ヘビーメタル、ハードロック専門情報サイトRocks On The Road

シンフォニック・ロック界のクイーン:LANA LANEデビュー10周年記念、スペシャル・インタビュー!!


『シェイクスピアが本当に示すのはそこに潜む残虐性ではなく、あくまでもヒューマニティなんだ。
LANA LANEのアルバムでも残虐なシーンを描いたのではなく、周囲の人間模様に重点を置いて描いているんだ』


-昨日は非常にリラックスした、いつもとは違う雰囲気のライブが楽しめました。かなりメロウな曲を多く選曲されているように思えましたが、意図的にですか?

ラナ・レーン(以下L):今回は10周年記念ツアーという事で今までライブでやっていなかった曲を中心にやりたかったの。今まではヘヴィな曲もたくさんやってきたからね。それと今回はDVDの撮影もしていたから、前回にリリースした内容とは違ったものにしたかったというのもあるわ。別に意図していたわけではないけど、今までやらなかった曲を集めた結果メロウな曲が集まったのかもね。


-メロウな曲はLANA LANEの楽曲の魅力を改めて堪能できるので個人的には非常に楽しめました。それと、会場には体の不自由な方が数名いらっしゃっていましたが、お気づきになられました?

L:ごめんなさい、全く気付かなかった。


-彼らにもLANA LANEの音楽は勇気や力を与えているのだと思いました。

L:とっても、嬉しいことだわ。本当にどうもありがとう。


-今回来日したメンバーをあらためて紹介いただけますか?

エリク・ノーランダー(以下E):マーク・マクライトとはもう21年来の友達でLAの高校時代から一緒にプレイしてるんだ。ほぼ全てのアルバムに参加しているし、ROCKET SCIENTISTSでもプレイしているお馴染みのメンバーだね。でも日本にくるのは’99年以来なんだ、彼は結婚して子供が出来たということもあるしLINE6という会社に勤めていてそっちも忙しいらしい。だけど10周年記念ということで今回は絶対に一緒に来たかったんだ。


-クリストファー・ギルデンロウはPAIN OF SALVATIONのダニエルの弟ですよね?どうやって知り合ったんですか?

L:クリスの奥さんと私は二人が結婚する前からの友達なの。彼女はオランダ人ジャーナリストで、私がインタビューを受けたのをきっかけに知り合ったんだけど、その後、2001年にクリスと彼女が出会って付き合い始めるのよね。実は彼女もベーシストなの。ベーシストつながりね。それからヨーロッパ・ツアーへ行くたびに彼女とクリスとで会うようになって、いつか一緒に何かやろうと話をしていたのよ。それでLANA LANEのヨーロッパ・ツアーのメンバーに起用しようと思っだんたけど、その前にアルバムに少しだけ参加してもらおうと頼んでプレイしてもらったの。そしたら凄く良かったから結局全部プレイしてもらったのよ。そこから自然に10周年ツアーにも参加してもらうようになったの。


-ペールはステージ上では非常にユニークな方ですが、オフステージでもそうなんですか?

L:そうなのよ(笑)

E:LANA LANEは2001年ぐらいからヨーロッパで人気が出てきて、ツアーに良く行くようになった。そういったときにメンバー全員がアメリカ人だと経費的にも大変だったからヨーロッパでのツアー・メンバーを探すことになって、そのときペールと知り合い2001年のツアーに参加してもらったんだ。凄く良いギタリストだったから次のアルバム「PROJECT SHANGRI-LA」でもプレイしてもらいたかったんだけど、ちょうど9.11事件が起きたころで飛行機に乗るのを嫌がっていたんだ。だから結局いつものマークとニール・シトロンに落ち着いたんだけどね。2002年の僕の「MUSIC MACHINE」アルバムでは僕がヨーロッパに行ったから参加してもらえたんだ。その後の2003年、2004年のツアーにはちゃんと飛行機にも乗れるようになって(笑)、今に至る。


-ペールはしっかりと曲を覚えてくるギタリストですか?

L:凄く早く覚えてくれるわね。メロディーのセンスも良いし、耳もいいのよ。ソングライターが思いもつかなかったメロディーを加えてくれる。

E:たいていのギタリストはライバル意識が強いんだけど、ペールにはそれがないんだ。2001年に初めてツアーしたときにバラード・コレクションから「When Time Stood Still」をやったんだけど、アルバムではニールが弾いているソロを「これはニールのソロが完璧だから全くこの通りに弾く」と言って一音一音おなじフレーズを弾いてくれた。ペールのソロに対するアプローチは他のギタリストが弾いたものよりも自分が上手くやれると思えばやるし、そのままで良いと思うものは全く変えない。エゴというものがまったくないギタリストなんだよな。


-弾き方がマイケル・シェンカーっぽいですが。

L:彼はマイケル・シェンカーの大ファンなの!

E:2003年と2004年のヨーロッパ・ツアーにはヴォーカルのケリー・キーリングが参加していたんだけど、ケリーはマイケル・シェンカーと一緒にアルバムを作ったことがあるだろ?マイケルをギター・ヒーローと崇めているペールにとってケリーと一緒にプレイできることは凄く光栄なことだったらしいね(笑)。



-では今回のライブDVDにはしっかりとギタリストの姿も映るのですね?

L:(笑)・・・もちろん、今度こそは本当のライブパフォーマンスよ!

E:そのとおりだね(笑)

-さきほどアルバム毎に新しいことにチャレンジするとおっしゃっていましたが、10周年を記念する新作「LADY MACBETH」でもコンセプト・アルバムに挑戦していますが、これは10周年としての挑戦だったのですか?

L:そうね、10周年という事でこれまでとは違うもの、特別なものを創りたいということだったの。コンセプト・アルバムと言っても文学史上良く知られている有名な物語の登場人物を取り上げたからファンにとっても共感しやすいと思うわ。私も実際にある物語を土台にして曲創りをしたからすごくイメージしやすかったし。逆にこれが物語から創らなければいけなかったら大分雰囲気は違うものになったかもしれないけど、有名な人物を取り上げることによって新しいファンにも以前からのファンにも、より親しみやすい内容になると思ってマクベス夫人を取り上げたのよ。


-物語は悲劇的な内容ですが、楽曲も非常に感傷的なものが多いと感じました。

L:そうね。確かにマクベス夫人は"悪い"ことをしたんだけど、それを"悪"という観点から捉えるのではなく、正気を失い"狂気の世界にいた"という観点からみて曲創りをしたの。当然ながら私の中の常識ではこんなことは起こりえないことだから感情移入することは難しかったけど、あくまでも正気を失っていた彼女のことを観点におきたかったの。


-彼女のことを歌ってみて、ご自身でも共感できてしまうことはありましたか?

L:やっぱり理解しようとはしたわ。例えば「Shine On Golden Sun」なんかは悲劇の中にいるけども一路の希望を持っているという内容の曲なの。彼女は確かに悪いことをしたんだけど、その罪に気付いたが故に気がふれてしまうわけ。そこには彼女の人間らしさみたいなものがあって、本当にマクベス夫人が"悪"で自分のやったことに何の悔いもなかったら平気でいられたわけでしょ?罪を犯してしまうときには分からなかったんだけど、後からその罪の重さに気付いたときには遅すぎて結局命を絶ってしまうんだけど・・・。だから、夫人のこのほんの少しの人間らしさを捉える事が出来たと思うわ。

E:これは「マクベス」に限らず、シェイクスピアが書いた物語すべてに言えることで、「ハムレット」や「ロミオとジュリエット」など確かに悲劇が多いけどシェイクスピアが本当に示すのはそこに潜む残虐性ではなく、あくまでもヒューマニティなんだ。たとえば「マクベス」にしても本当に要約した話だけを見てしまうとデス・メタルが取り上げそうな物語だ。でも、そうじゃないんだ。例えば話の中で殺しがあったとしても、殺しの残虐性に焦点をあてているわけではなく、何故そういったことが行われてしまったのかだとか、その結果まわりの人々にどのような影響を及ぼしたのかといった人間模様を描いている。「マクベス」の原作を読んでも、殺害シーンはまったく描かれていないんだ。「マクベス」でも実際に王の部屋に入って、そのような行為を行い部屋を出てくるぐ、らいのことしか書かれていないんだ。これがシェイクスピアの物語の特徴であるから、今回のLANA LANEのアルバムでも残虐なシーンを描いたのではなく、周囲の人間模様に重点を置いて描いているんだ。


-夫人のいろんな心境を描くために楽曲も非常にバラエティーに富んでいますが、「Summon The Devil」なんかは今までにないヘヴィなグルーブを持っている曲で、ロニー・ジェイムス・ディオが歌ってもおかしくないような曲ですね。

L:そうね!確かにあの曲ではそういった要素が必要だったからケリー・キーリングのヴォーカルをバックコーラスではなく、ほとんど私と同じレベルで前面に持ち上げて曲のヘヴィさを出したのよ。

E:これは過去の名曲からインスパイアされて創った曲なんだ。ひとつはツェッペリンで、もうひとつは実はRAINBOWの「Stargazer」だったんだ。


-アルバム中に唯一「The Vision」というインストが入っていますが、これはどんなことを表現しているのですか?

E:歌詞がないと言えばインストかもしれないけれど、声は入っているから厳密に言えばインストではないかもしれないね。これは「マクベス」の劇中で夫人がいよいよ頭がおかしくなってしまうときに医者や牧師を呼んで何とか取り戻させようとするんだけど、結局ダメで完全に狂気の世界へ行ってしまう。この様子を描いているんだ。曲中のラナとマーク、ケリー・キーリングがやっているクワイアは、狂った彼女の頭の中でなっている"音"を表現しているんだ。


-先ほども次の10年も新たに頑張るとおっしゃっていましたが、具体的にやってみたいこと、計画していることはありますか?

L:具体的にどう、というのはあまりないけども私としてはいつか本物のオーケストラと一緒にやってみたいわ。あとはせっかくだからこのアルバム「LADY MACBETH」を全編ライブで再現してみたいわね。


-最後に日本のファンへメッセージを下さい。

L:(大きな投げキッスの連発と共に)本この10年間サポートしてくれ、私を成長させてくれ、夢をかなえてくれた皆さんに本当に感謝しています。そのほんのささやかなお返しとして自分には音楽があるのだと思うわ。本当にありがとう!

E:音楽が成立するには2つの要素が必要だ。それはアーティストとリスナーで、このどちらかが掛けても成立しないものなんだ。やっぱりLANA LANEの音楽が成り立ったのは本当に日本のファンのみんなのおかげで、それが'95年に始まり2005年の今も続いている。ずっと日本のファンが支えてきてくれたんだ。おかげでヨーロッパにも、北米、南米にも、そして世界中に広めることが出来、本当に大きな"アリガトウ(日本語で)"を言いたい。




home album review interview alive&kickin' release info catch the move A to Z links mail
Copyright (C) 2001-2005 ROCKS ON THE ROAD All Rights Reserved.