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「歌詞はギャグだね」とかよく言われるんですけど、絶対的にギャグで作る方が難しいんです。
それこそ“波田陽区”素晴らしいなと思うんですけど(笑)。
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 SEX MACHINEGUNSはヘヴィ・メタルをやりながらメジャーシーンで活躍出来る数少ないバンドのひとつだ。サウンドこそ実力あるテクニックにより構築されたものだが、歌詞に変化球を付けるためにコアなファンから敬遠されて来たのを彼ら自身も認知している。しかしながら新メンバーを迎え復活した彼らのサウンドを聴き、こうして話を聞いてみた結果、 “ユニークすぎる歌詞”のために聴くのを避けていた自分の感性が如何に乏しいものだったかというのを実感させられてしまった。彼らなりの“音楽”を創るセンスは常人の遙か上を行くものだというのに初めて気付かされたのだ。まずは、彼らのサウンドに触れたことのない方、そしてこれまで通り彼らを応援する方全員に彼らなりの“信念”を語ってくれたこのインタビューを読んでもらいたい。



−まず話が遡ってしまうんですけども、再結成に至った経緯を教えていただけますか?

ANCHANG(以下A):再結成は・・・電話が掛かって来て、「じゃあやるか!」っていう感じですね(笑)。

−誰から最初に電話が掛かってきたんですか?

A:全員からですね。まぁ「解散するよ」っていう話が決まった時に、丁度SAMURAI.W.KENJILAW(以下KENJILAWと表記)の方も解散する予定だったので「何かやろうや、やれたらええな」的な感じだったんですけど。

−一番はじめにKENJILAWさんが電話をしたと?

SAMURAI.W.KENJILAW(以下K):電話をしました。

−それでANCHANGが皆さんに声を掛けたという事ですか?

A:いや、声は掛けなかったですね。

−自然に?

A:はい。

−SPEED STAR SYPAN JOEさん(以下SYPANと表記)は一回抜けられてますが、またSEX MACHINEGUNSをやりたいと思ったきっかけは?

SPEED STAR SYPAN JOE(以下S):やっぱりいないじゃないですか(笑)、マシンガンズの音楽は他のバンドでは真似できないし、この世に一つしか無いのでまた思いっきり暴れられたらなぁ、と。

A:もともと抜けた原因が体の限界という事だったんですが、丁度DASEINというバンドをベースにやっていまして・・・。そっちのバンドはあまり速くなかったんだよね?

S:そうです。

A:初めは速くなかったんですけど・・・。

S:そう、だんだんと速いものへの欲望に目覚めてしまって(笑)。やっぱりメタルとか速くてハードなやつをやりたいなと。

A:それで上手いタイミングで丁度DASEINが解散しましてね。ドラムの叩き方も直したんで体の方も全然問題が無くなってという事でまた一緒にやることになりました。

−初期からのファンはSYPANさんの復帰はすごい嬉しかったんじゃないですか?

S:いやぁどうっすかね(笑)。そう言って頂ければ幸せですが。

−そういう反応とかはライヴなんかで感じられたりしませんか?

S:ライヴの時は緊張するんであまり意識してないようにしているんですよ(笑)。

−ANCHANGはしばらく一人で活動されていましたが、その間もやっぱりバンドが良いなとか思ったりしましたか?

A:そうですね。「バンドやりたいな」と思いつつ丁度僕の(ソロでの)ツアー中にCIRCUIT.V.PANTHER(以下PANTHERと表記)とSYPANから電話が掛かってきたので、僕的には手を汚してないというかそっちの方で手一杯だったのでまだ何もしていなかった状態で(笑)・・・。まぁマシンガンズをまたやるという事は何となく分かっていたのですが「やるんだったらやるけど」的な事を言ってもらいまして、それでKENJILAWに電話して「マシンガンズやるけど、マシンガンズでもええかな」的な感じで集まりました。
−すでにこのメンバーでステージに出られていますが、ブランクは感じましたか?

A:もう相当あったと思いますよ。まず個人的に僕から言うと「何回もやってるから覚えてるやろ」と思ってたら意外と覚えてなくてですね(笑)。「あれ?」とかって。SYPANも過去にやっていたし、ある程度覚えてるところはあるんですけど、やっぱり勢いとかな?

S:本当です、もう全然感覚が。「出来るだろうな」と思って実際やってみると「あれ!?」みたいな(笑)。

−取り戻すのに時間が掛かったと?

S:そうですね。やっぱり凄いトレーニングして・・・このスピードまで持っていくのに結構時間が掛かってしまいましたね。

−再結成してからのシングル、「出前道一直線」と今回の「サスペンス劇場」を聴くと今までのエンタテイメント性はそのままで、さらにピュアなヘヴィ・メタル・サウンドを追求してるように感じましたが、その辺は意識されて作られたんですか?

A:まぁ結果から言うとあまり意識はしてないですよね。って言うのは、今回とにかく曲をたくさん作ったんですよ。なので何がどう出来あがるかも分からなかったし・・・。バンドのスタイルも変えるつもりもなかったっですしね。KENJILAWは初めて入るわけですから彼にも「僕らのスタイルはこうだよ」っていうのを伝えて、それぞれ全員曲を作れるので作れるだけ作って来いと。で、良くても悪くてもとりあえず歌も入れて、歌詞もメロディも作ってとにかく全て形にしました。

−それぞれお一人でアレンジも全部形にしてから曲を持って来たんですか?

A:いや。そうじゃなくてデモテープ段階があるじゃないですか。その時は歌が無かったりするんですが、バンドでオケを全部作ってしまって、それに歌を入れていくという形ですね。そういうのをやってとにかく出来上がったもので、例えば「シングルとして出せる」とか「アルバムに入れてみたいね」とか、を検討した結果なんです。そう考えると、まぁ結果的には皆がヘヴィ・メタルだったのかなというか(笑)。

(一同笑)

−後にも先にもヘヴィ・メタルという。

A:はい。どっちかって言うと、もう少しとキャッチーにせんとアカンかな?くらいのところでしたね。

−出来た曲はどのくらいだったんですか?

A:アルバムも実は録り終えて、そっちの曲が11曲あるんですが、オケを仕上げたのはシングル/アルバム含めて30曲くらいですかね。その前段階のデモで「これはちょっと・・・」というのを含めたら分からないぐらい作りました。

−その中からこの2曲を選んだ理由というのは?

A:ディレクターが「これでいいよ」って(笑)。

(一同笑)

−(笑)・・・特にニュー・シングルの「サスペンス劇場」はドラマティックなアレンジをしてますよね。これを日本語を知らないヨーロッパのメタル・ファンとかが聴くと純粋に“格好良いヘヴィ・メタルだな”と思うのでは?

A:そう思ってもらえると音楽人生的にもの凄く幸せなんですけど、どうですかね(笑)。

−素直に格好良いと思いましたよ。ストリングスのアレンジが特徴的ですし。

A:初めはストリングスは無かったんですけど、「サスペンス劇場」という曲になったので「ちょっとサスペンス度数が足りないな」っていう感じで入れることになったんです。あのストリングスは生なんですけど(ストリングス奏者に)来てもらって入れました。

−バイオリン1本ですか?

A:いやいや違います。あれはカルテットですね?

−ストリングスを入れようというアイデアを出したのは誰ですか?

A:僕の方からですね。「シーケンスか何かでストリングスみたいなの入れたいな」とディレクターにチラッと話したら、「じゃあちゃんとしたのを入れようよ」的な事を言ってもらいまして。僕がお金出す訳じゃないので、ちょっとドキドキしながら言ったんですけどね(笑)。

−断られる可能性もあったんですね。

A:そうですね(笑)。

−今ヨーロッパでヘヴィ・メタルがすごく盛り上がっていて、その中にはストリングス・アレンジを施しているバンドが沢山ありますが、その辺は意識して入れたという事はありますか?

A:ちょっとマニアックな話にはなりますけど、“ヘヴィ・メタル的”に言うとアプローチの仕方が違うと思いますね。ヨーロッパ系のいわゆる様式美/シンフォニック・メタル系はちょっとエスカレートして行ってるじゃないですか。シンフォニック系は特にストリングスに留まらないというか。オーケストラまで入っちゃうような展開があって。僕らのは基本的に曲の味付けという感じの使い方なので、そういう意味では意識してないですね。逆に言うと(ストリングスが)無くてもライヴでやって成立するくらいにしたいなというような。

−じゃあライヴではストリグスなしで?

A:ちょっと悩んでるところなんですけどね。「あった方がええのかな・・・」みたいな、僕は個人的に“同期もの”を使うのがあまり好きじゃないので。

−ライヴのノリが損なわれますものね?

A:そうですね。クリックにドラマーが支配されてしまうような気がするので。

−テーマは“火曜サスペンス”ですが、どこからこのアイデアが?

A:元々は歌メロも違って、全く違う曲だったんですよね。沢山作った中の1曲にSYPANが歌ったメロディがあったんですが、それが凄く良くてそれを活かそうと思って曲を作ったんです。そのメロディ自体と何となく浮かんだ歌詞が非常にビジュアル・チックというか・・・刹那系な感じになってしまったんですが(笑)。

(一同爆笑)

−・・・なってしまったんですか(笑)?

A:そう、その歌詞の路線からどうしても外れられなくて困ったなと。まぁメロディは本当に良かったからどうにかしたいなと思ってはいたんですが、何せ僕らにしてはドラマチック過ぎるな、と。それで、ドラマチックっていう話をしていたら、俺が「えっ、ドラマ!?」って言ったんだよな?

S:そうです。

A:俺は覚えてないんですけど言ったらしいんですよ、「ドラマか!!」とか言って(笑)。そのちょっとドラマチックな歌詞に“火曜夜9時に会いましょう”って歌詞を当てたんです。「これで成立した!」みたいな(笑)。

−ドラマと言えば『火曜サスペンス劇場』だと?

A:まぁ何でも良かったんですけどね、サスペンスな感じになれば。

−劇的な展開のプロモーション・ビデオも面白いですよね。

A:あ、観たんですか。もの凄い恥ずかしかったですけど、あれ(笑)。

−ええ、皆さんの名演技を。

(一同笑)

−撮影中の秘話などありますか?

K:(撮影現場が)御殿場の山奥だったんですけど、ものすごく寒かったですね。個人的にはドレスだったんで、とにかく寒くて・・・。

A:ドレスをビリビリーッ!と破って(笑)。

K:でもやっぱり吉野公佳さんとか俳優の中原さんという方に出演していただいたんですけど、「本物はスゴイ!」と思いました。演技に入る時の切り替えがすごいなって、めちゃくちゃ感動しましたね。役者の顔にパッと変わるんですよ。目の前で見て感動しました。

−SEX MACHINEGUNSの皆さんもライヴになるとスイッチがポンと入るわけじゃないですか。その点アクターとミュージシャンも共通ですよね。

A:あ〜、でもあれはホントにスゴイよな。

メンバー一同:すごい。

A:照明さんとか入れると総勢20人くらいは部屋の中にいるんですけど、そこで「演技して」って言われても普通の人はちょっと恥ずかしいですよね。「いやいや、あの・・・、あっ、はい」みたいな。まぁ、当たり前と言えば当たり前なんですけどねプロの俳優さんなので。

−でも俳優の方から見れば、ANCHANGは「よく人前で歌を歌えるなぁ」と。

A:まぁ・・・はい。僕は恥ずかしいですけど、(人前で)歌うの。

(一同笑)

−3月2日リリースのニューアルバムも聴かせて頂きましたが、再結成第一弾として特に意識して曲作りをされました?

A:意識したという点からみると、とにかく今回は“全員参加”的であり実験的な感じで望みました。誰が何をどれだけ出来て、何が得意なのかなっていうのも僕は見たかったですしね。(アルバムの)コンセプトとかは全く無いので、とにかく曲を作って揃えてみてから、「これ有り。これ無し」とか「これ良いんだけどアルバムにはちょっと入らないな」とか話し合いを全員でしつつ創り上げましたね。

−ソングライティングは「再結成しよう」と決まったと同時にスタートしたんですか?、それとも皆さんが元々既に持っていた曲を持っちよったんですか?

CIRCUIT.T.V.PANTHER(以下P):それぞれ元々作ってたのもあったり、始まってから作り出したものもありですね。でも基本的には始まってからですかね。

−“SEX MACHINEGUN”名義でANCHANGはソロ活動されてましたが、ソロで使おうとしていた曲は持ってきましたか?

A:それは無かったですね。

−曲を書く時には“SEX MACHINEGUNS用”“SEX MACHINEGUN(ソロ)用”とを自分の中で決めていましたか?

A:決めてはいないんですけど、決めているようなところもあります。やっぱり自分の中でメンバーのイメージがあるので「こういう感じかな」っていうのはどうしても想像して書きますよね。逆にソロの時は単純にマシンガンズでは出来なかった事をとにかくしたいというのがありましたので。

−具体的にどういった部分ですか?

A:結果的にソロの作品もヘヴィ・メタル・アルバムみたいになったんですけど、僕の中では凄くグランジやオルタナちっくにしたかったんですよ。でも、やってみたら出来なかったんですけど(笑)。

−でもSEX MACHINEGUNSとは違う音になったと。

A:そうですね。ただ自分はリーダーでずっとやって来ているので自問自答ですよね、「マシンガンズってどんな感じなのかな」と思いながらやっぱり曲は作ってしまいます。“〜用”というほどではないんですが「(マシンガンズで)やって絵になる」とか「ギター・ソロはPANTHERがやるからややこしくしといてやろう」とかは考えます(笑)。

−ギター・ソロのコード進行も曲造りの段階である程度決定しているんですか?

A:大体は曲の流れっぽい(コード進行を付けている)のでそのままやるんですが。

P:スタジオで、その場のノリで弾いちゃいますね。

A:どうしてもヘヴィ・メタルなのでコード進行が似通ってしまうじゃないですか、キーを変えるぐらいしかしないし。

P:そういう時は逆に難しくしてもらえ、みたいなね。

A:「この間も聴いたようなソロやな、それ」とか言う風に。

P:やっぱり、プリプロの段階だと無意識に弾くじゃないですか。でも、そうするとやっぱり似通っちゃうんで、逆にややこしいコード進行に変えてくれると僕的には嬉しいですけどね。


−すごく失礼な言い方かもしれませんが、アルバムを聴いて“純粋に格好良いヘヴィ・メタル”なんだなと思いました。ご本人達はデビュー当時から同じスタンスでやって来てると思うんですが、自分の中で成長しているところなど自負するものはありますか?

A:正直言って僕はずっとやって来てるので、あまり変わってないですけどね。「(他の)メンバーの人達はスゴイな!」と(笑)。

−皆さんから見たリーダーは?

S:いや、すごいですよ。やっぱり天才というか毎回毎回・・・。

A:また馬鹿な曲ばっかり作って(笑)。

S:本当にあり得ないんですよね。皆それぞれ頭の中は違うと思うんですけど、更にその上をいっているような・・・パラレル・ワールドの中にいるみたいな。だからいつも驚きがあるんです。

A:“パラレル・ワールド”が驚きやけどな、俺の中では(笑)。

−ニュー・アルバムのタイトル・チューンである「Heavy Metal Thunder」なんかは凄くメタル・アンセム的で、これだけ聴くと何のおふざけも無い純粋なヘヴィ・メタルですよね。これはANCHANGの曲ですか?

A:はい。これは同じような曲作っていても色んなパターンがあるし、1曲くらいはコテコテなのをやりたいなと思ったんです。元々はコテコテ育ちで、もっと簡単なL.A.メタルみたいな感じが好きなんですけどね。でもそういった曲を作ってもなかなかディレクターが「OK」してくれないっていう。「うーん・・・」とか言われてしまうので(笑)。まぁ、それは別にレコード会社という所に所属してるから当たり前の事だと思うし、ただ逆に僕らは誰かが入ってきて「こうしたら売れるからこうしなさい」とか「曲の感じを変えて」とかは一切言われないので、もの凄い幸せですけどね。で、まぁ1曲位は逆に笑ってしまうくらいヘヴィ・メタルなものをやってみたいなと思って作ったら「OK」をもらえたという感じですね。

−「OK」はすんなりもらえたんですか?

A:そうですね。あとは時代的なところが大きいのかもしれない。多分デビュー当時にこの曲を作っていたら絶対却下されたと思うんですよ。世代が変わってしまってヘヴィ・メタルというのも今の高校生とかは殆ど知らない訳ですよね。ちょっと大人の世代になると「ヘヴィ・メタルってダサイな」っていうイメージがあったりと。だから逆に今の時代では斬新に聴こえたりしないか?と思ったんじゃないですかね。

−それを逆手にとって「Heavy Metal Thunder」だと。でも「Heavy Metal Thunder」って曲名はメタルが純粋に好きな人には、例えばアクセプトの「Metal Heart」という名曲があるように普通に成立している曲名ですよね。そういうコアな、メタル・ファンから見るとこの曲名は何の違和感も無いのかなと思いますが。

A:そうですね・・・まぁ、でもマシンガンズは本気のヘヴィ・メタル・ファンの人から嫌われますからね。「あいつ等はふざけてる」とか「インチキだ」とか言われますけど。

−そういう事に関して、ぶっちゃけどう思われるんですか?

A:でも、そう思われてもしょうがないなというか。ただ“(意図して)作っていない”んですよ、僕ら的にはね。「歌詞はギャグだね」とかよく言われるんですけど、絶対的にギャグで作る方が難しいんです。それこそ“波田陽区”素晴らしいなと思うんですけど(笑)。だから生活感も出しつつ普通に(メタルを)やっていたら、ウケていたというか・・・ANTHRAXとか好きだったんでね。彼らの歌詞を見るとろくでもない曲ばっかりじゃないですか?、S.O.Dとかになると「そんな歌詞はねぇだろ」みたいなのがいっぱい出てきたりとかして。遥か昔の話ですけど、そういうのを日本でもやったらええのになとは思っていました。

−例えば“SEX MACHINEGUNS”ではなく違う名義で純粋なメタル・アルバムを作りたいなと思ったりしたことはありますか?

A:あります?。

P:多分真面目にやってもこうなるんじゃないですかね(笑)。まぁ、ここまでにはならないと思いますが基本的には真面目に出来ない・・・もちろん今も真面目にやってるんですけど(笑)、そういう“音楽的なもの”にはならないと思いますね。

−例えばコアなメタル・ファンを唸らせるようなアルバムを作ってやろう!とか、俺達はここまで出来るんだぞみたいなものは。

P:いや、作ってるつもりなんですけどね・・・。

(一同爆笑)

A:まぁだから実力的にはしょうがないかなというか。

P:そうですね、これが限界で(笑)。
−テクニック的にも十分唸らせるものを持ってるバンドだと個人的には思いますが。

A:純粋な(真面目な)ヘヴィ・メタルというのもどうなんですかねぇ。まぁ僕らからすると先輩方とかはいっぱいいましたが、正直言って歌詞がすごいダサイなと逆に思ってたんですよ。「ちょっと違うんじゃないかな?」と思ってやって来た結果がマシンガンズ・スタイルになったのかもしれませんね。

−ダサイなと思ったのはいわゆる(80'Sの)ジャパメタですか?

A:そうですね、曲自体はけっこう好きなんですけどね。まぁ時代背景も絶対にあると思うんですが、当時はわりと世界的に平和だったので、逆に“呪われたドクター”とかが出てきた方が良かったのかと。別にヘヴィ・メタルに限らずフォークソングでも何でもそうですけど、当時は当たり前だったけど今昔の曲を聴くとちょっと笑ってしまうみたいなね。44MAGNUMとかでも最後のサビが“暗い部屋〜♪”とかだったり。「おかしいと思うんやけどな、これ」と思いながら僕は聴いてたんですけどね(笑)。
−そういった感性が今のANCHANGを作ったんですね。

A:そうですね、そうなってしまったんですかね。でもまぁ僕と比べると当時の人達は格好良いのでそれはそれでアリなんですけど、俺のは格好良くないので。どっちかって言ったら“みかん食べろ”みたいな感じの方があうのかな、と(笑)。

−でも昔のジャパメタの方達はやっぱり“外国人になろうなろう”としてなりきれなかった部分はあるじゃないですか。でもSEX MACHINEGUNSの音楽っていうのは、もちろん根本にはそれを持っていたとしてもそこで背伸びをしないで等身大の姿でヘヴィ・メタルをやった結果が、この様なすごく上手い形になっているんだと思います。

A:ありがとうございます、そう言って頂けると(笑)。でもそうですね、それはあるかもしれないですね。逆に背伸びをしてる・・・というか真似っこに見えてしまったのかもしれないですね“ジャパニーズ・メタル”=“(外国人の)真似”みたいな。逆になんか“ジャパニーズ”じゃないような気がした覚えはありますよね。

K:すごいコメントですよね、まさにその通りです。背伸び出来ないんですよね我々は。

−アルバムには、STRATOVARIUSやIRON MAIDENをトリビュートするような楽曲が入ってますが、最近のメタル・バンドはチェックしていますか?

A:最近のヘヴィメタル系ですか。何だろう・・・何か聴いた?

K:FIREWINDは聴きました。

P:止まってますね、SYMPHONY Xぐらいかな。

A:90年代初頭で完全に止まってるな、俺は。

−SYMPHONY Xは今でも活動してますよね。

A:SYMPHONY Xも6枚目くらいまではあるんですけど、開けてないかもしれない(笑)。

−「伝説のキャッチボール」はSTRATOVARIUS的ですよね?

A:ジャーマン系というか、まぁSTRATOVARIUSも様式美系ですけど、初めこれ(「伝説のキャッチボール」)を聴いた時は絶対ジャーマンだと僕は思ったんで。実は仮タイトルも「ジャーマン」だったですからね(笑)。

−「フランケンシュタイン」は?

A:もう「アイアン・メイデン」ですよ、仮タイトルが(笑)。「Number Of The Beast」って書こうかと。

(一同笑)

−アルバムの中でもANCHANGとPANTHERさんのギター・バトルは聴き所のひとつだと思いますが、お互いにギタリストとして意識するところはありますか?

A:僕はもうPANTHERに任せておけば良いと思ってるんで(笑)。

P:いやぁ、僕はあえて避けてる部分がありますね。ANCHANGはこう来るだろうから俺は違う感じで弾こうかな、みたいな。元々(ギタリストとして持っているもの)が違うんで、マネしようとしても出来ないですけどね。

A:キャラが違いますね。僕はもう“インチキ”なほど好きで、大したことは弾いてなくてもスゴそうに聴こえたらOKなんですけど、PANTHERはわりと丁寧な感じですね、タブ譜でこうこうなって、「えーこんなの押さえるの!?」みたいな(笑)。

P:簡単そうに聴こえて難しいんですよ(笑)。

−分かってますよ(笑)。元々どういったギタリストに影響を受けたんですか?

P:つまみ食いですね、美味しいところだけ。

−マイケル・シェンカーとか?

A:スティーブ・バイじゃないの?

P:そうですね、イングヴェイ・マルムスティーンとかポール・ギルバートとか。

−ANCHANGは?

A:僕は一番好きなのはジョージ・リンチなんですけどね。この間ESPで会ってちょっと嬉しかったんですけど。まぁ、ジョージ・リンチなんですが僕もつまみ食い系なんで、ジョン・サイクスなんかも好きですけど・・・まぁ弾けないですけどね。

−丁度ジョン・サイクスは過去の曲をやったライヴ・アルバムが出しましたけど聴かれました?

A:聴きました。まぁTHIN LIZZY時代が一番好きかなって。あとはBLUE MURDERの2枚目とかが好きなんですけどね。

−アルバムにはけっこうスラッシーな曲も多いですが、もうSYPANさんは速いツー・バスも全然平気で踏めるんですか?

S:いやぁ、決して平気ではないですね(笑)。

−テンポ的にけっこう厳しい要求があったりするんじゃないですか?

S:もうクセで踏んじゃうんですよね。

A:別に「速くしろ」って言ってる訳じゃないんですよ(笑)。「しんどかったら止めようや」って言ってるんですけど・・・まぁ(SYPANは)MEGADETH好きなんでね。

S:そう、踏んじゃうんですよ。速くてもここに入れたらちょっと凄く聞こえるかな、みたいな。もう本能的に動いてしまうんですね。必要ないところまで入れちゃったりして(笑)。

−そういうところの突っ込みはANCHANGさんが?

S:そうですね。

A:まぁそういうのはありますね。「ちょっとデイヴ・ロパートみたいなの叩いて」とか言う。

S:(爆笑)

A:ドラマーの名前で言いますからね。「ニック・メンザ風で」とか「じゃあここはムネタカ・ヒグチで」とか(笑)。

−「ブラジルカーニバル」の楽曲は今までに無い楽曲ですが、これは最初からこういうアレンジにしようとして作った曲なんですか?

A:これは歌メロが先に出来たんです。居酒屋でSYPANと2人で飲んでたら・・・まぁ寂しい居酒屋なんですが(笑)。しかも『(某チェーン店)』でな。

S:(笑)そうそう『(某チェーン店)』で。

A:浅草のカーニバルの話になったんですよ、「あれ、なんか寒いよな」とか言いながら。それでブラジルのカーニバルが頭の中で回ってしょうがなくて、とにかく“ブラジルカーニバル♪”って言えば面白いなと思ったんです。サビのメロから作って「イントロどうしよう・・・まいったな・・・まぁ、ここはAEROSMITHやろ」みたいな(笑)。「Eat The Rich」にしようかなって。

−ベースがチョッパーしてて他の曲とは違う良いノリが出てますよね。

A:よく気付いてくれましたね!すごいですね。

K:嬉しいですね。とは言いつつも、やっぱり根底にはヘヴィ・メタルを意識しつつ弾いてるんで。

−今まで他のアルバムの曲でもチョッパーってあまり入ってなかったじゃないですか。その辺で今までと違う要素っていうのをKENJILAWさんは導入しましたよね。

K:だと嬉しいんですけど。

A:「やれ」とは言ってないですけどね(笑)。

K:こっそり。

−最後の曲に「4」という曲がありますが、これはどういった事を歌ってるんですか?

A:初めは普通に“WAR”みたいな感じだったんですよ、実際にも“WAR”と言ってますし。あとはメンバー4人だし“WAR”と“4”を掛けたり・・・。まぁ、大それた感じなんですけど世界的な状況を表していまして、日本人ってけっこう平和ボケしてるようなところあるじゃないですか。そういうのを感じつつ4人でどうなるか分からないけど探しつづけるっていう意味も含めて「Looking for」の“for”とか。ちょっと暗いけど、それでも頑張るぞ的な歌詞ですね。

−世界情勢的なことを歌うっていうのがヘヴィ・メタル・バンド的ですよね。

A:あぁ、TESTAMENT的ですかね。

−お好きなんですか?

A:めちゃくちゃ好きですね。

−ユニークなテーマを持たせるのがSEX MACHINEGUNSサウンドだと思いますが、大体曲を書く時って歌詞が先ですか、それとも曲が先ですか?

A:決まりは無いですね。ただやっぱり全員が楽器も弾けるし曲を作れるので、どうしても曲先行になる傾向はありますけどね。

−皆さん歌メロも乗せて持って来られるんですか?

A:初めは無いですね。もしくは逆に(歌メロが)あったら「鍵盤とかで打って来て」というのはあります。

−それをバンド全員が揃いアレンジをして一曲一曲を完成形にしてから選曲するんですよね。

A:はい。でも例えばPANTHERがデモテープを作って来ると完成してるんですよ、「じゃあ、そのままやれば良いや」って。KENJILAWの場合は、完成はしてるんですけどちょっとプログレ傾向があって。やっぱりどうしても楽器が好きなのでインスト寄りになりがちですよね。楽器だけでやると格好良いんですけどそれでは歌が乗らないからコード進行を直したりとかキー・チェンジは無しにとか・・・そういう事をしてコンパクトにしていったりはします。

−その辺の作業って時間が掛かると思いますが、やっぱりバンドとして大事な作業だっていうスタンスなんですか?

A:いや、あまりかからんよな?

K:ANCHANGは僕の持ってきた曲のビジョンをちゃんと決めてくれるんで。ANCHANGは(持っていった曲を)聴いてしばらく「うーん・・・」って唸って考えるんですけど、そこでパンと、こう、電気がついて・・・意味が分からねぇなぁ。

(一同爆笑)

A:だからどうしても楽器が好きな人の陥る点なんですけど、歌メロの事を考えないんですよね。だから「ちょっと待ってな、KENJILAW」と言って、色々コードを弾きながら僕の頭の中でフニャフニャ、フニャフニャ歌ってるんですよ。で、「あ!これなら乗るだろう、こっちにしよう」っていうことはありますけど。でもそれはスタジオ内に全員入った状態でやるんで。

−ある程度の方向付けはANCHANGがちゃんとしてくれるんですね?

K:青写真が出来た瞬間に皆に説明してくれて「あぁ、なるほどね」っていう。そこからアレンジが始まりますね。

−メンバーの皆さんにアルバムの中で1曲ずつ一番好きな曲を挙げてもらいたいんですが?

P:「フランケンシュタイン」ですね。

S:「ダンシング課長」ですね。

K:「4」が好きです。

A:僕は「パンダちゃん」ですね(笑)。

−シングル曲を選ぶ方はいなくて、けっこう皆さん好みがバラバラですね(笑)?

A:何でだろうな(笑)。まぁ趣味が相当偏ってる証拠なんじゃないでしょうかね。

−「HEAVY METAL THUNDER」なんかは純粋にすごく良い曲だなと思いますけど。

A:まあ、ただ一つだけ言えるのは、第三者的な見方が出来ないとアカンかなとは思うんですよね。本当に僕が趣味だけで作ろうとすると、本当に“ドL.A.メタル”みたいなのが好きなので、AメロもBメロもサビも分からないような曲ばかりが出来ると思います。でもそうなってしまわないようにしないといけない。だからディレクターに意見をもらう最大の理由はそこですよね。ディレクターの人はちなみにQUEENとかが好きな人なので、ヘヴィ・メタルもちょっとは知ってるけどすごい詳しい訳ではないので、そういう人が聴いて“アリ”だと思えるものがやっぱりシングルになる可能性も高いし、アルバム収録曲も30曲並べてそこから選ぶ訳ですからね。僕らももちろん「これも良いんじゃないっすかね」と意見もするわけですが、やっぱり「趣味はこれだけど、シングル向きはこれ」っていうのがありますね。

−客観的に見るとシングル用とアルバムの曲って大分タイプが違うように思えますが、その辺は全く意識されずに両方の曲が出来てくるんですか?

A:それはもう本当にそう(無意識)です。何でも作るので、ポップな曲も。POISONみたいな曲もありましたからね。

−ちなみにそれは入れなかったんですか?

A:入れなかったです。アルバムで並べた時に「ちょっとこれ入れられんよな」とかいう場合もあるし。とにかく本当に何でも作るんですよ、ヘヴィ・メタルと一言で言ってもハードロックっぽいものからデス・メタルまでジャンルが相当あるわけだし、だから逆にマシンガンズは得なのかもしれないですね。マシンガンズだからそれだけ幅が出せるのかなみたいな。

−3月中旬から5月の頭にかけてツアーがありますが、これはどんなツアーにしたいですか?

K:一回一回全体の流れで新曲も織り交ぜつつ、一生懸命やりたいなと。あまりアルバムどうこうとかではなく、個人的には色々試していきたいなと思いますね。

−一応再結成から一発目のツアーになりますが、特に何も変わらず今までどおりの全力疾走のライヴを見せようと?

A:そうですね。まぁファンクラブとか東名阪で何回か既にライヴはやってますけど、やっぱり過去のバンドのイメージもあるだろうし。でも僕らからするとある意味イメージを一新したいところもありつつ、ある意味マシンガンズは変わらずマシンガンズだっていうところも見せたい部分もありますね。「こうしたい」というよりは、ハイロット版じゃないですけど“パイロット・ツアー”をしてみてどんな反応が得られるのか?っていう感じですかね。まぁ、とにかく一生懸命やるつもりです。でも変な話「前の方が良かった」って言う人も当然いると思いますが、それは別に間違いじゃないですし・・・でもやっぱり「こっちのマシンガンズもアリかな」とは思わせたいですけどね。

−イメージを一新したいというのは具体的にビジョンがあるんですか?

A:それはどうしても(SEX MACHINEGUNSを)知ってる人に限ってしまいますけど、僕の個人的なイメージ的には“強くなった感じ”が出せれば良いなと。「何を持って強く?」と言われると困るんですけど、それは多分演奏だけじゃないと思うんでね。やっぱり「すごい!」と思わせたいですよね。

−色々な面で?

A:そうですね。極端な話、喋りがすごいのかもしれないし(笑)。やっぱりライヴは生なんで。

−これからもライヴは大事にしていくと?

A:そうですね。自称ライヴバンドなんで。

−最後にアルバムの聴き所を“マシンガンズをまだ聴いたことのないファンへ”と“従来通りのファンへ”とそれぞれ、お一人ずつ聞かせて頂けますか?

A:さっきも言ったようにスタイルは変えてないけども絵の具の色が変わったら完成した絵はまた違うものになるのは当然だし、どんな絵かを確かめるのは見る側・聴く側の自由なのでアリかナシかを判断して頂ければすごい嬉しいです。で、初めて見る人には「ヘヴィ・メタル・バンドってこんな感じだよ」って、いまどきの音楽にひょっとしたら歌謡曲みたいなのばっかりで刺激が足りないなと思う人がいるかもしれないので、そういう人は是非こういうバンドも一回経験してみてはいかがでしょうか。

K:今までのマシンガンズを知ってる人でヘヴィ・メタルが好きな人は多分この11曲を聴いたら、いわゆる“あの時代”80〜90年代の10年ぐらいの長い期間をタイムトリップ出来るような聴き応えのあるアルバムだと思います。それと、僕はマシンガンズに後から入ったのですが、客観的に見ても音を意識しないで詞の世界からでも入りやすい音楽だと思うのでヘヴィ・メタルを知らない人も肩の力を抜いて案外すんなり入っていけるんじゃないかと思います。

S:今までも聴いてくれているファンには、マシンガンズらしさっていうのは従来の通りであり、一曲一曲に深みがあって更に家の中でヘドバンする回数が増えるんじゃないかな。初めて聴く人には、本当に聴いた事ない音楽だと思うので日頃静かな曲を聴いててもこれを耳にした時に「こんなものがあるんだ」と思うでしょう。「これは何なんだろう?」って興味を持ってくれるだけで嬉しいとですね。

P:今まで知ってる人は今まで通り聴いてもらって・・・中にはメンバーが変わったからいいやっていう人もいるかもしれませんが、それはそれで全然OKですし、単純に音を気に入ってもらえれば有り難いですね。知らない人は“ヘヴィ・メタル”って言葉すら知らない人もいると思うので、このアルバムは正に「僕らなりのヘヴィ・メタルです」っていう感じで聴いてもらえれば良いと思います。


05.3.2 New Album Release!!
「HEAVY METAL THUNDER」
SEX MACHINEGUNS

TOCT-25617



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