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KISSIN' DYNAMITE 「ADDICTED TO METAL」

キッシン・ダイナマイト(KISSIN' DYNAMITE)画像

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 日本デビュー作となる2nd『ADDICTED TO METAL』を7/7にリリースしたKISSIN' DYNAMITE。今だ18歳である彼らが披露する純度100%のメタル・チューンは、どれも素晴らしく、かつ往年のメタルを正統的に継承した“歌えるメタル”だ。楽曲もさることながら演奏面も非常に堂々としたもので、ライブパフォーマンスではかのウド・ダークシュナイダー(ACCCEPT、U.D.O.)のハートを射止めたというのだから、正直言って彼らのポテンシャルはCDプレイヤーから聞こえてくるサウンドだけでは図れないものだ。その根源となるのは、やはり彼らのメタルに対する情熱だろう。その思いがヒシヒシと伝わってくるシンガー:ハネス・ブラウン、そしてウド・ダークシュナイダーのインタビューを紹介しよう!


▼ハネス・ブラウン(Vo:KISSIN' DYNAMITE) インタビュー
-結成のきっかけは?

ハネス・ブラウン(以下H):僕たちはまだ若いから、もちろん学校で知り合ったんだよ。10年ぐらい前に知り合ったんだけど、2000年の初めは2つのカヴァー・ロック・バンドだった.。アンデ、シュテファンと僕が一組のバンド、アンディとジムがもう一つのバンドをやってた。その二つが2005年後期に一つになって今のラインナップでキッシン・ ダイナマイトが結成されたんだ。


-バンドメンバーの年齢は?

H:アンデは僕より一つ年上だ。僕はバンドの中でも一番若いけど、最近18歳の誕生日を祝ったばかりさ。


-現在の ドイツの音楽シーンはどうなの?

H:正直なことを言うと、オリジナルな曲をやってるバンドはほとんどいなくて、たいていのバンドはロック・バンドのカヴァー曲をやってる。だから、ドイツ語の曲より英語の曲をやってるバンドが多い、ってことだね。


-音楽をはじめたきっかけは?

H:僕たち兄弟は、僕が5歳の時にAC/DCを聞き始めたんだ!次の年、父親が僕たちをAC/DCのコンサートに連れて行ってくれてね。僕たちは父が聞いてたACCEPT、SCORPIONS、MOTLEY CRUE、GUNS N' ROSES、AEROSMITHとかのCDも好きだったから、これらのバンドからも影響を受けてるんだ。


-楽器歴は?

H:6歳、7歳のときに楽器を始めて、すごくやる気に満ちていたね。バカみたいと思われるかもしれないけど、AC/DCのコンサートに行ったときに僕たちはお互いにこう言い合ったんだ。「クールじゃん。いつか僕もああいうことをやって、大観衆の前に立ちたい」ってね。アンディとジムもIRON MAIDENのコンサートを見たときに同じことを夢見たんだ。
 僕たちの父親は若いときにギターを弾いてた。音楽の趣向ということに関しては、もちろん僕たちみんな親の影響を受けてるよ。みんなプライヴェート・レッスンを受けてるけど、僕たち兄弟が最初に習ったコードは父親に教えてもらった。


-バンド名の由来は?

H:それは、おもしろいエピソードなんだ。僕たちは何時間も、何日間もバンドの名前を捜していて、途方に暮れていたんだけど、ある日ミーティング中にアンディの携帯電話が鳴って、その着うた(R)がAC/DCの古い曲"キッシン・ダイナマイト"だったんだよ。それで、このタイトルは僕たちの音楽への姿勢を最高にうまく表現してる、ってことでバンド名になった。


-2008年にリリースした1stアルバム『STEEL OF SWABIA』のことを振り返ってみてどう?

H:15、16歳でメジャー・レーベルからデビュー・アルバムをリリースできるなんてスゴイよね!あの作品は2007年の終わりから2008年の始めにかけてプロデューサー・チームとフレンスブルクでレコーディングしたんだ。リアクションは本当にポジティヴで嬉しかった。批判的なコメントはほとんどなかったね。僕たちは若いからシリアスに受け止めてもらえないんじゃないかと心配してたんだけど、そういうこともほとんどなかった。


-デビューしてからの生活は変わった?

H:あんまり変わってない。とはいえ、学校にファンがいる一方で、僕たちを嫌いな連中もいるんだけど、別にかまわない。何をやっても、必ずねたむ人がいるからね。それから、もう一つ変わったことは時々コンサートとかのために学校を休まなきゃならないことがある、ってことだね。


-2ndアルバム『ADDICTED TO METAL』の製作はいつからはじめたの?

H:『STEEL OF SWABIA』リリースのすぐ後に曲を書き始めたんだ。曲作りに1年以上かかって、ベストな作品だけを選んでやっとレコーディングを始めた。特にコンセプトはなくて、ただ自分たちの限界に挑戦してもっとヘヴィな曲をやろう、って思ってた。レコーディングの正確な日数は分からないけど、全てを完成させるまでに1年はかかった。学校があるからレコーディングは週末や休日にやったからね。唯一大変だったことは、自分たちにもっと磨きをかけたいという目的を達成することだった。僕たちは大きな野望を持ってるからね!


-音楽的にだいぶ成長しているよね?

H:そう、その通りだと思う。僕たちは経験を積んだから前より全然うまくなった。曲も平均すると前作よりちょっとヘヴィになってるしね。


-新作で特に注力した点はどこ?

H:ミュージシャンは誰でも新作を前の作品よりあらゆる面でベターにしたいと思うものだけど、僕たちは主により強力な曲を作ることにフォーカスをあてたんだ。サウンドがベターになったのは自然な進化だと思うね。


-曲のヴァリエーションも広がったよね?

H:そうだね、みんな同じ感じの曲ばかりにはしたくないからね。もっと幅を広げるために今回はバラードも1、2曲入ってる。僕は曲を書くときは、いつも世界一すばらしい曲を書いてやるぞ、という意気込みで書いてるんだ。毎回毎回ね。


-ウド・ダークシュナイダーと出会ったときの事を教えてくれる?

H:ウドはドイツのフェスティヴァルで後ろのほうから僕たちを見ていて、僕たちのパフォーマンスに感動してくれた。その後、3時間一緒に話したら、彼の“ドミネイター・ワールド・ツアー”に参加してほしいと言われたんだ。2009年12月にいくつかのショウに参加したんだけど、ウドをフィーチャーした曲もやろう、っていうアイディアが生まれた。彼もすっかりやる気になってくれて、2010年1月に遂にスタジオに立ってくれたんだ。彼と一緒に仕事ができるなんてスッゴイことだと思ったよ!だって、彼は全然難しいことを言わない人で、メタルの頂点に立った人間なのに全然普通で、全く横柄なところがないんだから!
ウドのオープニングを務めたのは2009年で、本当に楽しかった。彼は僕たちのヒーローのうちの一人だから、彼と一緒にコンサートができるなんて最高に良い気分だった。オーディエンスもすばらしくて、僕たちが曲を全部演奏し終わった後、もっと聞きたいと言ってくれたんだ。


-新作でDAMN YANKEESの「High Enough」をカヴァーしているけど、なぜこの曲を?

H:この曲はもちろん前から知ってた曲だ。チェコの“マスターズ・オヴ・ロック・フェスティヴァル”で去年、あの曲を演奏して好評だったんで、すっかり乗り気になって家に帰った。で、ツアーバスに乗ってるときラジオからあの曲が流れてきてもっとポジティヴな気分になって、この魔法みたいな一瞬を大切にしたいと思って、カヴァーすることにした。


-新作のタイトルを『ADDICTED TO METAL』にしたのはなぜ?

H:バンドを始めた当初から音楽は僕たちにとって最大の趣味だったんだけど、今は趣味から情熱に進化した。メタルへの情熱がさらに進化して中毒になったんだ。僕たちは日を追うごとにこの仕事がより好きになってる。だから、“メタル中毒”っていう意味のタイトルの曲は僕たちにぴったりなんだ。これをアルバムのタ イトルにも選んだのは、強力な響きがあるフレーズで、音楽に対する僕たちの意欲をうまく言い表してるからだよ。


-ジャケットのアイディアは、バンドの“ANVIL”から?

H:そうじゃないよ。ニュー・アルバムをリリースする前、タイトル・ソングをプレイしたときに、ステージに巨大な“アンヴィル(金敷)”をおいて、ローディがそれを打ってる、という演出をしてね。これがすごくウケたんで、アルバム・カヴァーにアンヴィルとハンマーを使おう、ということになったんだ。で、アンヴィルの上にいる僕たちが振り下ろされるハンマーから逃げてる、つまり危険から逃げだそうとしてる、というアイディアが出て、おもしろいからそれでいこうということになった。


-今のリスナーに何か伝えたい事ある?

H:ヘヴィ・ロックが戻ってきた!!! これが僕たちのメッセージだ。僕たちは単なるミュージシャンじゃなくて、若本たちをヒップ・ホップからハード・ロックに改宗させるロックの伝道師っていう感じなんだ。布教活動はうまく行ってるよ!80年代のロック・バンドのライブを実際に体験してこのジャンルの音楽が消滅しちゃうんじゃないかと恐れている大人たちにとって、僕たちは希望の光であり、ポップ・ミュージックとかつまらない粗悪な音楽に嫌気がさしてる若い人たちにとっては真新しい特別な存在なんだ。こういう僕たちの思い入れをリスナーたちとしっかり分かち合いたいと思ってるね。


-新作のヨーロッパでのリアクションはどう?

H:今度もすばらしくて、僕たちは正しい方向に進んでいると確信できた。僕たちはもちろんコンサートもやってるけど、学校があるから週末にしかできない。来年はみんな学校を卒業するから本物のツアーができるよ!


-他の若手メタル・バンドについてどう思う?

H:BLACK TIDEはMETALLICAのコピーっていう感じだけど、僕は良いバンドだと思う。Sturm und Drangは素晴らしいけど、シンガーを変えたらもっと良くなると思うね。STEEL PANTHERは最高だよね。でも彼らはもう30歳を超えてるんだよ!


-今後の予定は?

H:僕たちがやってる音楽でできる限り大きな成功を収めたい!可能かどうか分からないけど、一度はスタジアムいっぱいの観客の前で演奏したい、それが僕の大きな夢だ!音楽とともに音楽による人生を生きたい!そして、もちろん早く日本に行きたいよ!!!


-日本のファンにメッセージをお願いします。

H:僕たちの音楽を僕たちと同じくらい大好きになってほしいなぁ。このジャンルの音楽と特別な波長に対する愛着を理解してもらって、将来もっとメタル中毒者が増えてほしい。僕たちのレコードを買って、聴いて、メタル中毒になってね!君たちのすてきな国でみんなに早く会えますように!





▼ウド・ダークシュナイダー(ACCEPET、U.D.O.) スペシャル・インタビュー



-KISSIN' DYNAMITEとの出会いを教えてください。

ウド・ダークシュナイダー(以下ウド):ドイツのフェスティヴァルで彼らを観たんだ。すごく若いのに、あれだけの音楽を既にステージでやっているというのが、俺から観てもエキサイティングだった。ああいうバンドを目にするのは久しぶりだったよ。人を楽しませる術を心得た連中だ、と思った。
 もちろん、最初は向こうから依頼があったんだよ。やってもらえるか、とね。そして"Addicted To Metal"という曲を送ってきた。それを俺が気に入ったんだ。俺自身のアルバムに入っていてもおかしくない(笑)。というわけで、是非、と返事をした。たまには、そういうのもやってみたいからね、その・・・ゲストで歌う、というのも。もちろんそのバンドが気に入れば、の話だが(笑)。そしてスタジオに出向いて歌ったわけだ。今のところ、聴いた感じでは非常にうまくいったんじゃないかと思っている。


-どうしてこの曲を歌うことにしたんですか?

ウド:まずは彼らに曲を聴かせてもらった。当然、俺からすればこれは80年代メタル・・・クラシック・メタル的なものだ。若い連中がこういう曲を作っているんだから、面白いよね。こういう音楽が復活してきているというのも、見ていて興味深い。それもあって、やってみようと、これを歌ってみようと思ったんだ。


-あなたが音楽を作り始めたのはいつで、当時はどんな様子でしたか?

ウド:あぁ、俺も早くからやっていて、始めたのは14歳だった。ただし最初は歌ではなく、キーボードだったがね。当時はこの手の音楽もメタルとは呼ばれておらず、ハード・ロックと呼ばれていて、顔ぶれとしてはTHE ROLLING STONES、JIMI HENDRIX、DEEP PURPLE、AC/DC・・・といったところ。ある意味、俺がやったことも同じさ。自分の信じることをやり続けたまでだ。それが一番重要なんだと思う。国際的に名を馳せるバンドになるためには、ね。


-KISSIN' DYNAMITEを見ていて自分のことを思い出すのでは?

ウド:あぁ、彼らを観ていると若い頃の自分をすごく思い出すよ。鏡を見ているようだ。


-彼らを初めて観たのはどこで、そのとき彼らのことをどう思いましたか?

ウド:初めて会ったのは、2009年、ドイツのフェスティヴァル・・・ドイツ南部の“バング・ユア・ヘッド・フェスティヴァル(Bang Ur Head Festival )”だった。俺がバックステージ・エリアに座っていたら、バンドの演奏が聴こえてきて「誰だ、これは!?」と(笑)。俺はあんまりステージ脇でバンドの演奏を観るということはしないんだが、その時は駆けつけるようにステージに行って「何だい、このバンドは?」と聞いたんだ。それが彼らを観た最初で、ステージングにとても感銘を受けた。あれだけ大きなフェスティヴァルでのことだから尚更だ。彼らの振る舞いは実にプロフェッショナルで、大いに興味をそそられたよ。出番が終ると、俺は楽屋で彼らと面会して様々なことについて長々と話をした。そう、それがKISSIN' DYNAMITEとの初対面のストーリーだ。


-このバンドに送るとしたらどんなアドバイスをしますか?避けるべき過ちなどはありますか?

ウド:最も重要なのは・・・自分を信じること、自分のやっていることを信じること、だ。それが非常に重要。そして過ちとなると・・・、この業界には色々な人がいて、やるべきことを指図してくることもあるが、それに耳を貸すのも、ある意味良いことだけど、その中から自分にとって最善と思われることだけを採用するべきだし、誰でも信じてしまってはいけない。
難しい質問だな(笑)。俺はこの業界でプロのミュージシャンをやってほぼ・・・40年になる。とにかく自分のやっていることを信じているのなら、スタイルを大きく変えることなく、自分の音楽にこだわるべきだ。俺たちがやっているような音楽・・・へヴィ・メタルには、世界中に忠実なファンがいるんだから、そうすれば長いキャリアは可能なんだよ。他にどう説明したらいい?(笑)。


-あなたのやっている音楽やKISSIN' DYNAMITEのサウンドが今、再びトレンドになっていると思いますか?復活は近い、と?

ウド:ある意味、80年代が戻ってきているね。どうしてこういう音楽が再び人気を得ているのかについては、俺が思うに、みんなこういう覚えやすくて一緒に歌えるメロディのある音楽を聴きたがっているし、作りたいと思っているからなんじゃないだろうか。エレクトロニクス云々ではなく、コンサートに行って思い切り楽しみたいんだろう。俺たちのコンサートでもそうなんだ。15歳、17歳の子たちが、生まれる前に書かれた曲を一緒に歌っている(笑)。新しい世代が、こういう音楽を気に入っているというのは面白いね。何と言うか・・・、俺たちもラッキーだが、彼らもラッキーだ。だから、ある意味、確かに戻ってきているよ。                    

(翻訳:染谷和美)







「ADDICTED TO METAL」
KISSIN' DYNAMITEアルバムレビュー

2010.7.7release





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