ヘビーメタル、ハードロック専門情報サイトRocks On The Road


Supported by Victor Entertainment,Inc.
Translator:Urarako Kimura



-ニュー・アルバムは「守護神伝-新章-(KEEPER OF THE SEVEN KEYE -THE LEGACY)」とタイトリングされていますが、何故このタイミングでまた名作「守護神伝」シリーズに取り組んだのですか?


マイケル・ヴァイカート(以下W):前回の日本ツアーの後にレコード会社からも「KEEPER3を創ってみない??」と言われたんだ。まぁ、半分冗談ではあったんだけどね。なんでそんな話が出てきたかというと、それだけバンドの状態が良かったからなんだ。我々としても創ってみる価値があると見込んで取り組んだのさ。


-では、「守護神伝」の新作を創ろうというコンセプトが先にあって、曲作りに取り掛かったのですか?

W:"「守護神伝」を創ろう"ではなく、"それに見合ったものを創ろう"という勢いで取り掛かったんだ。だから最終的にタイトルを「守護神伝-新章-」に決めたのはミックスの3週間ぐらい前なんだ。特に最後に仕上げた「The King For A 1000 Years」が出来あがったときには正に「守護神伝」に相応しいと思ったよ。

サシャ・ゲルストナー(以下S):「ベストな曲を書こう」というのがそもそものコンセプトで、それぞれ100%以上の力を出し合って創った結果、この名に恥じないものが出来上がったんだ。


-なるほど。実際に仕上がった新作をみて、過去の「守護神伝」を内野からみていたヴァイキーと、それを外野からみていたアンディとサシャとでは見解が違うのではないですか?

W:「守護神伝」のタイトルやストーリー自体は俺自身が考えたんだ。あれを創るにあたって長い曲を書こうと俺が言ったら、カイ(・ハンセン)も「じゃあ、俺も書く!!」って言って始まったアルバムなんだ、あの2作は。ファンの間でもいろいろ騒がれているものだけど、元々は俺のアイデアなんだよな。じゃあ、実際に過去の2作と今回のアルバムを比べてみたときにどうかというと、新作はホントに誇りに思えるものが出来たと思っているし、過去2作よりも良い出来だと思う、俺的にはね。まぁ、こんなこと言うと「お前、何言っているんだ!?」とファンに言われるだろうから、あまり言いたくないけど・・・(苦笑)。でも自分としてはいろんな意味で今回のアルバムの方が優れていると思うんだ。


-アンディとサシャはどうですか?

アンディ・デリス(以下A):各アルバムを比べるということはあまり意味が無いよね。何故かというと「新しいアルバムの方が良い」と言ってしまうと前のアルバムの価値が下がってしまうように思えるんだ。だから「前のアルバムと比べてどう」というのではなく、今の俺たちにとって一番重要であるのはこの「守護神伝-新章-」なんだ。このアルバムの良し悪しによってこれからのバンドの道を決める。今までも創ってきたアルバムがヒットしたものもあればそうでないものもあるだろ?それでも俺たちはここまで来られているわけだ。だから今回も同様に、今俺たちにとって一番大切なアルバムはこのニュー・アルバムだし、俺たち自身誇りに思える作品が出来たというのも事実だ。人によってはこの偉大なタイトルを付ける事によって、それだけで興味を持ってくれる人もいる。これは嬉しいことではあるけども、逆にそれによって期待していたものと違って失望させてしまうのではないかという心配があるのも事実だ。だけど、今回のアルバムは自分としては凄く良いものが出来たいうことだけは断言できる事なんだ。

S:人によっていつの時代のアルバムをどんな時に聴いていたかによって印象が変わると思う。例えば若いファンなんかには「タイム・オブ・ジ・オウン」を聴いたのが高校生だとして、ちょうど夏休みに聴いたとか、初恋の時に聴いたとかで・・・そういった時期に聴いていると凄く思い出深かったりするだろ?そうすればそれが必然的に特別なアルバムになってしまう分けだ。だから人によって各アルバムに対しての捉え方が変わってくるのも当然だよね。

W:「タイム・オブ・ジ・オウン(*)」じゃないぞ。(*正確には「タイム・オブ・ジ・オウス」)

A:(爆笑)
  


-(笑)・・・では、新作の副題についている“LEAGACY”とは何を意味しているのですか?


W:「LEGACY」という副題をつけたのは俺で、凄く的確に表した言葉だと思う。なぜなら、まずひとつに今のバンドには「守護神伝1,2章」を創った人間は俺とマーカス以外にいないから「守護神伝part3」というタイトルにしてしまうと、おそらく「ずうずうしいんじゃないの?」と言われるだろう。ただ、これを避けるために副題をつけたのではなく、本当に“part3”ではないんだ。物語自体も全く違うしね。そして、理由のもう一つは「守護神伝1,2章」を創ってから20年近く経った今、これまでの作品をすべて“LEGACY(遺産)”としてしまおうという意味も含んで付けたんだ。


-その「守護神伝1、2章」の物語とは違う「 〜 -新章-」の中で描かれているのは、どんなストーリーなのですか?

A:このアルバムは1曲づつがストーリーを持っているんだけど、全体の1つのコンセプトとしては“7つの鍵”の1つが“強欲さ”を表す鍵で、これをある人間が誘いにのって悪魔に渡してしまうんだ。「その鍵を渡せばお前を1,000年の間、王にしてやる」と言われてね。これがオープニングの「The King For A 1000 Years」が歌っている内容だ。これがきっかけで悪魔が人間界への扉を開けて、この1つの鍵ではなく残りの鍵も手にすれば人類に危機が訪れる。そこでKEEPERが立ち上がって阻止しようとするんだ。


  

-その「The King For A 1000 Years」もそうですが、現代社会に対してのメッセージ性も込められているような内容に思えますが、いかがですか?


W:そうだね、「The King For A 1000 Years」は特にアルバム全体とリンクする楽曲で、さらに各曲にメッセージ性が込められている。それ以外にもHELLOWEENらしいジョークを歌っているものもあるけど・・・ほとんどアンディが歌詞を書いているからアンディに聞くといいんじゃないかな。

A:(現代社会において)これ、と指定したものがあるわけではなく基本的にはKEEPERの世界の話を展開しているんだけど、捉え方によっては現実の世界に結び付けて考えることも出来るだろう。それはリスナーによって判断すべきことだね。


-「The King For A 1000 Years」はサウンド的に今までのHELLOWEENの歴史と現在のHELLOWEENを踏襲したような楽曲ですが、“LEGACY(遺産)”というコンセプトがあったからこそ出来た曲なのでしょうか?


A:今回のアルバムではコンセプトを前提に曲を書いたのではなく、メンバーみんなが出し合った部分的なアイデアを試行錯誤しながら組み立てていった。この「The King For A 1000 Years」も同じように、みんなが出し合ったいろんなパートを組みあわせて構成されている。ソロにしても何にしても使用したアイデアよりも捨てられていったアイデアの方が多いぐらいさ。すべての曲に関して1つのコンセプトに沿って創っていったのではなく、アイデアを組み立てて壮大なものにしようと試みたんだ。

S:とにかく、長い曲に関しては「この曲はどうあるべきなのか?」という話をみんなで散々したあとでみんながアイデア出し、インプットして組み上げたのさ。

  


-もう一曲の大作である「Occasion Avenue」のイントロ部分では「守護神伝1,2章」を振り返るシーンがありますが、これは何を意味しているのですか?


A:この曲は“リ・インカーネーション”についてがテーマになっているんだけど、歴史を振り返れば人間がいかに愚かなことを繰り返し行っていることは周知の事実だ。現実世界と同様に、「守護神伝」の世界でも一度KEEPERによって救われた世界がふたたび危機に陥り、今回もまた彼が立ち上がろうとしている。また、それと同時に現実世界の一人一人の人間にとって“Avenue=道”があるわけだけど、途中途中でいろんな誘いに負けて道を踏み外してしまうだろ。その寄り道から一度外れてしまい、元の道に戻れるときは良いけど戻れないときはまた最初からやり直さなければならない。それで、再スタートしてもまた“それた道”を行き同じ過ちをしてしまう。この人間の愚かさを歌っているんだ。KEEPERの世界での話と現実社会における人間の愚かさという2つの意味を持っている。で、あのイントロでのラジオ・チャンネルを回しながら「またこの曲か、もういいよ!」と言っているシーンが導入されているんだけど、これは音楽のことを示しているわけではなく、かつて通ったことのある時間や過去にやった同じ事を象徴して「また同じ事をやっている」ことを表現している。KEEPERの世界でも一人の人間の愚かな行動によって再び立ち上がらなければならない状況になってしまったのさ。

W:現実社会には大きな道と小さな道があり、個々の小さな道と人類全体をみた大きな道があり、その2種類の道としても「Occasion Avenue」を捉える事が出来るんだ。




-本編最後に収録されている「My Life For One More Day」の一番最後のコードは、キレイに終わるのではなく、次に続くようなコードで締めくくっていますが、これは何かを意味しているのですか?

A:アルバム全体のストーリーとしてもそうだけど、最後の「My Life For One More Day」は“これから”KEEPERが戦いをはじめる場面を描いているんだ。さっき君が言ったようにアルバムの中の話としてでも、現実社会の話としてでも、どちらにでも捉えてもらって構わないけど、ここで決して“終わり”ではないんだ。まさに戦いの最中にいることを表していて、どちらに転ぶかはKEEPERの頑張りようか、はたまた現実社会の人間の行動によって変わってくる。KEEPERは人間のためには自分の命を投げ出してもいい覚悟で戦い始めるんだが、現実社会の人間も人生を更に5分多く暮らしたかったらすべては自分の行動次第なのだ、と。まさに今からが戦いなんだ。現実社会でもひとつの“章”が終わるのではなく、まだまだ続いている最中だろ?


-「LEGACY Part2」に続く、という意図ではないわけですね?

A:そういったものを創るつもりは今の時点ではない。現実社会においてもKEEPERみたいな存在がないと人類が滅亡してしまうような状況に陥っては困るだろう(笑)

  


-なるほど、そうですよね(笑)・・・。まったく話は変わり余談なのですが、本作のドラム・サウンドはインゴの叩く音を彷彿させるように感じたのですが・・・・。

W:それはおそらくスネア・ドラムのロー(低音)が凄く効いているせいだと思うんだけど、ベスト・アルバム「TREASURE CHEST」を発表する際に昔の曲を聴きなおしてプロデューサーのチャーリー・バウアファントと「やっぱりこのロー・スネア・ドラムが良いよな!」と話をしていたんだ。元々インゴが昔いたバンドのデモを聴いたときもドラム・サウンドの自身たっぷりの音が気に入って「良いドラムだ。誰がやっているんだ?」と思った。

A:(ドラマーの真似をして低音ヴォイスで)ボッ、フー〜、バン、ボッ、フー〜、ボン(笑)

W:(笑)その時からこのようなサウンドを好むようになって、新しいドラマーのダニー(・ルブレ)にもやってもらったんだ。それによって「守護神伝」らしさが出たんじゃないかな。“U”がつく前のドラマーのトレブリーなサウンドは正直、あまり好きじゃかったね。


  
-(苦笑)・・・。それでは、過去の「守護神伝」を聴いていたファンと、過去を知らずに新しい「守護神伝」にはじめて触れるファンに対し、それぞれ聴き所を教えていただけますか?

A:これはヨーロッパのあるジャーナリストの意見を借りているんだけど、まず、DISC1ではよりクラシカルなブリッジを楽しめると思う。メロディー、ハイスピード・チューン、ツイン・ギターも「守護神伝Part1,2」に通じるものがあるだろう。DISC2にももちろんクラシカルな要素はあるけど、よりプログレッシブでモダンなHELLOWEENが楽しめる。まぁ、創っている段階では決して意図してDISC1、2を分けたわけじゃないんだけどね。だからDISC1はよりオールド・ファン向けで、DISC2はもっと若いファン向けになるのだろう。ただ、両方のDISCにそれぞれの要素が入っているから、全員に両方のDISCをよく聴いてもらいたいね。現に俺の14歳の息子もDISC2が好きなようだけど、DISC1も凄く気に入って聴いてくれているから、全ての世代のファンが両方気に入ってもらえると思うよ!


-では最後に日本のファンへメッセージをお願いします。

W:来年1月か、2月か・・・唯一まだ日本ツアーが決まっていないんだけど、とにかくまた日本に来た時は楽しんでもらえると思うから是非ライブを観にきてくれ!それと、とにかくみんながこの「守護神伝-新章-」を気に入ってくれることを願っているよ!!




home album review interview alive&kickin' release info catch the move A to Z links mail
Copyright (C) 2001-2005 ROCKS ON THE ROAD All Rights Reserved.