“アルバムだけではなくライブも体験してもらわないと僕らが伝えたいもの
全ては分かってもらえないんじゃないかな”



Supported by:ポニーキャニオン
Translator:KAKO SOMEYA


多くのメタル・ファンの感動を誘う壮大なショウを披露した初来日
公演の翌日、表情豊かな素晴らしい歌唱力を誇るシンガー:
ロイ・カーンとKAMELOTサウンドをデビューから支えてきた
ギタリスト:トーマス・ヤングブラッドの二人を直撃インタビュー!!



昨夜はお世辞抜きでホントに素晴らしいショウでしたね!日本のファンがいかに待ちわびていたのかというのもステージ上から見えたんじゃないですか?

Roy Khan(以下;R):ありがとう!実際来日するまで凄く時間が掛かってしまったからね!

Thomas Youngblood(以下;T):日本に行くことがバンドを始めた当初からの目標のひとつだったから凄く嬉しいよ!しかも実際来てみたらファンの反応が僕らの期待を遙かに凌ぐものだったしね!

曲間をSEでつないでいましたが、これまでもこのような形態でのライブをやって来たのですか?

T:そうだね。毎回こんな感じでやっているんだけど、特にAL「EPICA」に関してはアルバム自体にもSEのようなものが多かったので今回のツアーでは増やしているんだ。後はコンサートにメリハリをつけるためには良い効果だと思うしね。

R:ただアルバムに入っている間奏をライブでそのまま再現するのには不可能なものがあるので、その代わりにあのようなサウンド・エフェクト的なものを作ってみたんだ。それがセットの中に入れてみてしっくりくれば「よしこれで行こう!」という感じでね。こういった音楽を創っている以上やはりやらざる終えない部分でもあるよね。ファンもやっぱり期待していると思うし。

ショウ全体がヒトツのストーリーを追っているようなまるでオペラのような構成でしたが細かいところまで入念に準備されたのですか?

T:運良く上手くいった部分もあり(笑)、きちんと目論んでやった部分もありって感じだね。それよりもファンの反応が素晴らしかったので、こっちも楽しくやれたしそれがショウ全体の出来に反映されていたんだろう。

R:やっぱり僕ら自身も計画しておいた部分とその場のノリでやる部分の両方があって欲しいと思うしね。だから結構インプロヴァイズでやっている部分もあるんだよ。実際に初日と2日目では楽曲的には1、2曲しか違わないけど、ショウの流れは全然違ったものになったんだ。

「Don't You Cry」の時の演出(ロイが客席のバー・カウンター上に突如表れて歌い始めた)は、あの場でアイデアが出たのですか?

R:いや(笑)。初日は後ろにああいうカウンターがあるのに気付かなかったんだけど、2日目のショウの前にカウンターを発見して「今日はあそこへ歩いていってやろうか」と決めたんだ。その時は本番中はそこには誰もいないのかとばかり思っていたんだけど、実際に歩いていったら人が沢山座っているし荷物もいっぱい置いてあるし・・・・びっくりしたよ!(笑)

「Don't You Cry」ではそういった思いがけない演出もありましたし、ロイの凄まじく感情移入したパフォーマンスもあって凄い感動的でしたよ!サビで「Don't you cry 〜」なんて歌っていますが「いや、もう泣いてますよ!」という感じでした。(笑)

R&T:(笑)ありがとう。

「Edge Of Paradise」のイントロダクションでロイは女性のような声をファルセットで再現していましたが、アルバムでもこれはロイの声なのですか?

R:うん、僕のものだよ。(アルバムの)クワイアになっている部分も全部僕の声で重ねてあるんだ。ヒトツだけSEVENTH AVENUEのヤツの声を入れたんだけど、あとは全て僕のなんだ。何チャンネルか忘れたけども・・・64回とかかな(笑)。

T:あのイントロを書いたときはどのような感じになるのか分からなかったんだけど、実際にロイに歌ってもらったらあの一番高い声まで出てしまったんだよ!

R:僕自身、基本的にはバック・ヴォーカルも全部自分でやりたいと思っているんだ。今回も色々声質を変えて重ねていったんだけどやっぱり限界がある。どうしても女性シンガーでなければいけない部分もあるし、そういう時は外部に頼むんだ。色んな人がたくさんで歌っているような雰囲気にしたいという時も自分だけではまかないきれないから他の人に頼むけどね。


ロイの歌の表現力に関して感じたことはアルバム以上に感情移入をしているようで、とても表現豊かだと感じました。ライブではより一層そういった部分を気にかけているのですか?

R:ありがとう。僕にとって“歌”というのはそれ(感情移入)が全てだと言っても良いぐらいのものだからね。もちろん基本的なテクニックは必要で、特にKAMELOTみたいに複雑な音楽をやっていれば要求される技術はあるんだけど、それ以外は音楽にとってエモーションが全てだ。やっぱりストーリーやフィーリング、その場面の雰囲気を伝えたいと思ってやっているからね。そういう意味でもKAMELOTの音楽はアルバムだけではなくライブも体験してもらわないと僕らが伝えたいもの全ては分かってもらえないんじゃないかな。


サウンド的にも魅力的でしたが、パフォーマンスも激しくて非常にライブ慣れをしているように感じました。これまで大規模なツアーを廻られていたのですか?

T:日本へ来る前にヨーロッパで16本ぐらいやって来たんだけど、実際自分たちでもパフォーマーとしても凄く成長したと思う。今は「ここはこうしなくては」とやるのではなく、凄く自然に出来るようになった。基本的には自分たちが楽しむというのを一番にやっているからね。昨夜のショウは我々としても凄く特別なものを感じながらプレイしていたし、ショウの出来も凄く良かったと思うよ!

R:とは言っても、今回見せたのはフル・プロダクションでのショウじゃないんだ(今回の来日公演はDREAM EVILとのカップリング)。時には二人の女性シンガーをフィーチャーしてやることもあるしね!是非、次回は日本のみんなにもフルスケールの今回以上のライブを見てもらいたいと思っている。

KAMELOTとして来日するのは初めてですが、トーマス自身日本の地を踏むのも初めてですか?

T:そうだよ、アジア圏に来るのもはじめてだ。とにかく楽しく気持ちよく過ごすことが出来た、凄く歓迎されているのも分かったしね。

R:個人的には食事も凄く美味しかった。他のアジアの国よりも・・・といっても他にタイしか行ったことがないんだけど。それと日本はアジアの中でも凄く西洋的だよね。

ロイは以前CONCEPTIONで来日していますがその時と比べて心境的に違いはありましたか?

R:全開はGAMMA RAYのオープニング・アクトという形だったんだけど今回はヘッドライナーだ。これだけでも気分的に大分違うし、あと6つ歳をとったわけだからね(笑)。

T:日本は当時と変わっていた?

R:違うかって言われても、当時あまりまわりを見る時間がなかったんだよな(笑)。あの時はホント日本に来て、寝て、翌朝の早朝から仕事、っていう感じだったからね。ただ気が付いたのは携帯電話が増えたという事かな(笑)。これははっきり当時とは違うし、他のどこの国とも違うね。あとは当時と同じく日本はアジアの良いところと西洋の良いところをミックスした感じだ、という印象は変わらないね。

セット・リストはベスト的な選曲でしたが、どのようにして決めたのですか?

T:基本的に割と最近のアルバムである「FORTH LEGACY」,「KHARMA」,「EPICA」という3つから、ライブ映えしそうなものやファンが聴きたがっているであろうもの、そしてファンに参加してもらえそうなものという事で選んでいったんだ。

中にはアルバム一枚通して披露するというのを期待していたファンもいたと思いますが・・・。

T:そうだね、まぁそれもアリなんだろうけど、もしそうしてしまうと「Forth Legacy」や「Nights Of Arabia」なんかが出来なくなってしまうだろ?それぞれお気に入りの曲というのがあると思うし、いわゆる“ヒット曲”というの入れなければいけないとも思うしね。「EPICA」だけにこだわってやってしまうと、逆に沢山のファンを失望させてしまうのではないかな。

今回キーボーディストとして元Yngwie Malmsteenのマッツ・オラウソンを連れてきていましたが、どのような経緯で知り合ったのですか?

R:マッツは元CONCEPTIONのギタリストのトゥーレと一緒にARKというバンドをやっているんだけど、ちょうどARKがツアーのプリプロダクションでノルウェーに来ていたときに紹介してもらったんだ。その時から凄く良いキーボーディストだと思っていたから今回電話をして誘った。KAMELOTのキーボードのポジョションというのはアルバムではずっとミロがやっているんだけど、オーケストレーションに関してはバンドのマスターマインド的な存在だから(アルバムに)別の人を入れて弾いてもらおうというのは全く考えていないんだ。ただ、ミロはツアーはやらない人なのでいつも他の人を連れて行くんだけどね。マッツは4人目か5人目ぐらいになるんだけど、いろいろな人とやって来た中でキーボーディストのポジションをオープンにして置いた方が僕らとしては都合が良いんだ。というのもこのポジションを通じてバンド外のミュージシャンとの交流が出来るからね。そうでもしないと他のミュージシャンと何か一緒にやるという機会はまず無いし、次回も他の人を捜してくるか今までやった人とまたやるかというのも特に考えていないよ。

特に新作「EPICA」はインストパートに凄く凝っていて、今おっしゃられたとおりKAMELOTのサウンドにおいてキーボード・パートは非常に重要な役割を成していますが、今後も専任キーボーディストは立てないという事ですか?

T:キーボード・パートも基本的には僕ら二人で書いてしまっているわけだし、キーボード・プレイヤーをメンバーとして迎えるとなると今のソングライティングのケミストリーも崩れてしまうし、サウンド・プロダクションの面でのミロのポジションも微妙なものになってしまうから、今現在ではこのようなやり方(キーボーディストのポジションを開けといて必要とあれば呼んできて弾いてもらう)というのを逆に“自由”と考えているんだ。


例えば新作にはタンゴの要素が入っていますが、これは誰のアイデアなのですか?

R:最初に思いついたのは僕だよ。僕は12、3歳の頃からピアノをやっているから鍵盤はある程度扱えるんだ。新作の中でも自分がMIDIファイルを使ってアイデアを持って行ったものもある。ただ、キーボードに関しては自分がやったものをミロに預けてアレンジしてもらった方が2倍良いものになるんだ。ミロはキーボードのプレイとアレンジに関してはこのジャンルでもトップの人だから任せて弾いてもらっている。
 「Lost & Damned」のタンゴの部分に関して言うと、どういった音を使うという以前に歌詞の内容的に主人公のアリエルがヘレナとの結婚を拒むというシーンなんだ。ヘレナはアリエルの子供を妊娠しているんだけど、そのことを知らないアリエルは悪魔との契約をしてしまっている自分と結婚することで彼女の人生を危険にさらしたくない、という考えでね。それでその会話の緊張をどうやって音的に強調しようか?という時に思いついたのがタンゴのアイデアだったんだ。タンゴって色んな音楽の中でも最もエロティックな音楽なじゃないかとも思うしね。その二人の口論を強調するようなサウンドは何か?と考えてタンゴを用いるアイデアを思いついた時、それじゃあバンド・ネオンを持ってこようと考えたのはサシャ(プロデューサー)なんだ。

あくまでも“音色的”にバンド・ネオンを使おうというアイデアはサシャから出たのですね。

R:そう、タンゴと言えば当然バンド・ネオンだろうとサシャが言い出したんだ。実はそれを聞いたとき僕ら二人的には「えー、ちょっとなぁ」という感じだった(苦笑)。だけど、出来たものを聴いたときには説得してもらって良かったなぁと思ったよ。

タンゴの部分の具体的な音階というか具体的なラインを書いたのもサシャなのですか?

R:違う、サシャはプロデューサーだからキーボードのラインをもし書くとしたらミロの方なんだけど、基本的なメロディーは僕らで全部書いている。それを実際にミロが彼の技術を使ってより高度で複雑なものにしてくれるということなんだ。

それでは「Lost & Damned」は曲を創っている段階から既に“あそこの部分はタンゴを使おう”というアイデアがあったのですか?

T:ヴァースの部分の(タンゴの)リズム関して書いたのはロイで、それは既に曲を作っている初期の段階からアイデアはあったんだ。それを実際にアルバムではヴァイオリンで弾くのかアコーディオンで弾くのか決まっていなかったんだけど、実際にバンド・ネオンでプレイをしようというアイデアを出したのがサシャだ。僕らの言っているタンゴ的というのは要するにリズムの話であって、後から弾いているメロディーはあのリズムではなかったら全然タンゴでもなんでもないものになっていただろう。

なるほど。どうしてもバンド・メンバーにキーボーディストがいないのにも関わらず、キーボード・パートが重要なアレンジの役割をしていると「なんだ、バンド外部の人間が手伝って創っているんじゃないか」と思われがちですが、今のお話からお二人から出てきたアイデアなんだというのが分かりました。

R:他の人に書いてもらっていたのだったらその人の名前をクレジットに入れているよ!

T:さっきも話したようにようにパーマネントなキーボード・プレイヤーがいたら僕ら二人の曲造りのケミストリーが崩れてしまうんだ。もし誰かを入れたらメンバーである以上自分も曲造りに参加したがるだろうしね。

R:例えばAL「KHARMA」のイントロはミロの名前がクレジットされている。あそこのメイン・テーマ(メイン・メロディー)になっている部分は僕らが書いたんだけど、それをミロがあそこまで広げてくれたから彼の名前をクレジットしたんだ。ちゃんと認めるところは認めてやっているバンドだからね!でもやっぱりキーボーディスト云々とまわりの人がこだわる気持ちは僕にも良く分かる。確かにKAMELOTのサウンドにおいてはかなり大きな部分を占めているからね。

今の話を聞いてこれまでKAMELOTが好きだったファンもより一層好きになると思いますよ!

R:うん、そうだと嬉しいね。みんながそういう風に色々と考えるというのも理解できるけど、作品を創るミュージシャン達は聴き手がどう受け取るかというところまではいちいち気にしていないよ!一生懸命良いものを創ろうとしてるのであって、最終的に良いものが出来れば途中の経過まではこだわっていない。

タンゴやオーケストラの部分をライブで再現するのは大変だったのではないですか?

T:イントロのSEの部分はテープを流していたけど、出来れば全部バンドで再現したいというのがあるから基本的にはキーボード一台で再現していたんだ。例えばクワイアの部分などは生では出来ないわけで・・・まぁこの辺もマッツぐらいのレベルのミュージシャンでないと難しいんだよね。

R:やっぱりアルバムに入っているものを完璧に再現するのは不可能だ。だから細かいところをかなりそぎ落としてやっていた。

T:ファンが聴いて分かるような曲の中の象徴的な部分は全て再現したけどね!

シタールなどもトーマスのギターでやってましたよね?おっしゃられるとおりアルバムよりも大分ソリッドでライブならではのサウンドでしたが、照明やバックドロップも全て相俟って壮大な雰囲気が凄く良く表れていましたよ!

T:僕としてもとにかく楽曲として良いものに聞こえていれば、と思っているから自分が弾いているバックでなっているはずの音がなくても気にならない。それよりも照明を含めた全体を見て良いと思えるパフォーマンスを提供出来ればと思っている。

R:ギターやベースで出来ないところをマッツが補ってくれている部分もあるから再現方法は色々あるんだ。

昨夜のような会場中を壮大な雰囲気に包んだライブは日本のメタル・ファンが最も好む形のヒトツでKAMELOTに期待している理想的なものでしたが、本国アメリカではどうですか?現在アメリカではどんな活動をしているのですか?

T:僕らが望む程の露出はまだアメリカではされていない。ただアメリカでもメタルやハードロックが戻りつつあって復興的な動きが出て来ているから期待はしているんだけど、日本やヨーロッパに比べるとまだまだだね。

R:現在のヨーロッパでは4万人や4万5千人規模のメタル・フェスティバルが行われているけど、5、6年前だったら全く考えられなかった。今回日本に来る二日前もスウェーデンで2万人規模のフェスティバルに参加してきたんだけど、数年前だったら「まさか!?」という感じだろ?こういうことが可能になってきているんだよ、しかもピュアなヘヴィ・メタルでね。現状ニュー・メタルと呼ばれているものが一番盛り上がってきているけども、これにクラシックなメタルが融合されて・・・つまり僕が言いたいのはメタルの時代が来たとしても80年代のものがあのまま戻ってくるとは思わないんだ。レトロなものが戻ってくるときには必ずそこにヒネリが加わっている。こういった事を考えると今のKAMELOTは凄く良い位置にいるんじゃないかな。

KAMELOTのサウンドもミクスチャーと言えばミクスチャーですものね。

T:そうだね、メタルの枠ではあるけども色々な要素を取り込もうというのは意図的にやっているしね。でもロイの声やギター・リフをとって見ても僕らなりのオリジナリティーはあると思う。

R:僕から見てトーマスは典型的なアメリカ人ではないと思うし、僕自身も典型的なヨーロッパ人ではないと思う。アメリカとヨーロッパのメタルを僕らなりにミックスして、尚かつそこに違った要素を取り入れようとやっているので結果的にかなり個性的なサウンドになっているんじゃないかな。


今回の来日公演はホントに素晴らしく、久々に視覚聴覚共にを楽しめるライブでした!が、欲を言わせてもらうともっと長い時間のショウを見たかったです。(笑)


T:ありがとう!でも、契約上は75分だったんだ!

R:与えられた時間を15分もオーバーしてプレイしたのに、でもみんなにまだ短いと言われるよ(笑)

T:ファンのために掟破りまでしたんだぜ(笑) だから次回はもっと長くやりたいよ。

R:ただ、僕らのショウはシアトリカルでありダイナミックなショウだから、きっといくら長くやっても物足りないという印象を残すんだろうな(苦笑) 贅沢な悩みだね。

T:とにかく、みんながそれだけ喜んでくれたのだからとても嬉しいよ!

会場のファンが1時間30半という時間を心から楽しんでいたからこそ、こういった贅沢な欲が出てくるのだと思います。次回も必ず来日してくれることと、もっと長い時間のショウをやってくれることを約束しくれますか?

T:その約束なら出来るぜ!初めての日本は凄く楽しめたから最高の入門式になったよ!

R:楽しみにしていてくれ!

最後に日本のファンへメッセージをお願いします。

T:ファンのみんなは僕の期待を遙かに凌ぐものだったし、とにかく楽しかった!次のアルバムでまた日本に戻ってこられるのを楽しみにしている。

R:今まで辛抱強く待っていてくれてありがとう。(日本語で)ミンナサイコー!! またみんなの前でプレイするのを楽しみにしているよ!




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