Yngwie J. Malmsteen Special Interview 2001.6.19

translator:MARIKO KAWAHARA
協力:ポニーキャニオン


−おとといのオーケストラとの公演は究極的な極みを感じる素晴らしいショーでしたが、ご自身、長年の夢が叶ったと思うんですけど終えてみての感想はどうですか。S

イングヴェイ(以下Y):色々な状況を考えるとね、本当によくやったって自分でも思うよ。日本に来る前にずっとヨーロッパツアーをやっいて、最後のイギリスのノッティンガム後にそのまま車に乗ってヒースローに行き、成田に着いたあとそのままリハーサルに行ったんだよ。凄い強行スケジュールだったからな(笑)。時差ボケもあったし曲もまだちゃんと完全に覚えてない様な状態で、少ないリハーサルの中でやったんだけれど、あれだけの結果に本当に満足しているよ。 オーケストラも素晴らしかったし、指揮者も素晴らしかったのと、オーディエンスも素晴らしかったというのがあると思うけど、本当に結果には大満足だよ。

−普段のバンドのショーとは違って、音のバランスなど色々苦労したところがあると思うんですけどいかがですか。

Y:そうだなぁ、アンプも普通はステージに置いているんだけど、それだとやっぱり音が大きくなり過ぎちゃってオーケストラの人が気になってしまうし、機材も見えないところに置いてあったんだ。俺用のモニターもあったけど、ギターの音かなり抑えて普通にバイオリンの音が聞こえるくらいの感じでやったよ。今回もいつものストラトを使ったけど、俺の中ではこれはロック・ショーじゃなくて、純粋なクラッシックだと考えてもらいたかったのさ。
普段のライブだといつもマーシャルを後ろに並べているけど、今回使ったアンプっていうのはフェンダー・ロックプロっていう小さいアンプを使ったんだ。それが今回のオーケストラには適していると思ったからな。

−コンチェルト・アルバム以外の曲もやっていましたが、ご自身で選択されたんですか、それとも新日本フィルハーモニー側からこの曲やってみたら面白いんじゃないかっていうアプローチがあったのですか?

Y:いいや、俺でないことは確かなんですけど(笑)。俺が選んだわけじゃなくて誰かわからないんだけど、「これはどう?」って言われてみて、まぁいいんんじゃないかって感じで決めたんだ。


−今回の公演は、新日本フィル側から是非やらせて欲しいというご依頼があったそうですが、ハードロック畑のアーティストであるイングヴェイの作ったクラッシクの作品が、クラッシック畑の人達に受け入れられたことになると解釈出来ると思いますが、ご自身はどう思いますか?

Y:おおっ、まさにそうだな。嬉しいって言う以外に言葉がないよ(笑)。

-なるほど(笑)。公演後に、直接オーケストラの団員や指揮者の方からご意見や、感想を聞けたりしましたか?

Y:団員も指揮者もみんな本当に気に入ってくれたみたいで、その気持ちを色んな形で表現してくれたよ。一人は、「あなたは生きる伝説です。」みたいに言われたんだが、それが凄く嬉しかったよ。そいつが言うには、クラッシックって大抵はすでに死んでしまった人の音楽やるわけだろ、だけど俺はこうしては生きてるわけだし(笑)、その生きている俺の音楽をこうしてやったってことに、生きる伝説って言葉が出たと思うんだがな。そんな具合に本当にみんなに評価してもらえたから、凄く嬉しかったよ。

−公演のあと、みんなで打ち上げに行ったりとかクラシック界の人たちもするんですか(笑)

Y:それは、なかったけどな(笑)。

−今回の公演のオーディエンスの中には、元々のイングヴェイのヘヴィ・メタルのファンである人以外に新日本フィルのファン、クラシックのファンとして見に来られた方もいたそうですが、純粋なクラッシック音楽ファンにもイングヴェイのアルバムを聴いてもらいたいですか?

Y:あまりどういう人に受け入れられたいかってことは、気にしてないんだが・・・そもそも、俺のファン層もかなり幅広くて、若者だけじゃないだろ。年輩の教授みたいなヤツもいれば、6〜7歳の子供までいるわけだ。確かに今回のこのコンサートって言うのは、好奇心でねクラッシックしか聴いてないような人も見に来てくれたと思うけども、彼等にも認められたと思うし、それは良かったな。

−クラシックのファンの人達にイングヴェイのハードロック作品をおすすめするとしたら、まずどれを聞いて欲しいですか?

Y:すべてだな(笑) あまり選べないけどね。って言うのは、やっぱりずいぶん昔からそのクラッシックの作曲家がやってきたのと同じ様な方法で曲を作ってきたし、どれをとってもクラッシクの人にも受け入れられるだろうって思うよ。普通ロックバンドって言うと、まぁ、全部とは言わないがギタリストがコードを弾いて、ちょっとリフ弾いたりして、ドラマーがドンドンと入ってきて、ベーシストはダ、ダ、ダとルート音を刻んでね、ボーカルが、「Hey!Baby!今夜fxxxしようぜ!」みたいなのを歌うって言うのが、定番だっただろ? でも俺は、そういうやり方は大昔につまらないと思って、やらなかったよ。 それで、もっと良い方法で作ろうと思ってやってきた。 19の時にはじめてアルカトラスで、日本に来たんだが、、その頃からロック・バンドであっても、バンド全体をオーケストラみたいな感じで捉えて、オーケストレーションをしきるみたいなことを既にやっていたよ。「そうじゃない、コレがヴォーカル・メロディーだ、グラハム!!」ってな具合にな。 大編成のオーケストラであろうが5人編成のロックバンドであろうが、考え方は同じだよ。 まぁ、そういうクラッシック的なアプローチって言うのは、俺にとっては非常に自然なことだったんがな。だからそんな中で、しいてどの曲って言っても非常に難しいけど、とりあえず、STEELERの曲以外なら何でもって事だな(笑)。 曲で言ったら、う〜ん、クラッシック・ファンに受けるとしたら、「Far Beyond The Sun」か・・・「Black Star」もいいと思うし・・・だけど必ずしもそれだけじゃなくて聴く側がオープンな気持ちでいてくれれば、「Seventh Sign」もいいと思うし・・・う〜ん、でもやっぱり、ずっと前からクラシック的なアプローチをしていたから、ヘヴィーな音楽をやっても、そこにクラッシク的な部分ってあるわけだから、結局、どれでもいいんじゃない?っていうのが、最終的な答えだな(笑)。

−今おっしゃられた、クラッシク的なアプローチをずっと前からやられてるっていうのは、今回の公演の第一部でやったオリジナル曲やアンコールでやった、いつものライブの定番ナンバーをオーケストラとやってみた結果、ぴったりの相性でしたし、いかにイングヴェイの音楽が壮大で、クラッシック的なアプローチをしたヘヴィ・メタルの曲をやっているんだ、といことが証明されたと思いますよ。

Y:(日本語で)そうですね。 ありがとう!!!

−今までハードロックバンドがオーケストラをフィーチャーしてアルバムを作ったというのはいくつかありましたが、イングヴェイが作ったものは、これまでのものとは、全く違って、真のクラッシック・アルバムを作ったと思いますが、その辺ご自身はどうお考えなのでしょうか?

Y:Thank you!!もう何も言うことはないよ(笑) 正に、的を得てることを言ってくれたからな、そのままだよ、ありがとう(笑)

−ご本人も、そのつもりで作ったと。

Y:そうだ。まさにその通りだよ(笑)。(通訳の方に向かって)君が変わりに答えてくれよ!! 過去にね、ディープパープルとか、EL&P、ウリ・ジョン・ロート、メタリカ、スコーピオンズなんかが、オーケストラと一緒にやってきたわけだけど・・・別に彼等に対して悪い気持ちは全く無いし、彼等がやったことは凄く素晴らしいと思う。 どれも好きなんだけど、彼等の場合っていうのは、まず、バンド単位でやっていた元々ある曲にオーケストラを呼び込んだ、って形だと思うんだ。 だけど、俺がやったのは自分の方からオーケストラの方に飛び込んでいったって感じだから、そこがやっぱり全然違うだ。 そこの部分を君は、くんで分かってくれたから凄い嬉しいよ。 まぁ、決してコマーシャルな音楽ではないけど、凄くチャレンジしがいがあったよ。

−クラッシックの公演を見ていて、ご本人が一番楽しそうにしていたと思いますが、イングヴェイのへヴィ・メタルのファンとしては、このままクラッシクの人になってしまうんではという心配があるんですけど。

Y:それはないよ(笑)。

−奥さんに歌わせて、アコーステックな音楽になることもないですよね(笑)

Y:俺がロックらしさを忘れることは絶対ないね。ヘヴィ・メタルは俺の人生だからな!! (ドシン!!と大きな音で足踏みをして)片足はロックに、もう一方は(ドシン!!)クラシックに、と両方をバランスよくずっとやっていきたいと思ってるんだ。 やっぱり、ロックのコンサートだと、ほら、こう走り回ったり、ギターをくるくる回したり、色々できるだろ? あれは絶対にやめられないぜ!! 自分なりのヘヴィ・メタル、いわゆるネオ・クラシカルと呼ばれているものだけど、それはずっとやっていきたい。そして、今回やったオーケストラとの共演っていうのも凄く素晴らしい経験だったから、両方を平行してやりたいと思うよ。 とりあえず、今はワールド・ツアーの途中なんだけど、それが終わったら、このコンチェルト・アルバムの2作目を作りたいと思ってる。だから、次にアルバムとして出るのは、今回、日本でのオーケストラのライブのDVDなんだけど、その次に“なにが出るか”って言われたら、まぁ、ロック・アルバムか、コンチェルト・アルバム第二番になると答えるだろうね。突然、ブルーズ・アルバムになったり、アコーステックになったり、普通のギター・インストになることはありえないよ(笑)

−どちらになるかはまだ決まってないんですね?

Y:今の俺としては、クラシックの方に気持ちがいっちまっているけどな。まだ分からないな。


−次にバンドのことについて聞きにたいのですが、来月、日本でライブを行いますが、その時はマーク・ボールズが参加しますよね? もし、次がロック・アルバムだとしたら、マーク・ボールズをシンガーとして起用するのですか?

Y:君がそう言うのは、マーク・ボールズに次のロック・アルバムで歌ってもらいたいからかい? それとも、逆に、他の誰かに歌ってもらいたいと思うから、そういう質問をするのかい?

−両方ですね(笑)。もちろんマーク・ボ−ルズが歌う次のアルバムも聴いてみたいし、また、違うシンガーが歌うアルバムも聴いてみたいというのが正直な話です。

Y:そうかい。 マーク・ボールズに関しては、今の時点ではどうなるかは全くわからない。もちろん可能性は無いとは言えないけどね。ただ言えるのは、ロック・アルバムを作る時に、スケジュールが空いてて、しかも、俺が一緒にやりたいと思う人がいれば、そいつとやるということだよ。それくらいしか今の時点で言えないね。そうそう、それとは別に最近、とある人からメールが来てさ、“ALCATRAZZの再結成しないか?”って話があったよ。“アルバムを作って、ツアーをやろうぜ”みたいな話さ。まだ何も返事は書いてないけどね。ただ、クラシックについて言えば、今度、ライヴのDVDも、CDも出るわけだから、その次がまたクラシックだと、なんとなくクラシックばかりが続く感じで、いくら内容が良くても、ちょっとまずいかなって(笑)。 例えば、いくらおいしいアイスクリームだって何個も食べられるもんじゃないだろ? だから、ちょっとロックの方にも目を向けようかなとは思うよ。ただ、ALCATRAZZの再結成の話に関しては、メンバーみんな年をとって車椅子状態だからなぁ、こんな感じで(笑)(点滴を腕にさした老人の身振りをする)。 単なるリバイバルっていう感じになっちゃうんじゃないかなぁとも思うんだよな。とにかく、アイデアとしては悪くないから、これから考えてみることにするよ。何か、古代の物みたいって感じだけど、やるとも、やらないとも言ってないんで、この話しについては今の段階では何とも言えないな。まぁ、ファンのためには、いいのかもしれないけど、年寄りが集まって演奏しているような感じには、したくないけどな!!

−一番お年めした方から、メールを頂いたんですね?(笑)

Y:というか、本人からじゃないんだけど、レコード会社、もしくはマネージメントの人間かわからないけれど、俺とグラハムとジョン、ゲイリー・・・と後誰だっけなぁ・・・ジミーだ、遠い昔のことだから忘れちまっているけど、とにかく“オリジナル・メンバーでの再結成はどうか”という話しはあったね。

−まだ、色々と聞きたいことはあるんですけれども、最後に、来月(2001年7月)のライヴに向けてファンにメッセージを頂けますか?

Y:まずは、俺のクラシックのコンサートを観に来てくれたファンには、お礼を言いたいね。そして、来月、7月のライヴではロックに戻って、気合の入った本気のショウを見せるから、みんなしっかり準備しておくように!!

−楽しみにしています。今日は、どうもありがとうございました。

Y:Thank you!!

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