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◆摩天楼オペラ・インタビュー

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摩天楼オペラ:アルバム『Justice』詳細画像


◆アルバム『Justice』レビューへ

-まずはそれぞれのバックグランドを探っていきたいのですが、苑さんはどんな音楽を聴いてこられたんですか?

苑:はじめX JAPANを聴いてバンドをやりたいと思いました。そこからLUNA SEAさんやPENICILLINさんだったりを聴いて、それと平行してHELLOWEENやANGRAなんかも聴いてきましたね。

-ソングライターやシンガーとしての影響は?

苑:ソングライティング面ではYOSHIKIさんで、シンガーはB'zの稲葉さんです。

-続いてAnziさんはイングヴェイと…

Anzi:そうですね。ヴァイオリンを習っていたのでクラシックが一番根本にあると思います。でも実はそんなにクラシック音楽にハマることはなかったんですけど、高校生の時にたまたまヘヴィ・メタルというジャンルを友人に教え込まれて、その中で聞き覚えのあるクラシックの旋律が凄く不良的に奏でられているのに触れてカッコイイと思いギターを始めました。親には最初、電子楽器をやることに反対されたんですよ「そんなウルさいのダメよ」てな感じで(笑)ただ、反抗期だったので「買って帰ってしまえ」みたいな。

-お坊ちゃまだったんですね?(笑)

Anzi:いや、そういうわけではなかったんですけど、父がクラシックが好きで何か楽器を習わせたかったみたいですね。

-具体的に“不良感”を感じたアーティストは誰でした?

Anzi:メタルにハマッたきっかけはIRON MAIDENだったんですけど、ギターを本格的にやりたいと思ったのはやっぱりイングヴェイ・マルムスティーンですね。

-ヴィジュアル系バンドからの影響は?

Anzi:僕はLUNA SEAさんが好きでしたね。特にSUGIZOさんはヴァイオリンも弾かれてクラシック育ちだと思うので、近いものを感じ影響を受けました。

-彩雨さんはいかがですか?

彩雨:僕が音楽をやり始めたのは小室哲哉さんがきっかけでした。その時は自分ひとりで音楽を作ってインターネットで発信していくという面白さに目覚めて…、なので当時は自分がまさかバンドをやることになるとは夢にも思っていなかったですね。その後はゲームや映画の音楽が好きになって行って、バンドに目覚めたのはもっと後です。クラシックも好きですね。

-キーボードのアレンジや音作りの影響も小室さんから?

彩雨:摩天楼オペラに関しては小室さんももちろんですが、Janne Da Arcのkiyoさんだったり、NIGHTWISHとかWITHIN TEMPTATIONなんかの海外のシンフォニック・メタル・バンドからの影響も受けています。

-NIGHTWISHの新作は聴かれました?

彩雨:聴きましたよ!今日の電車の中でも聴いてました(笑)今回は凄くミュージカル風で、前回よりも更に凝った内容でしたね。

-シンガーがターヤからアネットに代わっていかがでした?

彩雨:コアなファンの方はターヤ時代が好きって言いますが、僕はアネットに代わってからの方が好きですね。

-燿さんはいかがですか?

燿:一番最初の入りはJ-POPで、コピーとかしていたんですけど、その後洋楽を聴くようになった時はBON JOVIやMR.BIG、DREAM THEATER、ANGRAあたりですかね。この辺のアルバムを高校生の時に聴いてカッコイイなって。ベースのスタイル的にはDREAM THEATERのジョン・マイアングが好きで…、だけど“コピーしようとしたけど出来なかった”みたいな(笑)

-ベーシストとして他に誰から影響を受けていますか?

燿:MR.BIGのビリー・シーンとか、ANGRAの最初のベーシストだったルイス・マリウッティとかですね。

-悠さんはいかがですか?

悠:ドラムを始めたのはX JAPANのYOSHIKIさんがきっかけでした。それからヴィジュアル系を聴いているなかで“もっと激しいのはないか?”って言っている時に、友達がMETALLICAを持ってきて…。今でもMETALLICAはすごい好きで、ドラムを叩いているラーズ・ウルリッヒは神だと思っています。顔で叩くドラムですよね(笑)ただ、自分の中でずっと一番はHELLOWEENで、やっぱり『Keeper Of The Seven Keys Part2』は大好きですね。これを越える好きなアルバムは多分もうないと思っています。ドラマーとしてもそこに在籍していたインゴ・シュヴィヒテンバーグやウリ・カッシュの影響が大きくて、2人のフレーズはよくコピーしました。

-マイケル・キスクとカイ・ハンセンがまた組んで新しいバンドを始めましたよね?

悠:堪らないですね。僕、HELLOWEEN好きなんですけど特にマイケル・キスクが一番で、2年前に苑とAVANTASIAの来日公演(マイケル・キスクも参加)を観に行ったんですけど、ヤバかったですね。

苑:カイ・ハンセンも良かったね。

悠:カイ・ハンセンは俺、前にも観たことあったけど、あのオーラは凄かった!

-皆さんのルーツとしてヘヴィ・メタルが共通しているみたいですが、バンドを結成する時にメタル・サウンドをやろうと目論んでメンバーを集めたんですか?

苑:意図的にではないですけど、悠がメタル界隈で活動していてそこのつながりが多かったので自然と集まった感じですかね。

悠:Anziと彩雨は後から入ったんですけど、Anziとは摩天楼オペラをやる前にも一緒にやっていました。摩天楼オペラを結成するにあたっては、これまた他でバンドを一緒にやっていた燿に声をかけて…。最初は「ベーシストいない?」って聞いたんだよね?

燿:そう。3週間ぐらい探したんだけどいなくて、「じゃあ、俺?」みたいな感じでした(笑)

悠:まだ燿に対して敬語だった頃だね。

全員:(爆笑)

Anzi:気持ち悪い、ソレ(笑)

悠:(笑)そんなやり取りがあって集まりました。結成時はヘヴィなサウンドと、キーボーディストがいるのできれいな音楽とを融合しようと考えていて、それに“摩天楼オペラ”というバンド名も相まった感じですね。

-具体的にバンドのコンセプトを教えていただけますか?

苑:まさにバンド名が示しているんですけど、現代を象徴する“摩天楼”は今の時代の重たいロックサウンドを、昔からある“オペラ”はクラシックやピアノのようなきれいなサウンドを表していて、この2つを融合させるというのがコンセプトです。

-今回、メジャーデビュー後初のフルアルバムということで、初めてフル尺で摩天楼オペラの世界を表現できる機会でしたが、作るにあたって何か特別な思いはありましたか?

Anzi:本作の制作にあたっては、楽器隊の各パートのプレイが“立つ”アレンジにしようというコンセプトがありました。というのも、今のバンドシーンに元気がないのは“バンドヒーロー”がいないことが原因だと思うんですね。なので俺たちがヒーローになってやろうと。ただ単にヴォーカルを立てるだけのバックバンドにならないように、良い意味でサウンドで喧嘩をするよう各プレイヤーが引き立ったアレンジで楽曲を創り上げる、というテーマが根底にありました。

-苑さんはシンガーとして新たなチャレンジはありましたか?

苑:今までは、きれいに歌いあげたり、シャウトしたり、ファルセットを使ったりと、歌唱テクニックを使い分けることで表現の幅を出していたんですけど、今回は低音から高音までレンジを広く使って色んな表現をしようと意識しました。この結果、感情をより豊かに表現できるようになってきたかなと感じています。

-彩雨さんはキーボードパートで新たな試みはありましたか?

彩雨:ちょっとマニアックな話になるんですけど、“音の距離感”を意識しましたね。シンセサイザーなので今まではリバーブのかけ具合とかで広がり方を処理してきたんですけど、今回は大元のサンプル音源の時点で、オフマイク/オンマイクを使い分けたり、マイキングの位置を調整して音作りをしていったんです。耳にぴったり張りつくような音ではなく、自然な広がりが出せるようにエンジニアと相談しながら作っていきました。なので壮大感が今まで以上に出ていると思います。

-悠さんはどうですか?

悠:ツーバスの曲が多いんですけど、中でも8曲目の「AGE」では“遅いツーバス”にチャレンジしています。作曲者のAnziに「このぐらいのツーバスをちょっとやってみて」と言われたんですけど、結構すんなりできたので新境地みたいなものが開けたのかなと。

Anzi:「これ普通のヤツがやったらハネちゃうぞ!こういうツーバスが叩けるのは俺しかいねぇ!」ぐらいのことをポロっと言ってました(笑)。

-確かに悠さんのドラムは非常に重心が下にあって安定していて、マイク・テラーナというドラマーのスタイルに似ていると思ったんですが…

悠:あ、めっちゃ好きです(笑)マイク・テラーナとかヨルグ・マイケルとかは凄く好きでコピーしましたね。なかなかあういうドラムを叩ける人って日本では少ないんじゃないかなと。“いない”とは言いませんよ(笑)

Anzi:マイク・テラーナか、ヨルグ・マイケルか…

悠:俺だ、でしょ(笑)

Anzi:大きく出たね、それ(笑)

悠:あんな太い音はなかなかね(笑)後は、11曲目の「ニューシネマパラダイス」という曲はガラっとテンポチェンジをして、イントロとサビは同じテンポだけど曲中はぜんぜん違うんです。今までもテンポチェンジのある曲はあって、どれも理にかなっている変化だったんですが、この曲に関しては各パート毎に一番気持ちいいテンポでバラバラで作ったので結構なチャレンジでしたね。レコーディングの時もここは途中で止めずにそのまま続けて出来たので、「ヨシ!」っていう感じでした。グルーヴを崩さずに進められて気持ちよかったですね。今はライブに向けて練習をしているんですけど、この曲はやっていて楽しい。上手くいったらシメシメみたいな、「よく着いてきたみんな!」っていう感じです(笑)

-燿さんはどうですか?

燿:多分、この手の音楽をやっているベーシストってルートの音に徹している人が多いと思うんですけど、自分はJ-POP的な発想で“ベースで歌う”というところを意識してやっていて、それを今回も追及しました。プレイ面では特に一音一音に拘って弾いていて、今まであまり右手を意識していなかったんですけど、今回はツーフィンガーとかスリーフィンガーにチャレンジしています。

-歌えるベーシストはビリー・シーンか、燿さんかっていう気持ちで?(笑)

燿:いえいえ(笑)「アポトーシス」(ソロ後のBメロ最後)で一瞬だけビリー・シーンが出てきますが…。

-次はアートワークについてお聞きしたいんですけど、五芒星とプロビデンスの目があって…、これってフリーメイソンのシンボルですよね?

苑:いや、特に意識はしてなかったんですけど(笑)これは「Justice」の歌詞の最後に出てくる“Eyes Of Justice”という信じるべき自分の正義の目というのを表しているんです。けど…まぁ似てますよね(笑)

彩雨:デザイナーいわく、地球は“創世記”をイメージしているようで、彼なりのアルバム『Justice』を解釈した結果みたいです。

-『Justice』というアルバムタイトルにした理由を教えていただけますか?

苑:このアルバムの最後に作ったのが(楽曲)「Justice」だったんですが、全ての曲にうまくリンクするような大きな器的な曲になったので、アルバムタイトルもこれにしました。歌詞の内容もそれに見合うようなもので、人の数だけある“自分の正義”をいかに信じて生きて行けるかということを歌っています。

-正義を語るのって非常に難しいですよね…

苑:人それぞれの正義に流されず自分の正義を貫く、ということを歌いたかったんです。右に倣えとか、多数決に従えではなく、自分が持っている正義を信じろと。

-この「Justice」にしてもそうですが、社会に投げかけるメッセージ性の強い歌詞が多いと感じましたが意識しているんですか?

苑:今まではこういうメッセージ性のあるものより、ストーリー性のある歌詞が多かったんですけど、今回はすべて昨年の震災以降に作った曲なので自然と変わったんじゃないかなと思います。最初のシングルの「Helios」や、震災のために作った「絆」だけは意図してメッセージを込めましたが、それ以外の曲はまったく無意識でした。これを歌わないとダメなんだって、自分の中で自然に湧き出た感じですね。

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