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−−制限の中で楽しむ、というのが菅野さんにはあるんですね。
菅野よう子:ありますね。「ご自由に」って言われるより、冷蔵庫の中にあるものを見てまかない作る下宿屋のおばさん、みたいな感じ(笑)。「1万円で買い物して作って」って言われるより、他人の家の冷蔵庫を勝手に開けて、「じゃがいもしかない……」とか言いながら美味しいものを作る方が好きですね。
−−菅野さんは自身のオリジナルアルバムを作ることには興味がないんですよね?
菅野よう子:制限の中、じゃがいもしかない中でも作ってもそれが私だと思うので、違いが分からないんです。自由にしないと何かが表現できない、とは特に思ってないので。
−−ただ、『CMようこ』では初めてジャケットに菅野さん自身が登場した作品でもあるんですよね?
菅野よう子:恥ずかしいし絶対に人前に出たくなかったんですけど、ここまで長くやってくると、もはや自分を遊んでしまおう、という気に……。丸くなりましたね(笑)。
コンサートは好きなんですけど、テレビとか苦手なんですよねぇ。だって言葉で表現でき難いから音楽やってるのに、顔と言葉で何か言えっていわれても困るじゃないですか!? 「凄い苦手なことやれ!」って言われてるみたいで……。大体、スタジオでも「何言ってるのか分からない」って言われてるのに(笑)。
−−でも菅野さんは作詞をされることもありますよね?
菅野よう子:昔、小説を書きたくて一生懸命書いてた時があったんですけど、辞めちゃったんです。他にいっぱい才能のある人がいるのを見て、「私がやることないんだ」と完全に筆を折った。だから、言葉は好きなんですけど非常に勇気がいるんです。
でも、今まで色んな作詞家の方にこうしろああしろと言いまくってて、しまいには「このように書け!」とかやってたら(笑)、プロデューサーに怒られて。「そんなことしたら作詞家が育たない。任せるか自分で書くかにしろ」って言われて、「そりゃそうだな…」と。
−−また、詞に歌がのった瞬間、想像を凌駕する瞬間もありますよね?
菅野よう子:ありますね。
−−『CMようこ』収録の『MAGICSWEETS』はCharaさんがボーカルを務めていますが、本作の中でもかなり印象的な楽曲ですよね。
菅野よう子:あの曲は面白いですよね。演奏者もそうですけど、ミュージシャンの手を通すことによって、楽曲が自分の手を離れてその人の作品になる瞬間が嬉しいんですよ。言葉や譜面がその人の表現になる。その人のものになってもらえないとつまらないんです。
−−因みに、『CMようこ』は次回作の構想などもあるんでしょうか?
菅野よう子:1枚目がジェリービーンズみたいに甘ったるくて可愛くて、キラキラしたポジティブなもの。2枚目はおつむが良いことを楽しめるような内容にしたくて、例えるとビタミン剤。やっぱり色はカラフルだしずっと飲んでると身体に悪いんだけど(笑)、その瞬間だけは「元気になった!」みたいな。
で、3枚目は市場に出回っている大量商品とは違って、ちょっと下手っぴに作ってある限定品というか。決して売れはしないけれども気になる、手作りっぽいものにしたいなって。身体に悪いもの3部作(笑)。
−−「そればっか食ってっとマズいことになるぞー」的な?(笑)
菅野よう子:「時々、ゴボウとか食えよー?」みたいな(笑)。
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