STORMWIND

4.23の新作「RISING SYMPHONY」リリースに先がけ、極真カラテの元スウェーデンチャンピオン
でもあるネオクラ・メタル・バンドのブレイン:トーマス・ウルフを直撃インタビュー!!

Supported by:MARQUEE AVALON
Translator:MARIKO KAWAHARA

−本サイト初登場なので、まず簡単なバイオグラフィーをお聞かせいただけますか?

トーマス・ウルフ(以下;T):OK、STORMWINDが結成されたのは'95年の事だ。当初、バンドというよりも俺のソロ・プロジェクト的に始めたんだけど、そのころ俺の中にあったアイデアは女性ヴォーカルでメタルをやろうとしていた。今でこそNIGHTWISHやEDENBRIDGEなんかの女性ヴォーカルのいるメタルは珍しくないけど、当時としてはかなり画期的だったんじゃないかな。ということで'96年に1st「STRAIGHT FROM YOUR HEART」でプロモーションとしては初めて日本に来たんだ。それから2ndにリリースした「STARGATE98」はヴォーカルも代わって、ゲスト・ミュージシャンも迎えてアルバムを創った。この時はフランスで行われた“インターナショナル・ギター・フェスティバル”にも参加してツアーもやった。2ndアルバムの特徴としてはクラシカルな大作指向で、よりヘヴィ・メタルぽくなっているね。
 '98年にはいよいよ今とほぼ同じラインナップが固定され、トーマス・ヴィクストロムを起用して「HEAVEN CAN WAIT」を創った。ここではネオ・クラシカルなアプローチをしているね。2000年発表の「RESURRECTION」に入っている「Seven Seas」はヨーロッパの飛行機の中で聴くことの出来る音楽に登録されてね。それと、日本ではこのアルバムがマーキーから出た1枚目の作品だね。このときの北欧ツアーはEDGUYなんかと廻ったりしたんだ。続く2001年の「REFLECTIONS」では、前作も一応ワールド・ワイドでのリリースだったんだけど、更にディストリビューションが広がってロシアやブラジルでもリリースされた。反応も凄く良くてね、ブラジルに初めてSTORMWINDのインターナショナル・ファン・クラブが出来たんだ!
 で、今年2003年には「RISING SYMPHONY」がリリースされるんだけど、ドラムのパトリックがYngwieと一緒にやるために脱退したので代わりにデビッドが入った。バンドのスタイル的には「RESURRECTION」あたりで既に確立されたんだと思うんだけどね。

−日本での契約を取るためにご自身お一人で来日され、レコード会社を廻られたんですよね?

T:そうだね、それが'96年だ。

−極真カラテをやられたり、ご自身で日本のレコード会社を廻られたりと日本に特別な思い入れがあるのですか?

T:俺は極真カラテにある武士道精神みたいなものに凄くひかれたし、こういう精神面ではSTORMWINDの歌詞にも反映されているんだ。だから極真カラテは俺の音楽に凄く関わりのあるものなんだよね。日本に対する思い入れは、やっぱりその極真の本部が日本にあるということで音楽以外でも何度も来日しているし、実は今回も本部に行く予定になっているんだ。カラテは20年前からやっていて、'93年にはスウェーデンのチャンピオンになった。現役はもう引退したんだけど今も週に一度はトレーニングをしているからカラテの精神は今でもあるよ!

−トーマス・ヴィクストロムの声は今ではSTORMWINDの欠かせないものとなりましたが、彼はどうやって見つけたんですか?

T:招いたんだよ(笑) ヨーロッパのミュージシャン仲間っていうのは割とみんな知り合いで、トーマス・ヴィクストロムの事も前々から一応は知っていたんだ。最初彼はSTORMWINDのサウンドを聴いたことがなかったんだけど、聴いてみたら自分の声にあっているんじゃないかと思ったらしい。なぜなら、STORMWINDの音楽は幅広いスタイルを持っていて、何でも歌いこなす彼のヴォーカル・スタイルに合っている思ったみたいだね。QUEEN風のヴォーカル・ハーモニーのアレンジなんかもきちんとハードに歌えるし・・・僕自身も彼自身も「これだ!」と思ってね、だから彼だけはオーディションをしなかったんだよ。それともう一つ大事なのは人間的にも凄く合うし、一緒にやっていて楽しい。他のメンバーの話もすると、キーボードのカスパーも凄い才能があるしヤンス・ヨハンソンの次に来るようなプレイヤーだね。
 だから、最初の2枚は割とプロジェクト的な感じでホントのプロフェッショナルなバンドっていうのはヴィクストロムが入ってからのラインナップだと思う。ていうのは彼らのようにプロで才能あるミュージシャン達と一緒にやると、仕事ながらもリラックスした環境でゆったりと出来るんだよ!

−そんな良いミュージシャン・シップがあるせいもあって、新作「RISING SYMPHONY」は過去最高のアルバムに仕上がりましたね!

T:俺もそう思うよ!サウンド面でも、曲のアレンジ面でも非常に気に入っているんだ。STORMWINDの特徴でもあるサビのアレンジも最高だよね。実はこのアルバムはコンセプト・アルバムにしようと思っていたんだけど、そのアイデアは却下して本当に良い曲、良いプロダクションのものを集めてやろうということでこうなったんだ。サウンド・プロダクション的には前作に比べるとちょっとラフに仕上げているんだけど、スタイル的にはよりストレートでダイレクトな本当の意味での“メロディック・メタル”という仕上がりになったと思う。

−そのコンセプトは具体的には決まっていたのですか?

T:実は曲にも残っているんだけど、“エクスカリバー”についてのアイデアが既にあったんだ。俺自身、古代の壮大な物語に興味があったのでこれを思いついた。結局コンセプト・アルバムにしなかったけどその片鱗が少し残っていて、「Excalibur」の他にも「Strangers From The Sea」は紀元前793年に修道院がバイキングに初めて襲撃された史実に基づいて創ったんだよ。

−先程、サウンド面でも、プレイ面でもご自身で気に入られているとおっしゃっていましたが、特に本作から加入したデヴィッドというドラマーは素晴らしいですね!ぶっちゃけて、前任者よりも良いドラマーなんじゃないですか?

T:全く同感だね!俺のみじゃなくて、他のメンバーもそう思っているよ。本当に彼はバンドに良い刺激や新しい要素を与えてくれた。特にミドル・テンポの曲では今までにない感じに仕上がったね。このアルバムの曲っていうのは、それぞれが個性を持っていてサウンドも違う。だから曲によってアプローチも変わってくるんだけども、それを彼は柔軟にこなしてくれているんだ。

−デヴィッドは全くの新人ですか?

T:いや、スウェーデンでは結構活躍しているスタジオ・ミュージシャンでもあり、確かBLACK SMITHっていうバンドにもいたんじゃないかな。それとジャズ・ロックなんかもプレイしていたみたいだね。そういうバックグラウンドがあるから、フィル一つとっても凄く面白い事をやるんだ。

−Yngwieに持って行かれてしまうと彼の良さは栄えないと思うので、絶対につなぎ止めておいて下さいね(笑

T:うん、鎖にでもつないでおくよ!(笑)

−本作にも「Touch The Flames」,「Strangers From The Sea」という強力なスピード・チューンが収められていますが、ヴィクストロムと組んでからだんだんパワー・メタル的になってきたと感じました。これは意図的にしているのですか?

T:確かにそうなんだけど、そうなったのはヴィクストロムと組んだからというのではなく俺自身の中の意識だと思う。だけど、STORMWINDの音楽は“パワー・メタル”以上のものがあると思うんだ。いわゆる“パワー・メタル”と呼ばれているバンドっていうのは俺からすると殆どポップ・バンドみたいだと思う。そういったものと比べるとSTORMWINDの音楽はもっとハードでメタリックなんじゃないかな。別に悪く言うつもりはないけどもSTRATOVARIUSの音楽はもっと洗練されて磨き上げられたサウンドだよね、でもSTORMWINDの音楽はもっとスポンティニアスでライブ感に溢れていて、スタイル的にも幅広い。だから単にパワー・メタルという言葉ではくくれないサウンドだと自分では思っているよ。

−曲はヴィクストロムが歌うことを前提に書かれていると思いますが、アルバムを重ねる毎にヴィクストロムに合うスタイルをトーマス自信が把握し、更に固まったサウンドになってきていると思いました。

T:そうだね、君の言うとおりだね。STORMWINDの曲にはバラードからハードなもの、凄く速いいかにもメタルっていう様々なスタイルのものがあるよね、でもそのどれをとってもヴィクストロムに合っていると思う。

−ヴォーカル・ラインは細かいところまで彼に指示するのですか?

T:バッキング・ヴォーカルやクワイアに至るまで、結構細かいアレンジも俺が考えているよ。

−これもSTORMWINDの魅力の一つである「Streets Of Prishtine」という素晴らしいバラードがありますが、この曲はトーマスとヴィクストロムお二人の共作とクレジットされていますね。どのようなプロセスで完成したのですか?

T:ちょっと変わった事をやってみたいと思って二人で作り始めたんだ。最初はバラードじゃなかったんだけど、結局気に入らなくてね、そのアイデアは捨ててしまったよ。でも、その後に思いついたのがバラードだったんだけど、これが凄く上手くはまってね!で、アレンジを考えているときに今回QUEENのカバーもやっているんだけど、これと同じような手法でギター・ソロの所にもクワイアを入れるという方法を思いついた。これは俺にとっては新しい試みだったね。今後のSTORMWINDの可能性をも示しているんじゃないかな。

−お二人でジャムりながら作ったんですか?

T:うん、ワイン飲みながらね(笑)

−そのQUEENの「White Man」のカバーを収録しようと思った理由を教えていただけますか?

T:実はQUEENのカバーをやるっていうアイデアは、ブラジルのファンクラブの人から提案されたんだ。僕もヴィクストロムもQUEENの大ファンでね、曲を色々選んでいて最初は「Innuendo」をやろうとした。それで少しアレンジしたものをそのファンクラブの人たちに聴かせたら、そんな新しい曲じゃなくて70年代の曲が聴きたいって言われたんだよ(笑) だったらAL「華麗なるレース」からの曲にしようという事になった。QUEENと言ったら我々の師匠とも言えるようなバンドだから、そんなバンドの曲を自分たちがアレンジして果たしてうまくいくのかどうかという不安が初めは凄くあったんだけど、まぁ俺たちは俺たちなりのメタルバージョンにして、しかもQUEENの良さを損なわないアレンジでやろうと考えて今回のような形になったんだ。ちなみに、この曲はよりQUEENらしさを出すためにというのでバーンズが出しているブライアン・メイ・モデルをわざわざ送ってもらって、それをVOXにつなげて、よりブライアン・メイらしさを出してレコーディングしたのさ!

−凄くヘヴィなアレンジですが、この曲を取り上げると決めた時から既にアイデアがあったんですか、それともバンドでやっている内にこのようなアレンジになったのですか?

T:最初からヘヴィ・メタル・バージョンにするのは決めていたんだけど、サビを変えてしまうとオリジナルの良さが損なわれてしまうからサビはそのままにして、所々でメンバーのアイデアを取り入れていったんだ。例えば一番最初のギターで始まる所があるよね?あそこは完全にブライアン・メイの完コピなんだけど、その次のソロ・セクションは俺のオリジナルなんだ。だから、QUEENのオリジナルの部分とSTORMWINDの部分というのが上手くミックスされた形のアレンジになった。

−特にデビッドのドラミングは凄いですよね!この「White Man」はカバー曲ではあるけども、今のSTORMWINDの音が良く表れていますね。

T:そうだね、同感だよ。

−「Wings Of Tomorrow」は日本盤ボーナス・トラックにしてしまっては勿体な過ぎる程素晴らしい曲ですが・・・

T:他のメンバーは本編に入れようと言っていたんだけどね。僕が嫌だと言ったんだ(笑) 実はこの曲は1stAL「STRAIGHT FROM YOUR HEART」にも収録されていて、その時は女性シンガーが歌っていたんだけどこれをトーマスの声で録音したら更に良くなるんじゃないかと思ったんだ。日本盤ボーナスにした理由は、特別な日本のファンのためだよ!

−6月に“スウェーデン・ロック・フェスティバル”というイベントに出演されるそうですが、これは大きなイベントなのですか?

T:そう、ヨーロッパで3番目に大きなロック・フェスティバルなんだ!“ロック・ハード”誌のフェスティバル人気投票では第一位を獲得するほどのものだよ。ちなみに我々の後にはWHITESNAKEが出演する予定なんだけど、他にもMOTORHEADやYESやSONATA ARCTICAとかも出るよ。このフェスティバルの前にはアルバム・リリース・パーティをストックホルムのハードロック・でカフェやる予定だから、ツアーはリリース・パーティ〜スウェーデンロック・フェスティバルの後だね。そういえば日本ではこういうフェスティバルってやらないの?来年はプロモーターと話を付けて“ジャパン・ロック・フェスティバル”をやりたいね(笑)

−地元ではライブを頻繁にやっているのですか?

T:3rdアルバム以降はリリース毎にツアーをしているんだけど最後にやったのは「REFLECTIONS」のツアーで2001年だったから、かれこれ2年近くライブはやっていないんだ。でもやっぱりSTORMWINDの真価はライブで発揮されると思う、凄くエネルギッシュだしね!近頃はテープとかを使うバンドがいるけれど、そうじゃない本物のエネルギーを出せるバンドなんだこのバンドは。

−その「REFLECTIONS」のツアーはどのぐらい位の規模のツアーでしたか?

T:「REFLECTIONS」ツアーは北欧だけだったから全部で7、8回しかやらなかった。ちなみに、その時にパトリック(前任ドラマー)が丁度イングヴェイのツアーでブラジルに行ってしまったからデヴィッドに助っ人を頼んだんだ。そこからの流れで今回正式にメンバーとして迎えることが出来た。

−スカンジナビアでライブをやるときはどの位のオーディエンスの前でプレイされるのですか?

T:大体200〜500人位なんだけど、フェスティバルの時は当然2万人位の人の前でやるよ。より多くの人に見てもらうのは凄く大事だからこういったフェスティバルには積極的に出演しているんだ。

−日本のファンはまだSTORMWINDのライブ・パフォーマンスを見たことがないのですが、どんな感じのショウをやっているのですか?

T:クレイジーにステージを走り回るよ!この辺がSTRATOVARIUSやSYMPHONY Xとは違うところだね。まぁテクニカルなソロを弾くときはプレイに集中するけども、それ以外は常に楽しもうというのが前提にあるからね!もう一つ言っておきたい事は、トーマス・ヴィクストロムというのはもの凄い優れたフロントマンだという事。QUEENのカバー・バンドなんかもやっているからライブの経験も凄く豊富だからね。人を楽しませるツボを心得ているよ、彼は。僕らも一緒にやっていて楽しい! 「REFLECTIONS」ツアーの最終日にはデヴィッドは歓喜のあまりにドラム・セットを破壊したぐらいだからね(笑) ホントに日本でショウをやりたいから、是非アルバムを買ってくれよ(笑)

−日本でもしライブをやったとしたらカラテの型を披露してくれますか(笑)

T:OK!約束するよ(笑)

−本国スウェーデンではSTORMWINDの音楽はどのぐらいの反応を得られていますか?

T:結構良いよ。「RESURRECTION」以降のアルバムはレコード・レビューなんかで10点満点中8点か9点ぐらいもらっている。そういった良い反応を得られる事もあって“スウェーデン・ロック・フェスティバル”程の大きなフェスティバルに参加することが出来たんだ。もうヘヴィ・メタル・バンドとして認識されるようになったよ。

−ヨーロッパではヘヴィ・メタル・シーンが盛り上がってきているという話を聞きますが、スウェーデンではどうですか?

T:静かな嵐が起きているという感じだね。例えば、ラジオだったらロックの専門局というのは一つしかないから沢山掛かっているわけではないけど、ライブにおいてはIRON MAIDENなんかが来ると、あっという間に3万人の人が集まったりする。今度のフェスティバルもチケットは既にソールド・アウトになっているようだね。こういった面を考えると北欧では結構メタル・ファンがいると思う。今さらなんだけど、例えばSTORMWINDの1stアルバムが'89年にリリースされていたとして、SCORPIONSの「Wind Of Change」みたいにバラードでも一発当てていたらもっと状況が変わっていたんだろうけどね。

−新作「RISING SYMPHONY」は日本以外ではどこでリリースされるのですか?

T:4月に日本先行で発売された後は、5月にヨーロッパ,ブラジル,ロシアとロシア近辺のバルトー諸国でリリースされる。だから5月、6月はヨーロッパ中をプロモーションで廻るんだ。

−STORMWINDは凄く安定した曲やアルバムを創れる数少ないバンドのひとつだと思うので、これからどんどん盛り上がってくると思いますよ!最後に日本のファンへメッセージをお願いします。

T:ありがとう、俺もそう願っているよ。日本のファンへは、これまでサポートをどうもありがとう!真のメロディック・メタルをこれからも信じて、そして「RISING SYMPHONY」を是非聴いて楽しんでくれ!!

−ありがとう御座いました!日本でのライブ・パフォーマンスをカラテの型と一緒に期待しています(笑)

T:OK!(笑)




Home Interview Menu A to Z