WITHIN TEMPTATION シャロン&ロバートインタビュー:Rocks On The Road
WITHIN TEMPTATION
 美形フィメールシンガー、シャロン・デン・アデルの表現力溢れる歌唱力をフィーチャーしたシンフォニック・メタル・バンド:WITHIN TEMPTATION。その洗練された壮大なサウンドは奇しくもEvanescenceがブレイクした後に注目を浴びるようになったものの、彼らのデビューは’97年に遡る。当時からこのスタイルを啓示してきただけあり新作「THE HEART OF EVERYTHING」は他の追随を許さないクオリティーと表現力をもった素晴らしいアルバムに仕上がっている!
 そのシャロンとバンドの創立者であるロバート・ウェスターホルトは公私を共に過す仲。気さくで常に笑いながら話をするシャロンを横でずっと見つめているロバートのバツグンのコンビ(!?)に、まずは初めてのジャパン・ヘッドライナーショウの感想を聞いてみた。



−今回は日本で初のヘッドライナーショウでしたが、初の日本公演となった昨年の『LOUD PARK 06』と比べてオーディエンスの反応は違いましたか?

シャロン・デン・アデル(以下S):やっぱり今回の方がみんな曲を知ってくれているのが実感できたわ!『LOUD PARK』では「これ何?」っていう感じもあったけどね。今回は一緒に歌ったり、拍手してくれたりとても良かった。


-日本のオーディエンスの歌唱力はいかがでしたか?(笑)

S:凄かったわ!(低い声で)"What have you done now!〜♪"って、ちゃんと歌ってくれたしね。

ロバート・ウェスターホルト(以下R):僕達の日本語よりも断然良かったよ!発音もね。


−非常にテンポ良くショーが進んでいって結局1時間半ぐらいでしたけど、いつも大体このぐらいなんですか?

S:ヘッドライナーの時はだいたいこの位よ。偶に短い時も長い時もあるけどね。

R:フェスの時は当然もっと短い。

S:そうね、フェスは大体1時間ぐらいね。


−シャロンは声量をたくさん要する歌唱法にも関わらずショウの間は全く息を切らしてなくて、まだまだ余裕そうですね(笑)

S:やっぱりライブはオーディエンスの反応が大事で、彼らから凄いエネルギーをもらうの!そのエネルギーが私のパワーにもなって連鎖反応的に良くなるのね。本当を言うと今回はかなりの時差ボケだったんだけど、皆が助けてくれたわ。


−ライブDVD「THE SILENT FORCE TOUR」を見てもしかりですが、東京公演でもメタルにしては女性のファンが多かったと思いました。世界的に見ても同じですか?

R:うん。もちろん男性も多いけど、年齢層も幅広い。14歳もしくはそれ以下から、上は70歳(?)までの老若男女が来てくれるよ。初期の頃はやっぱりコアな男性メタル・ファンが多かったけど、有名になるにつれてホントに広い層が観にきてくれるようになったね。


−新作「THE HEART OF EVERYTIHNG」の曲はライブ栄えのする曲が多いですが、プレイしていても楽しかったんじゃないですか?

R:確かにそうだね。凄くライブ感に溢れているのはバンドも感じていた。曲がダイナミックだからオーディエンスも歌ったり拍手したりと、それに反応しやすかったんじゃないかな。


−シャロンも動きがより激しくなっているような気がしましたが、衣装も前回のツアーよりも動きやすいものを選んだんじゃないですか?

S:そうね、衣装はその日の気分で選んでいるの。やっぱり動き回ると体力を使うからスカートが短い方が軽いし動きやすいのよね。実は『LOUD PARK』の時の衣装はホントに重かったの!(笑)それでしっかり歌おうとするもんだから自然に動きも鈍ってくるのよね。今回は楽にパフォーマンスが出来たわ。

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−ライブDVD「THE SILENT FORCE TOUR」では何度も衣装チェンジをしましたが、今回は一度もなくて・・・女性ファンの中では衣装を楽しみにしていた人もいたかもしれませんね(笑)

S:そうかもね(笑)オランダの大きな会場でやる時はスタッフも沢山いるから着替を手伝ってくれるのよ。今回はそういうスタッフがいなかったから、もしやるとなるとインストを挟んだり長いイントロがないと無理だったのよね。私の衣装はコルセットだから着るのも脱ぐのも一人では出来ないの(笑)でも、もしかしたら次回はあるかもね。
 そうそう、それと一つエピソードがあってね。数年前にオランダのある教会でライブをやったときに長めのイントロを作ってその間に着替えていたの。で、着替えた衣装のジッパーを上げようとしたらナント壊れちゃったのよ!だけど周りにスタッフがいなかったから前の衣装に着替え直すこともできなくて・・・しょうがないから片手で後を抑えながらステージに出て行ったんだけど、みんなが「何やってるんだ??」って一生懸命私の背中を見ようとするの!手を離すと衣装が落ちちゃうし・・・あの時はほんと大変だったわ。それがトラウマになっているのもあるわね(笑)。


−男性ファンには嬉しいプレゼントになってしまいますものね。

R:新聞のトップページニュースになるよ(笑)!

S:(笑)・・・家から一歩も出れなくなってしまうわ。


−少し二人の音楽的なルーツについてお聞きしたいのですが、ロバートは今までどんな音楽を聴いて来たんですか?

R:最初はMarillionとかPINK FLOYDみたいなシンフォニックやプログレッシブなものが好きだったんだけど、その後はTHE CUREとかSISTER OF MERCYやグランジみたいなのを聴いた。その後にメタルを聴き始めてIRON MAIDEN、METALLICAからもっと濃いデスメタルへ行き、SUFFOCATIONとかCARCASSに行った。でも、その後にPARADISE LOSTに出会ってからは彼らのメロディーセンスとかオーケストレーションの部分にかなり影響を受けたね。


−WITHIN TEMPTAIONの前はどんなバンドをやっていたのですか?

R:実はこのバンドの前はMarillionのカバーバンドでベースを弾いていたぐらいなんだ。その後にCIRCLE(WITHIN TEMPTATIONの前身バンド)を開始してシャロンと一緒にやり始めた。


−シャロンはいかがですか?

S:最初に買ったレコードはE.L.O.のジェフ・ウェインの「THE WAR OF THE WORLDS/宇宙戦争」というアルバムだったわ。6歳上の兄がいて、彼がE.L.O.が好きだったからその影響ね・・・ほとんど兄が私に買わせたようなものだったわね(笑)。当時私は4歳だったからお母さんからお小遣いをもらっていたんだけど、その使い道が音楽に限定されていて「お人形やアメは買っちゃダメよ」って言われたの。それで何にしようかなって考えていた時に兄が薦めたのよ。
 その後は(急に歌い始めて)"by the rivers of Babylon〜♪"というボニーMの曲(「River Of The Babylon/バビロンの河)とか、ジョン・トラボルタとオリビア・ニュートンジョンの映画『グリース』のサントラを買ったんだけど、それが大好きでね!4歳から14歳までずっとカセットで聴いていたわ。
 その後はじめてブルース・ロック系のバンドをやったんだけど、その時は他のメンバーから教わったStevie Ray VaughanとかVAN HALENからRED HOT CHILIPEPPERSを聴いね。その後は急に変わるんだけど、トーリ・エイモスが凄く好きになって、グランジに行ってALICE IN CHAINS、NIRVANA、PEARL JAMなんかにすごくハマッたわね。
 で、その後にロバートと出会ってメタルの洗練を受けたのよ。ロバートと同じようにPARADISE LOSTのメロディーがあってダークな音楽に惹かれたわね。それでCIRCLEのヴォーカルをやらないかと誘われたの。


−シャロンは生まれも育ちもオランダですか?アイルランドの血は入っていないですか??

S:全然、純粋なオランダ人よ!そんなこと聞かれたの初めてだけどなぜ??(笑)


−ケルティックな要素はもちろんですが、ビョーク、メアリー・ブラックだったりと、非常にアイルランドのシンガーからの影響が強く感じられたので・・・

S:ケルト音楽というのはいわゆる民族音楽よね、でも実はハンガリーの民族音楽っていうのはケルトよりも更に古いの。一般的にフォークミュージックというとアイルランドやスコットランドが有名だけど、ヨーロッパの本土にはそれよりももっと古くからあったのよね。だからそのせいじゃないかしら。


−なるほど・・・。シャロンの多才な歌唱スタイルが新作「THE HEART OF EVERYTHING」を更に面白くしていますが、サラ・ブライトマンみたいなシンガーからの影響もあったりするんですか?

S:ワォ、嬉しいわ!特に彼女のレコードを持っているわけではないけど、私の好きなミュージカルみたいなことを彼女もやっているしね。もちろん何曲か知っている彼女の曲も好きだわ・・・ても、その程度ね(笑)


−そういった意味でも新作「THE HEART OF EVERYTHING」はメタルファン以外にも広いリスナーにアピールできる作品だと思いますが、いかがですか?

R:新作に限らずWITHIN TEMPTATIONの音楽は常にそうだと思うんだ。メロディーもあるし映画音楽的な要素もあるし、メタルファンにはもちろんだけど、そうじゃない人が聴いてくれるのは以前からあるよ。
−シャロンは一昨年の暮れに"母"になりましたが、作詞・作曲のアプローチが変わったりしましたか?

S:(ロバートへ訊ねる)どう?

R:直接的な影響はないんじゃないかな。我々の場合はクリエイティビティと子供は別物なんだ。だから子供を題材にして作曲することもないし、完全に切り離して考えている。WITHIN TEMPTATIONの音楽のテーマは常に"生と死"なんだけど、これは子供が生まれようが生まれないが一貫して今もあるものだからね。


−一リスナーとして感じたのが、歌詞の内容は違えど「All I Need」で聴かれるような"歌の温かみ"が更に深みが増したというか・・・

S:多分、それも関係ないわね。

R:もしかしたら無意識のうちに出ているのかもしれないけれど・・・ちなみにこの曲自体、子供が生まれる前に作ったものだからね。だからハッキリ言って出産の影響がサウンドに現われているのかどうかは我々には全く分からないよ。

−分かりました、では話を変えましょう。WITHIN TEMPTATIONは今年デビュー10周年を迎え・・・。

S:11年よ(笑) (※1stAL「ENTER」は’97年リリースのはずなのだが・・・)

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−すみません(苦笑)、11年前からこのスタイルを持っていましたが、Evanescenceがブレイクしてからというものの"彼らと同系統のバンド"として観られることが少なからずあったと思うのですが、これについてどう思われますか?

S: そうね、でも彼らが出てくる前はケイト・ブッシュと比較されていたし・・・"ヘヴィなケイト・ブッシュ"とも言われたわ(笑) いつでも必ず誰かとは比べられるわけで、新しいバンドが出ると似た要素をみつけては比べるの。EvanescenceとWITHIN TEMPTATIONだったらサウンドがヘヴィでメロディーがあって・・・

R:女性が歌っていて。

S:そう、同じ女性シンガーという部分で比較されてしまう。でもそれは常にあることよね・・・。例えばH.I.MやLINKIN PARKもシンガーが女性だったらきっと彼らとも比べられていたでしょうね!(笑)まぁ、仕方ないことよ。


−ただ、やっぱりWITHIN TEMPTATIONは10年間に渡り確実にステップアップしてきているわけで、それだけ長い間愛されている理由は真のアーティストであり、素晴らしい音楽を創りつづけて来たからこそだと思います。その辺は自負されていますか?

S:一夜にして成功してしまうと逆にソレを維持していくのが難しいと思うの。でも、私たちの場合は自然と一歩ずつ着実に登って来たわけで・・・もちろん努力はしたわよ(笑)! そうやって少しずつ上昇してきて、みんなが自分たちの音楽を気に入ってくれるのが実感できるようになった時は凄くそれがヤリガイにもなったし、報われた気持ちにもなれたわ。


−この先のヴィジョンなどありますか?例えば丸々サウンドトラックを手掛けるとか・・・

S:アジアの映画が好きだから、アジア映画の音楽が出来たら最高ね!あとはヒーローものなんかも良いわ。『クラウチングタイガー・ヒドゥンドラゴン』や『ブレイブハート』なんかの音楽は映画の雰囲気を凄く上手く表現しているから、ああいったものが出来れば良いわね。

R:もしくは、いきなり映画じゃなくても自分たちの曲のビデオクリップを映画仕立てに創るのも面白いよね。我々は常に色んなことにチャレンジしていくのが好きだから新しいアイデアがどんどん湧いて来るんだ!だから自然な流れのなかでそういったビッグなものが創れればいいね。ゲームの音楽なんかも良いかもね。

S:実際に新作の「The Howling」は「SPELLBORN」というゲームの中で使われていて、ゲームの展開シーンで効果的に使われているのよね。

R:まぁ、考えていることはいろいろあるよ(笑)


−日本のファンは壮大な音楽が好きだから非常に期待すると思いますよ!それでは、最後に日本のファンへメッセージをお願い致します。

S:ホントにライブに来てくれてありがとう!これから(このインタビューの直後に)インストアイベントやサイン会があるんだけど、そこに来てくれるファンにもお礼を言いたいわ。今回はたった2回だけだったから次回はもっともっと沢山ライブをやりたい!また絶対に日本に戻ってきたいわね!

R:右に同じだ(笑)素晴らしい時間を過せたよ。ありがとう!






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