくソレを実施している人だろう。

 環境問題を訴えるピュアな歌声は、時として自然の悲鳴が如く、聴き手の心に突き刺さる。“美しい空を、美しい海をください”。そのあまりにもストレートな歌詞は、まるで地球の嘆きを代弁しているかのよう。
 また、妻であり本日のもう一人の主役、WANKUをステージ上に呼び寄せると、「久しぶりにWANKUのミニスカートをみた。ドキドキしちゃいました…」とオーディエンスを笑わせる一幕も。TOSHIの自然体が垣間見られるMCもまた、ファンには嬉しい時間だろう。しかし、そんなMCの中にも、ハッと思わせる瞬間がある。筆者に一番衝撃を与えたその言葉とは以前のマスコミ騒動に言及するものだった。

 「12年前、ロックスターとして有象無象のなかで流される自分が嫌になってバンドを抜けた。その際に宗教だ、洗脳だなどとまったく事実無根のことでバッシングされたけど、後でそれはバンドへ戻そうとする力が裏で動いていて、更にそれが利権をむさぼりたい“身内”により仕掛けられてきたものだと知った」
 その時に感じた気持ちが今のTOSHIの根源となり、歌という形になるのだという。傷ついたその心が“詩旅”へと向かわせたのだと。

 誤解、偏見が渦巻く逆境の中でも彼は、自分のやりたいことを貫くべくある曲をもって日本全国を旅する。この日の最後に披露された曲。辛い日々とそれを支えてくれた“真の友たち”への想いをこめ、涙ながらに歌った「愛の詩をうたいたい」。“全てを癒せる詩をうたいたい”という心の叫びは、老若男女が集ったオーディエンスの涙を誘い、会場全体を優しく包む。感動の中、2日目のステージに幕が下ろされた。
ストレートすぎる歌詞と、そこに感情移入するピュアなTOSHIの歌声。以前の“マスコミ”という大きな声に影響を受け、時として誤解を与えてしまうのも確かだろう。しかし、それでも乗り越え、信念を貫く歌には、少なからず現存する日本の音楽シーンにはない特別なパワーに満ちている。人を動かす力。それは音楽だけが成し得る業なのかもしれない。
X JAPANは、筆者をHM/HRという音楽へと導いてくれた。そして今、彼はその歌声で人々の興味を環境問題へと向けていく。そのパワーを信じ、TOSHIはこれからも歌い続けるのだろう。




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